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悪戯できるのは子どもの特権ーー2人でこっそり抜け出しました



あれから数日、私は依然変わらず王都の叔父様のお屋敷で過ごしている。本来ならすぐに帰る予定だったようだが、誕生日会の時の約束のこともあり、王都巡りを兼ねて暫く滞在することになったのだ


ヴェントとよろしくしましょうと握手をしたあの日から私とヴェントの仲は大変良好です


どれくらい良好かというと


「おい、ルーナこっちだ。おくれるなよ!」


こそこそと2人で屋敷を抜け出して街へと遊びに出るくらいには仲良くなりました



元から人見知りをしないというか表情が分かりやすく付き合いやすいヴェントは一緒に過ごしていても癒しとして楽しく、私としても心置きなくというかあまり演技をすることなく関わることができる数少ない人物なので気がなくなのだろう


最初は屋敷の中を探検、叔父様の仕事部屋に忍び込んだときには2人一緒に怒られたり、厨房でオヤツのつまみ食いをしたりと子供らしい悪戯を毎日させてもらってる


イタズラ坊主なヴェントは叔父様達に怒られてもなんのその、その時には反省しているけどすぐに復活して新しい悪戯の案を私に持ってくる


ヴェント自身も同世代の親しい友人はいないみたいで私との時間を大切にしてくれてるみたい。普段の私はいい子ちゃんとして過ごしているのでお父様や叔父様たちは頭を悩ませていることがあるけど、2人でいる時くらいは多めにみてもらおう


だって、楽しいものは楽しいんだから仕方ないじゃない



「まって!あるくのがはやいわ!」


門番の目を盗んで壁に開いた小さな穴からヴェント、私の順番で屋敷の外へと抜け出す

まだ王都の中でも貴族たちの家が立ち並ぶ貴族街なので通行人はあまりいない。みんな馬車で移動するからだ


おかげで見つかることなく屋敷からは脱出。予定ではこのまま貴族街を抜けて市民街まで出ることになっている。なんでも、ヴェントお気に入りの屋台に案内してくれるそうだ


ヴェントは元々1人で遊ぶことが多いみたい。でも、年頃の男の子が室内でできることなんて限られているのは事実。最近壁に子供が抜け出せるくらいの穴があることに気づいたヴェントはタイミングを見計っては屋敷の外へと足を運んでいるらしい


最初は屋敷の周り、次第に範囲は広がり貴族街の中を、そして最近では市民街まで出ているそうだ。5歳だというのに行動力がすごい。世間知らずというか怖いもの知らずというか、好奇心の塊みたいなヴェントは今も期待に瞳をキラキラさせて先導して前を歩いている


ああ、お屋敷には誘拐されたと思われても困るから置き手紙を置いてきてるよ。『2人で遊んできます。夕方には戻ります』ってね。今は正午過ぎ位なので余裕を持って帰ってこれるでしょう


本当なら私はヴェントの行動を止めるべきなんだろうけど、こういう大人にはできないことっていうのかな…胸の奥がワクワクしているような浮き足立ってるような不思議な感覚は一度味わうとやめられない


例えるなら、少年漫画でライバル同士が共闘して巨悪と立ち向かう寸前を見ているような、そんな感覚だ。ここで読むのは止まれないでしょ?読んじゃうでしょ?そういうことよ


王都は治安も良い方だというし、怪しげな路地にでも入らなかったら安全でしょうとタカをかかってる。そう時間がバンバン起きても困るからね。安全は第一に、でも刺激も大切だから



「なんだルーナ、きんちょうしてるのか?」


自分は何度目にかになる市民街、対して私は初めて。その為か私があまり口を開かないことを緊張して固まっているからだと思ったらしいヴェントは先輩風を吹かしながらニヤニヤ笑って私の横へと並んで歩き出す


「だいじょうぶだって、おれがいるんだから。なにかあったらこのおれさまが、まもってやるよ」


かなりのビッグマウスだ。別に悪くはないけど、今のヴェントでは倒せてもせいぜい虫程度ではないだろうか。ふふーん、と鼻高々なヴェントは可愛くもあり、ちょっとウザくもあった


「あら、かっこいいこというのね。それじゃあ、何かあったらヴェントの後ろにかくれようかしら」


「いいぜ!それくらい!なんたっておれさまは…おれさまだからな!!」


よく分からない持論?を話すヴェント。得意げなところ悪いけど、全然話の内容というか中身がないからね。頭脳は優秀なことはゲームのおかげで知ってはいるもののおバカさんに見えてしまうのは短所であり長所だな


「ふふ、いみわかんない」


「なぬ!?」


こうして軽口を叩けるくらいの仲になれたのは王都に来ての収穫の一つだ。ヴェントの存在が私の糧になっている

それに、私の知らない屋敷のことや市民街のことを教えてくれるので、実は勉強になる。1人で街に出ているからか気になることは屋敷の図書室で調べているそうだ


こういうところが悪ガキではなく育ちの良い坊ちゃん感を出してくる


育ちの良いといえば私達の服装だ。普段の服装では街中では浮いてしまうのでお互いに持っている服の中で地味な色合いの物を着つつ、上からさっぱり隠れるようなローブを羽織っている


ヴェントは街で調達したらしく商家の子供風の服装だけど、私は貴族感のあるワンピースだ。でも、私の場合は観光目的では当初は来ていないこともあって今着ている服が地味な部類に入ってしまう

ローブのおかけでぱっと見はわかりにくいし問題ないだろう……多分



それに、市民街なんて攻略キャラが居なさそうな所でゲームが始まる10年前の現在、そう簡単にイベントのような問題は起きないだろう



………起きない、よね?フラグを立てた気がして怖くなってきた

胸の中に小さく浮かんだ予感を振り払うように、私は小さく首を振った




読んでいただいてる方々にサクサクと楽しんでもらいたいので、ここからは極力テンポ良くを目指して書いていきたいと思います!


これからもお付き合いしてくださると嬉しいです


これからも宜しくお願いします

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