労働4
「もういいかい?
あたしゃ、本当に忙しいんだ。
すぐに仕事に取り掛からないと…」
「確認は済んだ。
これは間違いなく私の探していたアレクシスだ。」
「あぁ、そうかい。
じゃ、今から早速働いてもらうからね。」
俺達は今通ってきた道を後帰った。
「いいかい?あんた達は水汲みだ。
泉の水を汲んできな!」
イザベラは、俺達に棚の大きなバケツを顎で示した。
「あんたはこっちだ。」
ユリウスは、薬草の入った籠の前に呼ばれた。
水汲みとは違う仕事をさせられるようだ。
俺達は急き立てられるようにして、泉に向かった。
「良かったな。やっとアレクシスがみつかって。」
「あぁ、本当に良かったよ。
まさか、酒造りを手伝わされるとは思わなかったが、こんなこと、なんでもないさ。」
「そういえば、さっき、あの魔女はおかしなことを言っていたな。
確か、ユリウスの精気をもらう…とか、なんとか…」
「え?…そうだったかな?そんなこと言ったっけ?」
ここはもう知らばっくれるしかない。
「あんただっていたじゃないか。
酒造りを一週間手伝うこととユリウスの精気を渡すことで、アレクシスを譲るって、さっき、あの魔女は言ったじゃないか。」
「さぁ?
私は聞いた覚えはないが、あんたの聞き間違いじゃないのか?」
「え…でも…」
「そんなことより早く水を汲んでいかなきゃ、文句を言われるぜ…わよ。
さ、急ごう!」
俺はアランを置いてその場を離れた。
もうすぐわかることだけど、今はまだ言えない。
ここは適当に誤魔化しておくしかない。
それにしても、大きなバケツはけっこう重い。
とても急ぎ足では進めない。
「遅いっ!」
「え?す、すみません。」
「それを一番奥の樽に入れといで!
はねないように、そうっと入れるんだよ!」
「は、はいっ!わかりました!」
俺達は酒蔵に向かった。
樽にかけられたはしごを上り、樽の中をのぞきこむと、目に染みるようなきついアルコールのにおいがした。
樽の中には、底の方になんだか得体の知れない液体が入っていた。
俺は言われた通りに、バケツの水をそっと注ぎ入れ、アランの水をさらに注ぎ入れた。
「イザベラさん、入れてきました。」
「何をぼさっとしてるんだい。
入れたら、またすぐに汲みに行かないか!
ひとつの樽に100杯入れたら、次の樽…わかったね!」
「ひ、100杯!?」
「ぐずぐずするんじゃないよ!」
「は、はいっ!」
一つの樽につき100杯だって…?
これはなかなか大変な仕事だぞ。
俺達は空のバケツを持って泉に走った。




