フクロウじいさん15
「せっかくだから、行ってみないか?」
「えっ!?まさか、その呪われた城に行くって言うのか?」
俺は大きく頷いた。
「馬鹿なことを言うんじゃない。
呪われた城はひどく危険な場所だって話じゃないか。
あんたをそんな危険なところになんか連れていけるはずがないだろう。」
「何言ってんだ。
私はあちこちを旅してきた。惑わしの森にだって…
だから、大丈夫だって。」
「そういう過信が良くないんだ。
何かあったら大変だ。さぁ、戻るぞ!」
アランの奴…何を言ってるんだ!
せっかくここまで来られたっていうのに、このまま帰れるかってんだ!
「いやだ。私は呪われた城に行く。」
「だめだって言ってるだろ!?
さぁ!」
アランは俺の手を掴んでぐいと引っ張る。
くそっ!なんて馬鹿力だ。
女の俺には抗うことが出来ない。
俺のことを心配してくれるのは嬉しいが、俺はアランなんかとは比べ物にならないくらい、経験を積んでいる。
だけど、悲しいかな…今の俺にはその事実を言うことが出来ない。
アランは俺の手をぐいぐいと引っ張って行く。
「あ、アラン、忘れたのか?
ここにはプリンセス・ルビーがあるの…よ。」
「そのことならもちろん覚えてる。でも、どんなにすごいお宝でも、命を落としたらおしまいだ。」
アランは力を緩めようとはしない。
「アラン…わ、私、どうしてもプリンセス・ルビーがほしい!」
「そりゃあ、俺だって、あんたにそれをプレゼントしてやりたいけど…」
「じゃあ、お願い…!あんたがそれをみつけてくれたら……わ、私はあんたと結婚しても良い。」
「えっ!?」
不意に、アランの手が離れた。
「本当か?本当に、プリンセス・ルビーをみつけたら、結婚してくれるのか?」
「え、えぇ、もちろん。嘘じゃない。」
アランは腕組みをしてじっと考えていた。
とっさのこととはいえ、えらいことを言ってしまった。
でも、そうでも言わなきゃ、アランの気は変わらなかっただろう。
「……わかったよ。
でも、危険だと思ったらすぐに引き返す。いいな?」
「も、もちろんっっ!」
ようやく呪われた城に行けることになった。
それにしてもアランの奴…何かと厄介だ。
こんなことなら、一人で来れば良かったかなと俺は少し後悔した。




