フクロウじいさん8
「幸運を祈ってる。
頑張ってくれよ!」
「あぁ、ありがとうな!」
俺達は、他愛ない話をしながら、夜明けまで酒を酌み交わした。
アランは、早くにテーブルに突っ伏して寝てしまった。
本当に酒には弱い奴だ。
それなら、最初から飲まなきゃ良いのに…
同業者との話はやはり楽しいし盛り上がる。
話を聞いていると、本当に今すぐにでもお宝探しに出かけたくなる。
でも、今は、アレクシスのことが何よりも最優先だ。
アレクシスさえ捕まえれば、俺は元の男に戻してもらえる。
そしたら、お宝探しだって…
あ、そうじゃない…
まずは、エリーズとの結婚式だ。
それから…そうだな。
最後に一回だけ、お宝探しに行かせてもらおう。
そしたら、すっぱり足を洗って……
考えるだけなのに、心が揺れる…
それだけ、トレジャー・ハンターって生業は、俺の中に強く根付いてるってことだ。
でも、きっと、やめられる…!
エリーズのためだったら、この想いを断ち切れるはずだ!
エリーズと作る幸せな家庭…
それこそが、俺のこれからのお宝だ!
(頑張るぞ!
必ず、近いうちにアレクシスを捕まえてみせる…!!)
俺の心の中に、強い決意が燃え上がった。




