フクロウじいさん19
「大丈夫か…?」
「まぁな…だけど、松明を落としてしまった…」
「そうか、仕方ないな。」
俺達はすんでのところでどうにか壁に挟まれずに済んだ。
すぐ後ろで、壁と壁のぶつかる鈍い音がした時には、どっと冷や汗が流れた。
あと少し遅かったら、俺達は串刺しでさらにぺしゃんこにされてただろう。
「……なんてところだ。
これじゃあ、いくつ命があっても足りないぜ。」
アランはそう言って、額の汗をぬぐった。
「まぁ、そう言うなよ。
その代わり、ここにはものすごいお宝が眠ってるんだから。」
俺はふと、酒場で出会ったあの二人のことを考えた。
もしかしたら、あいつらがもう宝をみつけてしまっただろうか?
今のところ、新しい亡骸は見てないから、無事だとは思うが…
この隠し通路に気付かなかったのか、それとも、すべてを切り抜けたのか…
「じゃあ、行こうか…」
次の曲がり角もまた廊下だ。
だが、今までとは違って、すぐに行き止まりになっている。
「どういうことだ?」
先を遮っているのは、重々しい石の扉だ。
くまなく調べても、石の表面にはおかしなところは何もない。
もちろん、俺の力では…いや、アランであっても、もっと力の強い者であっても押しても引いてもびくともしないような極めて頑丈そうな扉だ。
だが、近くに小さな石の台のようなものがあった。
きっと、これがなんらかの役目を果たすのだろう。
だが、それがなかなかわからない。
「どうする、ステファニー…
こんな扉、どうやったって壊せないぜ。」
「もちろんだ。
だけど、何かあるはずだ。
壊さずにこの扉をどうにかする方法が…」
「そうはいっても、調べたけど何もないじゃないか…」
そう言って、アランは石の台の上に腰を下ろした。
その途端、石の扉が鈍い音を立てながら、上に上がっていった。
その隙間は、這った状態で、人がなんとか通り抜けられそうな程度だ。
「どういうことだ!?」
アランが立ち上がると、扉は大きな音と立てて閉じられた。
「わかったぞ、ここに重しを載せると、この扉が開くんだ。」
「そういうことか。
でも、だったら、俺かあんたかどっちかがここに残らないといけないことになるぜ。」
「その通りだ。
アラン、あんたが残ってくれ。」
「えっ!そ、それはだめだ!
俺が行く!この先だって、何があるのかわからないんだから!」
「今までのことだって、俺…じゃない、私の機転で助かったんだ。
私が行く!」
「だめだだめだ!
あんたに、そんな危険なことはさせられない!」
アランは頑として、俺の言うことを聞かなかった。




