労働2
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「大きな泉だということだから見落とすことはないとは思うが、慎重に探して行こう。」
「あぁ、わかった。」
バーバラの家を出て、あっという間に六日の月日が流れた。
数日程前から、険しい山道ばかりが続いている。
この状況から考えると、おそらく、イザベラが住んでいる場所にかなり近付いたと思われる。
俺達は、手掛かりとなる泉を探しながら、慎重に山の中を歩いた。
そして、次の日……
「あ…!」
「もしかしたら、あれが…」
山の中に大きな泉を見つけた。
澄んだ清らかな水がこんこんとあふれ出る美しい泉だ。
俺達は、このところの疲れも忘れ、小走りで泉の傍に走り寄った。
「あ!あそこに家がある!」
「ついにみつけた…!!」
泉の向こうにぼんやりと見える赤い屋根…
あれがきっとイザベラの家だ!間違いない!
俺達は、飛び跳ねるようにして、イザベラの家に向かった。
家に近付くと、酒臭いにおいがした。
家の前には、中年の女がいて、しゃがみこんで籠の中の薬草のようなものをいじっていた。
「こんにちは!」
女は振り返って俺達を一瞥しただけで、また同じ動作に戻った。
「あの…イザベラさんではありませんか?」
「人間なんかに用はない。
あたしゃ、忙しいんだ、帰れ。」
人間嫌いなのか何だか知らないが、たいそう態度の悪い奴だ。
だが、今はそんなことに怒ってる場合じゃない。
「私たちはあなたに大切な用があるんです。
どうか、少しだけお話を聞いていただけませんか?」
「帰れと言ってるだろう。」
「ほんの少しで良いんです!
どうかお願いします!」
イザベラは返事をしない。
「イザベラさん、お願いします!」
ここまで来て諦められるはずがない。
イザベラがうんと言うまで、絶対に帰れない!
「……全くしつこい人間だな。
一体、何の用だ。」
「あ、ありがとうございます。
実は…ここに、フクロウじいさんから買われた白いフクロウがいると思うんですが、それを譲っていただきたいのです。」
「なんだって?あのフクロウを…?」
イザベラは、厳しい視線で俺を睨み付けた。
「馬鹿言うんじゃないよ。あたしゃ、あのフクロウが気に入ってるんだ。
誰にも譲る気はない!」
「イザベラさん…」
俺は、イザベラの傍に近付き、耳元で囁いた。
「フクロウの代わりに、あなたにはエルフの精気をお分けします。
あの長身の男…あれがエルフです。」
「なんだって!?」
イザベラは立ち上がり、ユリウスの傍に近寄った。
ユリウスを上から下までなめるように眺め透かし、そしてユリウスの方に手の平をかざした。




