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ダンジョン辺境伯爵と公爵令嬢  作者: もやい
第二章
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第十話下の中 高所

【魔鉱石ザックザクで機嫌の良いロスタエル】


 ──グリムリーパーチキンは倒された。


 そして私はボス部屋の奥に、山の様に積まれていた魔鉱石を拾い上げると、込み上げる歓喜の感情を隠すのに必死であった。


(ふわぁぁぁぁぁああああ!)


「プフフッそれは何ていう魔鉱石ー?」


「これは元はベリルのエメラルドだ! 魔素含有量が半端ではない! 10億“マッソーン!”いや“100億マッソーン!”は、あるぞ! 間違いなく一級品だ!」

(※“マッソーン!”とは魔素:魔法素粒子の事で、ややこしいが単位としても使われる)


「……よかったですねープフフ」


 エリザベスはそう祝福してくれるが、白目向いて言うのだから謎である。とにかくこれで遠征は悲劇の犠牲は伴ったものの、途轍もない黒字でこの国を潤すことは間違いないだろう。研究と言う名目で付いてきて正解であった。


 しかし謎なのはエリザベスの白目だけではない。この扉だ。今にもアリスが破砕してしまいそうだが、想一郎殿がそれを止める。


「まてアリス。ソフィアにやらせよう」


「え? あ、うんわかったっ! お兄ちゃん!」

「あらあら! 素晴らしい采配ですわぁ~! さすが想一郎様っ!」


 結局ニワトリへのリベンジはアリスがやってしまった事に若干不服なソフィア殿は、その話を聞くと一転してやたらノリノリとなった。どうやら、だいぶ前に開発していたらしい使う機会のなかった対攻城用爆裂魔法をお披露目する事が出来るからに違いない。その名も


「──成形炸薬爆裂魔法胸熱HEAT(ヒート)(High-Explosive Anti-Tobira)なのじゃ!」


 そう自慢げに語るナウスス殿の説明では、爆裂の元となる物を円錐状にくり抜きそこに金属帯を成形、くり抜かれた側に集中する爆轟エネルギーにより、金属帯を液体の様に振舞わせる「メタルジェット」を引き起こし、鉄城門などの分厚い金属装甲を侵徹、風穴を開ける魔法との事らしい。


 ──多くの人にはまったく謎であろう。


 簡単に言い砕くならば、頑丈な扉や壁を爆破する魔法だと思えば良いのではないだろうか?


『爆発するぞー!』


 ──ダァァァァンンンンン────ッッ!!


『『『ウェーイ!』』』


 扉は開かれた! ソフィア殿は葉巻を咥え、誇らしげである!


 ──もはや彼らは、普通に扉を開けるという選択肢は無いらしい。


 ……ところで


「──だが謎は増えた」

「プフフ。そうだねー……」


 開かれた扉からは、地下13階層であるのにも関わらず、日が差したのだ! 眩しさに目を細めるその場の者達と違って、ディンゴ殿は扉を出て犬の様にはしゃぎ、そして叫ぶ。


「おい見ろ! 空が! 空があるぞッ! ガハハ! ブッたまげた!」

「あらあらぁ~!」


「「「……ッ!」」」


 ──広大な地下ダンジョンを越えた先には、大空のある雄大な大自然が広がっていたのだ!


 種明かしすると、実は空の様に見えるのはウンタラカンタラ、──と言う訳ではない! 本物の空である。試しにアリスがほぼ真上の空に向かって槍を投げてみると、どこまでも、どこまでも槍は飛んで行き、それは5分後に落ちて来たのである!


 投げた槍の速度は推定時速(省略)なので、やはり空と見てほぼ間違いないと思われる。


「想一郎……空の冒険者をダンジョンに連れてくる必要があるな……」

「う~ん……」

「そうじゃな。空があるなら空から偵察した方が良いじゃろうなのじゃ」

「まぁとりあえず、ここに前哨基地を建設しよう!」


『『『ウェーイ!』』』


「素晴らしい考えだと思いまわすわぁ~! 想一郎様! オ~ホッホッホ!」


 しかし、さっきからオンドレアはちょいちょい会話に入ってくるが、空気である。


「ちょっとロスタ! うるさいわよっ!」

(おっと……)

(プフフッ)


 馬鹿とスナイパーは高い所が好きだ。


 そんな冗談を語るこの軍隊。案の定、オンドレア第一騎兵連隊長殿は、間違いなく前者であると思われるように、ここへ来る扉を取り囲む岩場によじ登って、新天地の地平線を見つめていた。そしてノリノリで報告する。


「想一郎様ぁ~! 前方12時の方向(真正面)より砂塵ですわぁ~!」


「「「──なんだって!」」」

 新天地に到達した想一郎達であったが、ヘンタイヌ男爵も負けじと受難の冒険を続けていた。現在彼らは大西海の大海原。ウェスランド七王国の観光も満足に出来ずに、彼らは略奪品を一杯乗せたヴァイキングの船を必死に漕がされていた……!


『くそっ! この船やたら重いぞ……!』

『また奴隷生活に逆戻りかよ……!』

『ママ~! ──う、うえぇぇ!』


『おい! つべこべ言わずに漕げ! でないと今こいつがゲロ吐いた海へ放り込むぞ!』


 陸では勇ましい騎士達も、慣れない洋上生活に顔を青くしている。しかし主は彼らを見放されておられなかった! なんとそこへ現れたのは、真っ白な帆を張る完全武装した帆船!


「ん? あの旗印は……! ジェンヌ貿易海軍提督ローシェ・デ・ロイテルの旗艦だ!」


『『『──ま、マズイ! “海賊狩りのロロ姉さん”だッ!』』』

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