惑わしの森6
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「今日はここで休もう。」
俺達がその晩の寝場所を確保したのは、夜も更けた頃だった。
なぜそれがわかるかっていうと、じんじんする足の痛さ、疲れた度合い、さっきから止まらないあくびからだった。
「食料はそれなりにあるんだな?」
「あぁ、一週間程度…節約すれば十日分くらいはあるな。」
「それだけあれば大丈夫だろう。
……問題は水だな。」
「そうだな。明日はなんとか泉をみつけないとな。」
その後は、お互い疲れていたせいか、会話もなくただ黙々と食事を採った。
食事と言っても、パンと缶詰だけだ。
腹はすいてるのに、疲れすぎていたせいか、たったそれっぽっちですぐに満腹になった。
「では、寝るぞ。」
ランプの明かりを吹き消すと、あたりは漆黒の闇だった。
出来れば焚き火がほしいところだが、今日はそんなことも言っていられない。
幸い、この森には獰猛な動物のいる痕跡は少しも見られなかった。
だから、滅多なことはないだろう。
木々のざわめく音…
鳥の羽ばたく音やフクロウの声…
それらが夜の静寂に響き渡る…
疲れてるはずなのに、いつもみたいにすぐには寝つけなかった。
やっぱり、危ない所に来てしまったってことで緊張してるんだろう。
そういえば、惑わしの森にはどんなお宝があるって言われてたんだっけ?
記憶の糸を手繰ったが、なかなか思い出すことが出来なかった。
なんせ、危険だから絶対に行かないと思ってた場所だから、ここについての言い伝えはあまりしっかりと聞いてなかったんだと思う。
(こんなことなら、もっとしっかり聞いとくんだった…)
今更そんなことを思っても、後の祭りだ。
ただ、ここにたいそうなお宝があるという噂は昔から確かにあった。
だからこそ、命知らずな奴らがここに来て、そして、命を失ったんだ。
最近では、そんな馬鹿なことをする奴もいないと思うが…
(俺達は、出られるんだよな?)
まともに考えるとやっぱり怖い。
でも、俺と一緒にいるのはエルフだ。
俺をこんな娘っ子に変えることの出来る人物なんだ。
だから、きっと頼りになる。
(うん、きっと大丈夫だ!)
俺は自分にそう言い聞かせ、眠ることに集中した。




