試験予告
翌日、登校したマリナは席番号を確かめ、本来の自分の席に着いた。エイルラントの席からは、少し離れている。
昨日はよく確かめずに彼の隣に座ってしまい、クラスメイトたち、特に女生徒たちから冷たい目で見られてしまった。
ただ、アレクセイの妹ということが分かってからは、それも少し和らいだようで、内心ホッとしている。
どうやら『王太子の隣に立っていた先輩の妹』というのは、それなりに効果があるらしい。
マリナは心の中でアレクセイに感謝する。
(やっぱり、お兄ちゃんって神だよ)
その神に、昨日の夜は家に帰ってから、たっぷり説教されてしまった。まぁ、自分が悪いのだから仕方ない。
「おはよう」
「おはよう」
隣の席の生徒に挨拶され、マリナが返す。
こんな当たり前のことが嬉しい。
朝の教室のざわついた空気が、なんだか懐かしかった。
「一週間後、実力考査を行います」
朝のホームルームでヒューズ先生が発した一声に、教室がどよめいた。
「えぇ」
「なんで」
生徒たちの声が聞こえる。まるでこの世の終わりが来たかのように嘆いている。
「落ち着きなさい」
ヒューズ先生が皆をなだめる。静かになった生徒たちに向かい、安心させるような声が響く。
「今回の試験は、皆さんの今の学力を知るためのもので、成績には影響しません」
「なんだ」
「脅かさないでよ」
教室のそこかしこから安堵の声が漏れたのも束の間、
「ただし、あまり酷い点数をとった者には、補習が行われるので、心しておくように」
その言葉に教室の空気が凍りついた。
(補習……)
補習になったら、アレクセイがどんな顔をするか。
マリナは昨日の夜を思い出し、背すじが寒くなった。
(勉強しなきゃ)
なんとしても補習は回避しなければ。そう決意したマリナだった。
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次回は金曜日7時の投稿を予定してます。
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