魔女、再び12
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「ユリウス…アレクシスはどっちに行った?」
「ここから東だ。
それにしても残念だ…あと少し早く、魔女の家に着いていれば…」
ユリウスはそう言って、唇を噛み締めた。
「でも、逃げちまったもんは仕方ないじゃないか。
あ、そうだ。アレクシスはとても元気だったらしい。
良かったな!」
ユリウスは、何も言わない。
内心ではきっとほっとしてるんだろうが…
「それに、この網をもらったんだ。
そのうちきっと捕まえられるさ。」
「そんなものなくとも、近くに行って私を見れば、アレクシスは必ず私のところに来る。」
あぁ、そうですか。
まったく、たいそうな自信というか、強がりというか…
どうにも食えない野郎だ。
「ところで、なぜ、あの魔女はこんなものをくれたんだ?
けっこう高価なものだと言っていたのに…」
「えっ!?そ、それは、もちろん、私が酒を持って行ったからじゃないか!」
アランの手前もある。
ありの巣で、魔女のほしがるなにかをみつけたことは黙っていたかった。
「酒くらいで、こんな貴重なものをくれるのか?」
「あ、あの婆さんはものすごい酒好きなんだぞ。
それに、魔女の作る酒は嫌いで、人間の酒が好きらしいんだ。
でも、人間の町に酒を買いに行くのはなんだか行き辛いらしくってな。
だから、ものすごく喜んでくれたんだ。」
「なるほど、そういうことか…
でも、なんで、あの魔女が酒好きだってわかったんだ?」
「何言ってんだ。そのことなら酒場で聞いたじゃないか。」
「そうだったっけ?」
「……あんた、あの時、半分眠ってたからな。」
アランが話しかけてくれたおかげで、ユリウスも網についてはそれ以上、追及しなかった。
魔女の家を出てから、俺達は、山を一つ越え、街道に出た。
アレクシスは街道沿いに進んで行ったようだ。
山があったから、せっかく縮まった距離も、また引き離されてしまった。
アレクシスは近くにはいないらしく、コンパスは光ることはない。
「この先には町がある。
地図で見る限り、けっこう大きな町みたいだ。
またそこで話を聞いてみよう。」
街道に沿って、歩き続けていた時、乗り合い馬車が俺達を追い越していった。
「畜生!
どこからか馬車が出てたんだな。」
そのことに気付いていれば、もっと早く町に着くことが出来ただろうに。
仕方なく俺達はまた歩き続けて、二日目の昼過ぎにようやく町の輪郭が見えるところまでたどり着いた。




