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124 魔力から属性を抜いてみよう

 シンディーの治癒院を後にするアクアに乗った僕とディアナ。


 ディアナっていつも僕の傍にいるけど、他のメイドとしてのお仕事ってしなくてもいいのだろうか?


 まぁ、アビーと役割分担しているのかもしれないし、日々の家事と僕の命を比べて、僕の命に重きを置いてくれているのかもしれない。


 ディアナって純粋なメイドというか、戦闘メイドみたいな趣が大きいしね。そのあたりも関係しているのかな?


 そんなことを思いながらディアナを見ていると、ディアナがこちらを向いた。


 そして、無表情のままコテンッと首を少しだけ傾げてみせる。


 無表情だからか、ディアナって顔の造詣がわかりやすい。その顔は、まだ幼いながらも非常に整っていることがわかった。


 たぶんディアナなら、僕の視線なんて最初からお見通しだっただろう。僕がずっと見ているから、何か自分に用があると思ったのかな?


「いや、何か用があるってわけじゃないんだけど……。ディアナって顔いいよなぁって……」


 言ってから、自分の発言ってもしかしてノンデリだったのではと心配になった。


 ディアナって基本無表情だから、その感情は読めないことが多い。


 今だって、ディアナは無表情だけど、その心の中は僕への暴言で溢れていたり、もしくは僕の発言に呆れているのかもしれない。


「えっと、気を悪くしたならごめんよ……」

「いえ、顔はメイドの武器です。私はいつも一番いい評価を貰っていました」

「はい……?」


 なんだかとんちんかんな答えが返ってきたな。


 顔が武器……?


 えっと……。もしかしてだけど、ディアナにとって、自分の美貌って武器になるか否かが判断基準なのだろうか?


 なんだかそれって、ひどくもったいない気がした。


 けどまぁ、自分をどう思おうがディアナの自由だしなぁ……。


 でも、顔が武器だって言うなら――――。


「たしかにディアナの顔は綺麗だと思うけど、顔が武器だって言うなら、もっと笑った方がよくないかな? たしか、女性の笑顔には、不安とか緊張を和らげる効果があるとか……ないとか……」


 たしかそんなようなことを前世で聞いたことがあるような気がする。


 まぁ、嘘かもしれないけど。


 でも、男性女性に関わらず、無表情より笑顔の方が接しやすいと感じるのではないだろうか?


「そうですか。練習してみます」

「あ、うん……」


 ディアナにとって、笑顔って練習するものなんだ……。なんだかカルチャーショックを受けた気分だ。


 するとディアナは何を思ったのか、下を向いた。そこには湾曲したように歪んだディアナの真顔がアクアに映っている。


 そんなディアナに不思議な気持ちを抱いていると、なんとディアナは両手の人差し指で自分の口の端を持ち上げていた。


 練習ってそうやるんだ……。


 でも、そんなディアナの姿はかわいかったとだけ言っておこう。


 ディアナの笑顔練習を微笑ましい気分で見守っていると、アクアがアクロイド屋敷の庭へとたどり着いた。


 これから、ガレスゴディアに魔力の属性の抜き方を教えてもらう予定なのだ。


 僕の魔力の属性は水属性だ。それは魔力を体の外に出した時に水になったこと、水魔法が得意なことからも明らかである。


 だからたぶん、僕は魔力を与えるだけで、アクアをただのスライムからアクアスライムに進化させることができたんだと思う。


 でも、水の魔力しか出せないままでは、フッジサンに魔力を供給できない。


 ゲームの設定資料集では、スライムはいろんな物を体に取り込んで消化して、体に魔力を蓄えることで成長するとあった。


 つまり、成長のカギは魔力だ。


 僕が無属性の魔力を出せるようになれば、フッジサンにも直接魔力を供給できるようになるだろう。


 これはアクアにはまだ秘密だけど、僕が無属性の魔力を出せるようになれば、他のスライムもテイムできるのではないだろうか?


 そのためにも絶対に習得したい技術である!


「というわけで、ガレスゴディア。無属性の魔力ってどうやって出すの?」


 アクロイド芋を植えたアクアスライムたちが気持ちよさそうに日光浴している屋敷の庭で、僕はフリーデンを顔の前に持ってきて話しかける。


『うむ。キースよ、魔力から属性を抜く方法というのは、意外と簡単だ。マッサランと同じ、真なる魔法使いであるキースならば、すぐに習得するだろう。まずは、自分の魔力の色を知るところからだな』

「魔力の、色?」


 魔力に色があるなんて初めて聞いた。なんだか先行きが不安になる。


『色とは属性のことだ。キースならば、水だな。だが、ここはわかりやすく属性を色で例えよう。そも、キースは魔力と言うが、魔力とは何だ?』

「魔力……。魔法の素なんじゃないの?」


 僕の頭にパッと浮かんだのが、MPという文字だった。ゲームでは、主人公たちはMPを消費して魔法を使っていた。


 それに、僕が赤ちゃんの頃、初めて魔力を体の外に出した時のことを思い出す。

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