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ダンジョン辺境伯爵と公爵令嬢  作者: もやい
第一章
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第一話Bの2 想一郎の妹

「うをぁ……」


 開いた口が塞がらない。まるで天から舞い降りる聖人? いや天使の様……。


 雲がまるで純白の翼に、太陽の光が後光の様で、髪は黄昏の輝き、真紅の外套と空色のエプロンドレスが風も無いのに神々しく棚引く……。


 まるで小さい妖精の様な光が、彼女の周囲をグルングルン回り……。


「う、美しい……」


『『『おお……』』』


 アベルは息を呑み、騎士達はあまりの美しさにため息を漏らす。確かにですわ。これはいわゆる美少女ね……。そう、まるで童話に出てきそうな美少女のそれだわ……。


 すると美少女はストンと道のド真ん中に降り立つと、不思議な現象はウソの様に消え去った。


「こ、これは一体……?」


 侍女のコラリーも、アホ面丸出しで、開いた口が塞がらない。アベルは妙にずっと、その美少女を凝視して声も出さない。……そして私は、その事に若干イラっとして言ってやった!


「ちょっと! あなたいきなり空から降りてきて何なのよ!? ちょっと美人だからって調子に乗らないでくれる!? そこに居られると邪魔だから退いて頂戴!?」


 すると美少女は目を見開いた!


 ──バンッ!


「ひ、ひぃ!」


 思わずたじろぐ私。バ、バンッて……。物凄い眼圧だわ! 意外とジト目なのね……。すると美少女は無言でズカズカと私へ向かって歩き出してきた!


「──っ!?」


 ちょっとビビる私。しかしすぐさまアベルが間に入って(ひざま)き、口説(くどき)きだした!


「──お嬢様。貴方様の様な素敵なお方は生涯で初めてにございます。嗚呼、棚引く髪は太陽の様、素肌は深夜に光り輝く満月のように艶やか……。貴方のその目はまるで蒼穹の如く碧さで……そう、まるで天使の様にお美しい! 私はアベルと申します。どうか、哀れな私めに貴方様の“フルネーム”をお教えください……。──フッ!」


 髪を掻き分け、気持ち悪いほど白い歯を輝かせるアベル。


 ──キラーン☆


 そして、コラリーの目が鬼と化した!


 だが美少女はすぐさま、アベルの“股間”を勢い良く“蹴り上げる”!


 ──コッキーン☆


「オッ────!」


 アベルは白目を向き、他の騎士達は、共感の声を上げた!


『『『オォッ────!』』』


 そして、


 ──バチコーン!


 コラリーは白目向くアベルにトドメのチョップを食らわせ怒り叫んだ!


「──フン! アベルなんてもう知らないっ! この色欲漢(ヤリチン)がっ!」


 コラリーは怒り心頭で馬車へ戻っていった。泡を吹き、倒れるアベル。


「…………」


 私と騎士達は成す術もなく、美少女はズカズカと馬車へ乗り込んでちょこんと座ってしまう。そして唖然とする私を見て、ビシッと発言した!


「──でも、これでもう“玉無し”!」


「え……?」


 ざわざわ……。


 困惑する私たちを置いて、美少女は続ける。


「──私はスパルタ出身のアリス。そして“想一郎お兄ちゃんの妹”。道中危ないから迎えに来た。さ、早く行こ。オンドレア“お姉ちゃん”……!」


 ──っ!?


「オ、オンドレア“お姉ちゃん”!? そ、想一郎様の、い、“妹”……!?」


 え!? ちょ……、え!? え!? “お姉ちゃん”? こ、これは……つ~ま~り~?


「……あらあらぁ~? フフフ! 気に入ったわ、貴方! アリスちゃんと言うのね! そう! 私は、いかにも! ファンセイヌ王国建国から(省略)百億年に一度の絶対的美女! そうそれが私、オンドレア“お姉ちゃん”よぉ~!」


 ──バーン!


「好きなだけ“お姉ちゃん”と、お呼びなさ~い! オ~ッホッホッホ!」


 ──勝ったわ!


 私は、まだ婚約もしていないのに! 愛する想一郎様の妹から“お姉ちゃん”呼ばわり! これはまさに! 超妹公認! しかしコラリーはボソッと何かを言う。


(あら? 想一郎様に妹君なんていらっしゃったかしら……?)


「何か言いまして? コラリー」

「あ、言え。何でも御座いませんオンドレア様……」


「そう? まあいいわ。──さ! 御者! さっさとティオシア馬に鞭打ち、農場4000エーカー分もする超高級馬車を出しなさい!」


『え!? し、しかしアベル様が!』


 コラリーが叫ぶ!


「──そんなの放っておきなさいっ!」


『は、はい! 畏まりました……!』


 馬がトボトボ歩き出す。騎士達は泡吹き気絶しているアベルに別れの挨拶をすると、広さ東京ドーム350個分の農場に匹敵する超高級馬車を追った。


「騎士様? 騎士様? 大丈夫ですか?」

「……ハッ! ここは!?」

「騎士様? 貴方は泡を吹いて倒れていたのよ?」

「あっ! 私のゴールデンボール! ゴールデンボールどうなったぁ!?」

「う、うわぁあ!?」

「おっと! 失礼。ところで君の瞳、凄くきれいだね」

「──え?」

「どうだい? 私にブックマークしてみないかい?」

「いやです」

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