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災難3

「ああっ!」


「どうしたんだ!?」


「コンパスが…!」




俺が下を覗き込んだ時には、コンパスはもうどこに行ったのか、皆目わからなかった。




「な…なんていうことを!!」


ユリウスが鬼のような顔をして、俺に詰め寄る。



「わ、私はただフクロウのことを言っただけで…」


「おまえが余計なことを言うから…」


ユリウスは、唇を震わせた。

まったく…なんでも俺のせいにするのはやめてほしいもんだ。

コンパスを手放したのは自分のくせに…




「コンパスを探して来る!」


「ユリウス、無茶を言うなよ。こんなとこ、降りられるわけないだろ。

焦っても仕方ない。

向こうから回り込んで降りよう。」


アランが穏やかな声でそう言った。

俺達は急ぎ足で山道を下り、さっき、コンパスが落ちたと思われるあたりを探すことにした。




「あったか?」


「いや、ない。」


俺達は手分けしてそこらを探しまくったが、コンパスはどこにもみつからなかった。

コンパスは小さなものだ。

しかも、かなり高い所から落ちている。

もしかしたら、見当違いの所を探してるのかもしれないと、捜索範囲をずいぶん広げて次の日も探したが、やはりコンパスはみつからなかった。




「…ユリウス、諦めた方が良さそうだ。」


「しかし、それなら魔女の家はどうやって探すというのだ?」


「だいたいの方角はわかってるんだ。なんとかなるだろ。」


「おまえは本当にいいかげんだな!」


確かに、僅かなズレも進んで行くうちには大きなズレになるかもしれない。

そうなりゃ、魔女の家はみつからないだろう。

でも、なくしちまったものは仕方がない。

ないものはないんだから、




いつもよりさらに不機嫌になったユリウスは、暗い顔をして、一番後ろをとぼとぼと歩くようになった。







「しかし、本当に困ったな。これからどうしよう。」


焚き火の前で、地図を広げ、現在の場所を確認する。




「あれ??俺達、また戻ってきてるんだな。」


地図を覗き込みながら、アランがつぶやく。





「そういうこと。もう少し進んだら、以前、立ち寄った町だ。」


「あぁ、酒好きな魔女のことを教えてもらったあの町だな。」


それを聞いて、俺の頭の中にある思いが浮かんだ。


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