こういうところで応用力のなさが発揮させるーー誰か私に臨機応変さをください。あと、巧みな話術
前回の宣言通りに更新できなかったので、今回は二話更新です!
「どう、どう思ってる?」
思わず聞き返してしまったが、動揺のあまり吃ってしまった
「その、きょうはリオン王子にあいにきたんでしょ?だから、どう、思ってるのかなって…」
はいはい、確かに私はリオン王子に会いにきましたけども。目的としてはその姿を拝見するためでしたけども!どう思ってる?本人がこんなことを聞いてくるってことは何かしらの悩みとかがあるのかな
考えられるパターンを検証しよう
第一に、リオンことリオはゲームの時とは違って心まで女の子だという場合。第一王子こと現段階での王位継承者であるリオンは女の子になりたいという悩みを持ちながらもその立場から誰にも相談できないでいる。私の意見を聞いて、それとなくその話をするつもり
第二に自分に対しての自信がないパターン。のしかかるプレッシャーから少しでも心を楽にするために女の子の姿をしていて、傍目からの王子としての自分の現在の印象を確かめたいという場合だ。今回のお茶会は王子のお披露目でもある。お披露目前の王子の評判を聞いて気持ちを楽にしたいという思惑があるのかも
第三に私に好意をもってしまい、王子としてやり直す為にも現段階の私のリオンに対しての好感度を知っておきたい場合…うん、これはないな。好意を持たれることなんて何もしてないもんな。忘れよう
考えられる中で可能性が高いのは第二かな。王族が女児の格好をするのなんて自分へのプレッシャーかしきたりとかである程度の歳までその格好をしてるのほぼ2パターンだもんね。この国にそんなしきたりがあるって話はゲームでも聞いたことがないので、今回はプレッシャー説を推そう
次に考えるべきは私の返答内容である
自分が主人公ならリオンの気持ちを汲んで寄り添う様な発言をしたいんだけど、私は何を隠そう悪役令嬢である。ゲームのような暴挙にでようとなんてカケラも思っていないけど、変に好感度を高くするのも将来困る気がするし、ほどよい回答をしたいんだけど…程良い回答ってなんだ?自分で言っててよくわからんぞ
プレッシャーを感じているとして、その理由はリオンの立場だろう。でも、それは私にはどうしようもない問題だし、頑張って超えてもらいたい問題でもある。
なお、ゲームでのリオンはこの手の悩みを抱えてはおらず、次期王として日々奮闘していた。ただ、奮闘はしても頑張り過ぎてしまうところがあり、ちょいちょい無理をしてしまうタイプでもある
この無理を諫めるのが主人公であり、リオンの安息の地となるのも主人公になる
世の中の当たり障りのない意見を持ってきたいところではあるけれど、さっきも言ったが今回のお茶会が王子の初お披露目なのだ。評判もクソも全然知れ渡ってない。わかっているのはその容姿と年齢に関することのみ。もう一年経ち勉学に手を出してきたらその噂なり広まるとは思うけど、今は何もわかってない。
分かっているのは将来の性格という名のゲーム知識のみだけだ
適当なことを言うのもよくないけど、適当なことしか言えないのは歯痒いというかなんというか…ゲームみたいに3択くらいの選択肢が出てくれればいいのに!!そしたらそれっぽい選択肢を選んでやり過ごすというのに!!くっそ!現実はクソかよ!!でも、可愛いリオの姿はありがたいよ!!ありがとう!!
だめだ、情緒が不安定すぎる、私の
「うーーん…やさしいひと、じゃないかな?」
思考回路はショート寸前、そんな私が出して答えは「ねえ、彼氏ってどんな人?」と質問された時に答えに悩んだ場合に告げる内容、“優しい人”でした。こうなると、万人に当て嵌まることを言うしかなかった。あとは向こうがうまく受け取ってくれるのを祈るしか出来ないです、うん
「やさしい?」
リオは不思議そうに首を傾げてくる
「でも、あったことないよね?」
はい、その通りです!!でも、出来れば流して欲しかった!!そうなの!会ってないの!いや、会ってるんだけど、王子としては会ってないの!!だから、どう思ってるなんて聞かれても答えられないの!!わかって!!
と、素直に言えたらどれだけ楽なのだろうか…言えないんだけどね
「うん、まあね。でも、お茶会のおかし、おいしかったから」
「え?」
「用意されてたおかし、すごくおいしかったの」
こうなったら、適当なことを言って納得してもらうしか方法はあるまい。私が知っていることなど“お菓子が美味しい”、“城は広い”、“リオは可愛い”この3つだけである。捲し立てるしか、あるまい
「わたし、食べすぎちゃって、まよっちゃったの。でも、それくらいおいしかったんだ」
私の発言は思ってもみなかったらしいリオは固まってしまった。当然の反応だ。王子への印象を聞いたのに、返ってきたのは抽象的なものだし、その理由は理由になってないしね。そもそも、お茶会のお菓子とかは用意するのは侍女とかシェフとかなので、王子は関係ないと思うけど、もう後には引けない。この話題で乗り切るんだ、私
「クッキーはね、みためもかわいいの。味もおいしくて、こうちゃもね!かおりがすごくよくて、おかしがついすすんじゃうの!」
「マフィンもふわふわで、マカロンはあまくてしあわせになるの!だから、このお茶会の王子さまはきっときっと、やさしくてステキな人だと思うの!」
よし、言い切った
謎理論だけど、考えてみれば私は5歳。なんだかよくわからないことを言っても許されるような気がする。いや、許されるだろう。それに、リオンではなく今はリオだから、最悪悪口を言ったとしても本人ではないのだから怒られることはないと思う…たぶんね
あれ、でもこの感じだと私がとてつもない食いしん坊に思われてしまうのでは?なんて思ったのも後の祭り。そのことについての弁解を述べる前に、リオが先に口を開いていた
「ふふっ…ルーナは、くいしんぼうさんなのね」




