フクロウじいさん21
「とにかく、戻ろう。」
帰りは何事もなかった。 気を張りながら進んで行ったが、来た時のような仕掛けはどれも作動しなかった。
貯蔵庫のすぐ傍に近付いた時、壁に不自然な出っ張りが二つあることに気が付いた。
来た時には背中を向けていたから、気付かなかったようだ。
上にある出っ張りを押すと、隠し扉が閉まった。
下の出っ張りを押したが、何事も起こらなかった。
結局、何なのかわからないまま、俺達は地下を進み、崩れかけた階段を上って地上に出た。
「わ…もうすっかり暗くなってるぜ。」
「アラン…お宝探しに行ったことは…」
「ユリウスには内緒…だろ?」
「察しが良いな。
俺達は、ユリウスとはぐれて、ずっと探してたってことにしよう。」
「でも、暗くなったら落ち合う場所を決めてたじゃないか。」
「うっかりそのことを忘れてたって言うんだ。」
アランは渋々そのことを受け入れた。
「ユリウス~!」
俺達は、落ち合う場所の近くで、ユリウスの名を呼んだ。
しばらくすると、ユリウスが木立の間から現れた。
「ユリウス~!会えて良かった…!」
「こんな真夜中まで、一体、どこに行ってたんだ。」
「どこって…はぐれたから、今までずっとあんたのことを探してたんだ。」
「落ち合う場所は決めていたではないか。」
「え?そうだっけ…?」
「お、俺もすっかり忘れてた…」
俺達の下手な芝居に、ユリウスは呆れたような、馬鹿にしたような顔をして、溜め息を吐き出した。
「それで、フクロウじいさんの家はみつかったのか?」
「そ、それが…まだなんだ。あんたの方は?」
「……まだだ。」
ユリウスは、不機嫌な声で答えた。
そうだろうと思ってた。
ユリウスは呪われた城の方とは違う方向を探していた。
フクロウじいさんの家は、おそらく俺達が向かったその先のはずだ。
「また明日探そう。
コンパスはまだ光ってるんだろう?」
「あぁ…」
「じゃ、きっとアレクシスはフクロウじいさんのとこだ。
明日にはきっとみつかるさ。」
「何の根拠もないのに、どうしてそんなことがわかる…?」
こいつはどうしていつもこうなんだろう?
俺は励ましの意味で言ってやってるのに…
むかむかする気持ちを、俺は必死にこらえた。
「さぁ、早く寝ないとな。あぁ、眠い、眠い。」
俺はわざと大きなあくびをした。
こんな時は寝てしまうに限る。
起きてても苛々するだけだ。




