フクロウじいさん20
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「じゃあ、頼んだわよ。
そこから絶対に動かないでね。」
「あぁ、わかってる。
気を付けて行ってくれよ。」
俺は、扉の隙間から、這いつくばって向こう側へ向かった。
松明も当然俺が持っていく。
なぜ、アランがあんなに反対してたのに俺が行くことになったかっていうと…
俺が、台の上に乗ったら隙間がほんの少ししか開かなかったからだ。
とても、アランが通り抜けられるものではなかった。
つまり、台はその体重によって、扉の開く分量が違うってことだな。
そのおかげで、俺が先に行くことになった。
注意しながら進んだが、特に何事もなく、それが余計に不安な気分にさせられた。
しかもすぐに行き止まりに行きついたんだ。
そこは、明らかに宝物庫だった。
だが、鉄格子は開いていて、何も残ってはいない。
空の箱がいくつか転がっているだけだ。
つまり、ここのお宝は、誰かが根こそぎ持って行ったってことだ。
畜生…ツイてないぜ。
その隣には、小さな部屋があった。
扉には鍵さえかけられていない。
いや、鍵穴はあったから、きっと元々は鍵がかかってたんだと思う。
でも、今は鍵はかかっておらず、すんなりと開いた。
何か飛んで来ないか、床は抜けないか、心配しながらゆっくりと扉を開ける…
だが、心配したようなことはなにもなかった。
(あ……)
部屋の中には、台座のようなものがあり…そこには、蓋の開いた小さな宝箱がぽつねんと置いてあった。
宝箱の大きさからしても、きっと、ここにあったのはプリンセス・ルビーだ。
特別値打ちの高いものだから、別室に置いてあったんだろう。
なんてことだ…
苦労してここまで来たっていうのに、ここのお宝はすでに誰かに取られてたんだ。
やっぱり先日の二人組か…?それとも、他の何者かか…
いずれにせよ、ここにはもうプリンセス・ルビーがないことは事実だ。
仕方がない…これが今回の結果なんだ。
いつもいつもそううまくいくはずもない。
エリーズにプリンセス・ルビーをやれないことはやっぱり残念だが、お宝はいつだって早い者勝ちだ。
遅かった者は諦めるしかない。
俺は今通って来た道を引き返した。
アランも、真っ暗なところにずっと突っ立ってるのも心細いだろう。
早く戻ってやらないと…
「ただいま。」
「ステファニー、無事だったか!」
「あぁ、おかげさまでな。」
「それで…どうだった?お宝はあったのか?」
俺は小さく首を振る。
「残念ながら、もう誰かに持って行かれた後だった。
それも根こそぎな…」
「なんだって!?」
「あったのは空の宝箱だけだった…」
「そうか…それじゃあ、もしかしたらこの間の二人組が持ってたのかもしれないな。
……でも、良かったよ。」
「良かったって…何が良かったっていうんだ?
お宝は何もなかったのに…」
「あんたが無事だったら、俺はそれだけで良いんだ……」
そういう意味か…そりゃあ、そう言ってくれるのはありがたいが…
俺はアランの気持ちに応えることは出来ない。
なんたって、俺は男なんだから…




