王道的なキャラクターですが、みんなも好きだよね?ーー決戦に備えての準備は万全にしておきますか
エミリーから便箋を受け取る
いざ自分の手で触れるとその紙の質の良さがよくわかる。この紙だけでももしかすると平民の人達の一食分のご飯代になるのかもしれないな…そんな恐怖を感じる
封蝋は青色に王冠を模した獅子。それが表す人物はただ1人、この王国の第一王子だ
その名をリオン・グラーリタス
お察しの通り、ナナコイのメイン攻略キャラクターの人である
ゲームの舞台になる魔法学園の所在地でもあるこの王国には当然ながら王様にお妃様、その息子である王子やお姫さまが存在する。彼は第一王位継承者であり、簡単な話この王国の次期王になる人物として他の貴族、国民からも期待を寄せられる王子なのだ
そんなプレッシャーが生まれながらにのしかかっている彼の年齢は私や主人公のヒロインと同い年、つまり、今は5歳でまだまだまだまだ子供である
では、そんな彼が将来どのような存在なるのかおさらいするところからいってみよう
まずはその容姿から、髪はブランドのサラサラヘアで瞳は淡い青色、水色の言った方が近い色合いだ。クラウスはどちらかというと垂れ目よりだけど、リオンは涼しげで切れ長な目をしている。顔?そんなの言うまでもなく素晴らしい造形美のお人形さんのような美形である
性格はクールかつ冷静、誰かに甘えることもなく媚びを売ることもなく気高く孤独な人。表情を緩めることはほとんどないクールアンドビューティーなキャラクターである。無気力とは違うけど、無表情というかむすっとしているというか、まあそんな顔である
むすっとしているかといってその顔が悪くなるわけもなく、女子人気は高い高い。そもそもの見た目だけでとっても王子様なのもそうだし、表情が動かないことが余計にクールキャラとしての印象を強くしている
ここまででわかると思うが、甘い笑顔で女の子を誑かすクラウスとは対極に近い位置にいるキャラクターになる。そのことが関係しているかはわからないけど、ルートによっては2人に取り合うように愛されるものもあり、とても人気だった。私もお気に入りだった
リオンはどこの乙女ゲームを探しても必ずいるようなキャラクターでありながらも、みんなは避けては通れない“主人公にだけ甘え、顔を緩める無愛想”キャラクターである。『お前だけはいいんだ』なんて微笑みながら言われた日には…思わず床を殴りつけるほど萌えたよね!!あからさまな自分だけ特別扱いをされていると客観視にはわかる、そんなキャラだ。ああ、ヒロインは激ニブなので気付かないよ。よくある話だね
なお、私はメンクイかつ性癖が大変広いので当然ながらリオンも速攻攻略したし、大好きなキャラクターの1人です
リオンルートは外交やらの他国との関係性についてが中心になる。他にいる王子や姫様たちとの関係性についてやら国政についてなど政治についてのものなのでプレイしたことを思い出すと頭を使った記憶が強い。その分やりごたえがあり、達成感は他のルートとはまた一段別物だった。勉強で言うところの難問を上手く解けたような感じかな
手に汗握る展開というよりはハラハラドキドキ、背筋がひやっとするようなゾクッとするようか、そんな感覚を味わうことが多い
思い出すのもこれくらいにしよう
さてさて、早速便箋の中身を確認してみよう
あ、私への手紙は警備も兼ねて予め別の人たちを通じて検査を受けているので内容は筒抜けになっている
魔法は便利でもあるけど呪いなんてものにも転じさせることができるのでそういう類のものがかかっていないかまず確認、その後中の手紙に直接的な刃物などが仕掛けられていないかチェック、続いて内容に問題がないのか侍女や執事が目を通してから私に渡されることになる。非常に面倒な手順である
普段から文通するような人が現れたり、信頼できる人間が相手の場合は問題ないんだけど、名前だけは簡単に語れるからチェックされないことは少ないんじゃないかな
今回の場合は王子から直々の連絡という区分になるのでそういうチェックをするのは王子を信頼していないことになるのでとても無礼なことになるんだけど、各家庭がどんな風にするかなんて向こうは全く書く気にしていなければ気付くこともないので問題はないでしょう、うん
えーと、どれどれ、うんうん
要約すると『王子が5歳になったことで少しずつ社交に慣らしていく為のお茶会を王城で開くので、参加するように』ってことみたい。王子の封蝋で届いたけど、中身を見る限り出しているのは王子の親であるこの国の国王たちのようだ
王子もかわいそうに、5歳になったばっかりなのに大人の世界に仲間入りということか
このお茶会は社交兼王子の未来の婚約者を見つける手段の一つなんだと思う。何故って?ありがちな話だからだよ
私以外にもある程度爵位が高くて年齢が近い令嬢や側近になるかもしれない令息も呼ばれているんじゃないかな
攻略キャラの親と仲良くなる作戦だけど、国王様が相手となるとそううまくはいかない。うまくいったとしても逆に気に入られることで王子の婚約者になる可能性もあるのでいい子アピールし過ぎるのも良くないだろうしね
まあ、今ここであーだのこーだの言ったところで王族からのお誘いなので、私には断る権利というものはないので中に一緒に入っている招待状を持って王城に出向くしかないんだけどね
ああ、この招待状は私向けに書かれたもの。これとは別に詳しく内容が書き加えられたお父様達宛のものも送られているはずだ
貴族社会については私もよくわかってないけど、社交界デビューをする前のお茶会なんかの招待状は本人へのお誘いの分とその保護者への詳しく記載されているものとを送る慣しみたい
さて、私のこのお茶会の目標はとりあえずは第一王子のお姿を拝見させてもらい目の保養をさせてもらうことと、喧嘩をせずに屋敷に帰ってくることになるかな
ゲームに出てくるキャラクターじゃない普通のお友達を作りたいから雑談とかが出来る知り合いとかも作りたいな〜
でも、周囲の子たちはせいぜい年上でも7、8歳とかか。そうなるとお友達ではなく中身的には子守に近くなっちゃうな…気にせず関われる知り合いを作るのはだいぶと先になってしまうかな…
「あの、お嬢様?」
いっけない、いっけない。すっかり考え事に図ってしまった。エミリーの声に我に帰る
「ごめんなさい、エミリー。お茶会にはさんかするから、お父さまたちにつたえててくれる?あと、着ていく服のじゅんびも」
お父さまに私から伝えなくても先に内容を確認した執事とかがもう伝達してるとは思うけど、一応ね。報・連・相は社会人の基本だから
さて、決戦というか、お茶会の日取りは二週間後である。それまでにもう少しこの身体に慣れるように屋敷の中を動き回るようにしよう
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