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来々軒繁盛記 ~ 寒くなったねぇ。ここで、熱いラーメンを一杯、食べていきなヨ  作者: 白河夜舟
第18章 皇龍のラーメン、彼女の立場、麺打ちの修行 

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119 一体、どんだけ暴れたんだよ、親父

 ドタバタと過ぎていった俺の麺茹で修行だったが、とりあえずは現状維持の方針に変わりはないようだ。

 昼の営業は、親父さんが麺方。俺は具材係その他諸々。

 夜の営業は、俺が麺方、というより、厨房一式をそのまま取り仕切る。

 というのも、親父の利き腕、医者からあまり無理しないようにと診断されたと、本人が言っていたからだ。

 一体、どんだけ暴れたんだよ、親父。

 医者の立場からは、本当はしっかり安静にして、ちゃんと治した方がいいらしい。

 しかし、経営の問題も理解できる。

 だから、俺のサポートは割と大事。

 なので、俺が大学を中退して来々軒に専念するのは、理屈にかなっていると思う。

 親父さんからは、折角、大学に合格したのに、勿体ないとか言われたけど。

 いや、受かったのはただのすべり止め大学。ただの言い訳だったからな。

 折角やりたいことが出来たのに、わざわざ通うほどの価値が、あの大学にあるとは思えないんだよね。

 何と言っても、俺もれんげちゃんも色々と大変だったのは間違いないんだけど。

なんだかんだ言って一番冷や汗をかいていたのは親父だったのではないだろうか。どんな理屈をこねようとも、来々軒が潰れてしまえば“アイのあるラーメン”も何もあったもんじゃないだろうからな。

 ま、そんな事を口に出すような親父じゃない。あれで、相当な頑固者だからな。

 そもそも、親父さんの腕の方は、一生治らないという事ではない。

 現に、毎日午後からはリハビリに通って、マッサージして貰っている。

 というわけで、ここしばらくの俺は、落ち着いた仕事ぶりをこなしている。

 緊張を重ねながらの麺方も、修行と思えば、苦にならない。

 売り上げはともかく、俺の茹でた麺を残す客は、殆どいなくなった。

 まあ、信金野郎根岸の合格は、まだ貰えてはいないんだけどな。

 いや、親父さんの腕が完全に回復してから、店の改装とかは改めて考えればいいんじゃないかな、とさえ思い始めてもいるぞ。

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