フクロウじいさん9
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「いつまで寝てるんだ。早く起きろ。出掛けるぞ!」
次の日も俺は朝早くからユリウスの不機嫌な声に起こされた。
爽やかなはずの目覚めは最悪だ。
だが、文句を言うと倍になって返ってくることはわかってるから、ここは我慢するに限る。
あ~あ、昨夜は本当に良い気分で眠りに就いたのに…
「今日も良い天気で良かったなぁ。」
ユリウスはまるで俺の言葉が聞こえなかったかのように、知らん顔して先を歩き続ける。
「なぁ、ステファニー…」
アランが俺の耳元にささやきかけた。
「なんだ?」
「ユリウスって、村では何をやってた人なんだ?」
「え…えっと…その…きょ、教師だ。」
突然の質問に、焦りながらも俺は適当なことを答えた。
「教師?
なるほど…だから、真面目なんだな。」
「真面目…?ま、確かにそうかも知れないが…」
あいつの場合は、真面目というよりただの偏屈だ。
「家族はいないのか?
あ…そういえば、あの人…女には興味がないって言ってたな。」
「そ、そうなんだ。
だから、当然独身だ。
ずっと一人だから、なおさら偏屈になったんだろうな。」
「ってことは、昔から変わり者だったのか?」
「あぁ、もちろん!村一番の変わり者だった…!」
このくらいの嘘は問題ないだろう。
いや、偏屈っていうのは嘘じゃない。
俺も多少は憂さ晴らしをしないとやってられない。
「そっか…それで、あんたは、何をやってたんだ?」
「え?わ、私は…雑貨屋で働いてたんだ…のよ。」
「へぇ…雑貨屋か。
実家が店をやってるのか?」
「え?ええ…まぁ…」
「あんたは今後も故郷を離れる気はないのか?」
「え?ま、まぁ、そうかな。
他の町には住んだことないし。」
「……そうか。
俺は別に構わないぜ。
俺だって山育ちだしな。」
え?
一瞬、何のことだかわからなかったけど…
すぐにその言葉の意味に気付いて、ひきつった笑みが浮かんだ。
全く困ったもんだ。
はっきり断った方が良いんだろうか。
だけど、今は本当のことは言えない。
いや、言ったところでアランが信じるはずがない。
なら、嘘を吐くか…
故郷に親が決めた許嫁がいるとかなんとか…
あぁ、なんでこんなくだらないことで悩まなきゃいけないんだ!?
これもすべてはユリウスのせいだ…!




