第十三話その十二 突然動き出す
ふぅ……次の作品は真面目に書く……!
今更センアハトゥ・エミグレーベンが現れたからなんだっていう話だった。
「しゃらくせー!」
──ゴバァァァァアアアアア!
「ギャァァァァァアアアアアアア!!」
アリスちゃんが叩くまでもない。ステイの指示に我慢ならなかったガーストラドスは、何かの拍子にブチ切れし、センアハトゥを燃やした。そして、賑わっていたアンデッドの城下町を業火の炎で破壊し尽くしてしまった!
「「「え~……」」」
「ガーストラドスが燃やしちゃった……」
「センアハトゥ何もないのかよ~プフフ」
「奴の存在意義とは……! 謎である!」
「フッ……俺が本気を出すまでもない……!」
「素晴らしいですわ! 何もかも破壊しつくしてしまいなさい! オ~ホッホッホ! さぁ本丸へ急ぐわよ! オ~ホッホッホ!」
☆
『想一郎様! 伝令です!』
「ん? どうした……? な、なんだって!?」
☆
『──ダウアスル様』
「今決闘中だ!」
──カキンカキン!
『城下が燃えています。そしてセンアハトゥ支配下のアンデッドが行動停止しました』
「ああ! 気が散る! 後にしろ!」
──カキンカキン!
『次いでなのですが──』
「いい加減うるさいぞ! あっち行ってろ!」
──カキンカキン!
『ニンニク臭いゴブリンが後方より襲ってきました』
「──黙れ黙れ! 雑魚は引っ込んでろ!」
「いい加減話聞いてやれよ! ダウアスル!」
「んあ!?」
──カキン……。
『以上です』
「「──以上なのかよっ!」」
「……て、なんだとッ!? ゴブリンが!? 城下が燃えている!?」
ダウアスルはおろか、英雄騎士王ローランでさえ驚きを隠せなかった。
後方の天才アレサ・エイベル指揮下の元、ガーリックゴブリン軍をボコボコにした上で、和平を結んだ冒険者ギルド。ダンジョンの領土安堵を条件に、地上に出てヴァンパイア軍を奇襲すると誓ったガーリックゴブリン軍。
もはやなんて事ないただのゴブリン軍団であったが、彼らのニンニク臭い体臭が、それを苦手とするヴァンパイア軍にとって物凄い毒ガス攻撃となっていた!
『ウッキョー! 奇襲成功だッキー!』
『俺達冒険者も援護するぞ!』
『『『ギャアギャア!!』』』
『『『──グググググググッ!?』』』
ガーリックゴブリン軍団はヴァンパイア軍の後方から穴掘りワームを使って奇襲した。地下を通って来たのだから空気の読みようがない。一騎打ち中であるのを知らなかったガーリックゴブリン軍と冒険者達。躊躇するヴァンパイア軍に容赦なく襲い掛かる。
その為、攻撃と毒ガスに押し出されるようにヴァンパイア軍はタレダレイダー軍に接近してしまう。
『『『だ、ダウアスルが裏切ったぁぁぁぁぁ!!』』』
それをヴァンパイア軍の裏切りと勘違いしたタレダレイダー軍の騎士達は突撃ラッパを吹き鳴らし、部下を引き連れ突撃してしまう。
『『『──突撃ぃぃぃ!!』』』
「ああっ! ちょっ! まて!」
「あぁぁぁぁああ!? 俺は裏切ってなんかいないぞ!」
(その、剣はちょっとズルしたが……!)
慌てふためく英雄騎士王ローランとダウアスル。困ったのは決闘を眺めていた指揮官連中達であった。
「想一郎! どうするのじゃ!? これ!?」
「ガハハ! またゴブリンに奇襲されたな!」
「こうなったら仕方がない……! ナウスス! 砲撃開始! 俺は右翼騎兵を引き連れて側面を突く! ディンゴ! 歩兵を頼んだぞ!」
「よし来た! ──ミラ! 聞こえたな?」
「ヤヴォール!」
「ジュリア! いつまでも絨毯にしがみつくな! 前進開始させろ!」
「──ッ! シ・シニョーレ!」
「はぁやれやれじゃのう。──魔術師砲撃支援中隊! 砲撃準備なのじゃ!」
『『『イエス! マイ・のじゃ婆!』』』
そして想一郎は、頭上で鋼抜真銀樋黄昏長剣を回して叫ぶ。
「──続けぇぇぇぇぇええ!」
──ドドドドドドドドド!
そして、今まで鳴りを潜めていたフィー・イシルディル。
「そろそろダウアスルさんには退場してもらいましょう……」
そう言うと、何やら手に持っていた杖が眩く光り出した……!
船旅定番のトラブルと言えば……。
大平海に漂う木片。これは一体?




