惑わしの森18
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「おかえり。」
「アラン!ここから北はどうなってる?」
ユリウスは、返事もせずに、帰る早々アランに質問を浴びせた。
「え?なんだって?」
「北だ!ここの北はどうなってるんだ?」
「北は、切り立った崖だ。
とても降りられるもんじゃない。」
「崖……」
ユリウスは、呆然とした顔をしていた。
明日にも早速追いかけようと思っていたのだと思うが、それが崖だったとは…
「北が一体どうしたんだ?」
「実は、ついさっき、アレクシスを見たんだ。
アレクシスは俺達の頭上を突っ切って、北の方角に飛んで行ったんだ。」
「そうか…それは残念だったな。
さっきも言った通り、この北は崖になっている。
それも途方もなく高い崖だ。
もしかして、そこを降りて行ったら、この森を出られるんじゃないかって思ったこともあったんだが…
とてもじゃないが、降りられるような高さじゃなかった。
下まで降りるには、おそろしく長いロープが必要だし、それが途中で切れでもしたら……間違いなくお陀仏だ。」
それは絶望的な話だった。
北に行けないとしたら、まずは山を下り、どうにかして森を抜けて迂回していくしかないだろう。
そんなことになったら、一体どれほどの時間がかかることか…
その間に、せっかく縮まったアレクシスとの距離はまた広がってしまう。
でも、仕方がない。それしか手はないのだから。
「君は、とても器用じゃないか。
長いロープくらい、いくらでも作れるだろう。」
「だから、ちょっとやそっとの高さじゃないんだって!
あんな長いロープ…作れたとしてももしも途中で切れたら…」
「ならば、私が下りてみよう!
三人一度には無理でも、一人ずつ下りれば、きっと大丈夫だ。」
「無茶言わないでくれよ!」
ユリウスは、なかなか引き下がらず、無茶なことばかり言っている。
「ユリウス…とにかく、明日どのくらいの崖なのか見に行ってみよう。
話はそれからだ。」
今の俺にはそう言うしかなかった。




