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空気を!読め!馬鹿者!!ーーどこにでもいる馬鹿野郎の登場です



心からの笑みを浮かべたリオはお世辞抜きで美しいという表現がよく似合った。その一瞬がまるで映画のワンシーンのような神秘さを持ちながらも目が離せない魅力があった


「わたし、ルーナに会えてよかった」


お人形さんのようなリオが言う

私の手を両手で握ると大切そうにその手を自分の額に持っていく


「きょう、ここにきて、よかった」


そんなに喜ばれても困ってしまう。私は本当の本当に大したことはおろか、お世辞にも心に響くようなことを言った覚えがないのだから、ここまで感謝されるというか、大袈裟な反応をされると戸惑いが浮かんでしまう。その前に笑顔に見惚れてしまっていたけど、それは無効ということで


「リオ…」


「ねえ、ルーナ…ルーナさえよかったら…」


私の手を握ったままリオがまた口を開く

しかし、その言葉を最後まで聞くことは叶わなかった


「リオン王子!!やっと見つけましたよ!!」


第三者の介入である


そいつは大きな声をあげながら渡り廊下から私達のいる茂みまで小走りでやってきた

おい、今リオが大切なことを言おうとしていたんだぞ。何邪魔したんだハゲ、そんな気持ちで私は邪魔者の方へと顔を向けた


そして、息を飲む。そこにいたのはやっぱりイケメンだった


くっ!胸が苦しい!!イケメンは好きだけど、美少女リオちゃんとずっと過ごしていたせいでイケメン耐性が下がってしまっている!!そのせいで、この男前なイケメンにときめきを感じざるおえない!!悔しい!!


私とリオとの邪魔をしてきたイケメンかと男前な彼、その名もアーサー・シュヴェルト。その顔の良さから察してもらえると思うが、ナナコイ攻略キャラの1人である。ただ、アーサーの場合メイン攻略キャラではないのがポイントである


アーサー・シュヴェルトはサブ攻略キャラの1人で、役職は第一王子であるリオンの護衛騎士。今はリオンが5歳なのでアーサーは15歳の青年だ。ゲーム内ではルーナの断罪の時以外はあまり出てこないものの、リオンルートでの主人公とリオンとの橋渡しになったり、外交の手助けをする頼もしい部下で、ゲームの時間軸では25歳になる。大人の魅力を持ちながらも子供相手には本気になってくれない甘くほろ苦い恋模様をお送りしてくれるのがアーサーの持ち味である


私が心にきた台詞は「こんなおじさん、ふりまわさないでくれよ」である。実際、25歳はおじさんではないのだが、10年も離れていた場合はおじさんという認識をしていても問題はないだろう。そして、自分をおじさんといい、年齢を逃げ道にして本気になかなかならないいじらしい姿がファンをグッと増やした要因なのだ


アーサーは焦げ茶色の髪の短髪に赤茶色の瞳をしているが、騎士らしく体つきはがっしりとしており、筋肉フェチには堪らない身体だ

私は細マッチョもいけるし、筋肉がしっかりついている肉体も好きなので美味しくいただけます


性格は温和で明るく大雑把、だけど仲間思いで情に厚い男。どんな世界にでもいる熱血漢だ。頭で考えるより身体が動くようなタイプだけど、将来はちゃんと知略も行えるようになる。ただ、基本的には脳筋に近いところがあるので注意が必要で、25歳の頃は私生活ではだらしなさが残るそんなおじさんだった


ゲームの中では大人に見えたアーサーも今はまだ子供、騎士としても見習いなのだろう。顔を見ても十年後を知っているせいか幼さがまだ残るような気がする


さっきも言ったのだが、アーサーはあまり賢くない。考えて行動するよりかは身体が勝手に動く部類の人間なのだ。なので、今回のように思慮不足な行動をしても、何ら不思議ではない。それが特に、まだ15歳のアーサーなら納得すらしてしまう


でも言いたい。いや、リオン王子(それ)は言っちゃダメでしょ!一番この場で言ったらダメなワードだよ!禁句だよ!!聞こえませんでしたと言うわけにもいかない声量で声を変えてきているので反応しない訳にもいかないし、最初から気づいてはいたもののそのことは悟らさないようにしていた私の努力を返せ馬鹿野郎!!


渡り廊下からじゃリオ…リオンの姿は見えないので、多分別のところから見つけたんだろうけど、身内じゃない人間がいるんだから配慮をしろ!!そんなんじゃ護衛騎士クビになるよ!?いいの!?ダメでしょ!!話がまたややこしくなるじゃない!!


つい大きな声を出していたアーサーのことばかりに気がいってしまっていたが、リオンはどう思ってるんだろう…チラッと視線だけを向ける


リオンは天使のような見た目とは裏腹な鋭い目つきでアーサーのことを睨んでいた。え、こわ

まだ記憶に新しい愛らしい笑顔とのギャップも相まって余計にその顔つきが際立ってしまう。……見なかったことにしよう


どうしよう。突然の難聴により聞こえていなかった設定で押し切るか…?


「リオン王子、このようなところに居られたのですね。お客様たちがお待ちですので早く準備をなさってください」


近くまで来てアーサーは真っ直ぐにリオであるリオンを見つめながらハッキリとそう言った。そう言ってしまった。もう、絶対に聞こえてないフリは出来ない。これで聞こえていないのなら、私はリオの声を全く聞こえないくらい耳に問題を生じていたことになってしまう


アーサーもアーサーでリアンのことしか頭にないのか私には何も言わない。姿自体は見えてるんだろうけど、優先順位が圧倒的に高いリオンの方に意識が入っているのだろう。脳筋のバカなので仕方ない。たくさん考えると多分頭の中がパンクするんだろう、うん



いっそ、この場から走って逃げ出してやろうかなんて思っていたら、ついに隣の天使様が口を開いた


「おい、アーサー。おきゃくさまの前だぞ。わたしの名も、そうよぶな」


その声は天使とは思えないドスがきいていたので、知らぬが花というか、出来るだけ知らんぷりをできるようにそっぽを向いておこう


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