第三話Cの5 舌戦 前半戦
「──で、私を知る“行けず後家”の貴方は誰なのよ?」
アデーレは私を指さし訪ねてくる。
「あらあらぁ~? それを聞いちゃいますぅ~? ふふ~ん! 私は──」
(※カットします)
「──オ~ホッホッホ!」
──どうっ? 決まったわ!
「あぁ~……聞いたことあるわ。“うんこ”公爵の“うんこ”ね。悪名はかねがね」
──ムキィー!!
(プフフ! 舌戦が始まるぞー。オンドレアVSアデーレ! 実況と解説は私、エリザベスが務めまーす! よろしくー! ファイト! ──カンッ!)
「──単刀直入に言わせてもらいますわ! アデーレのビッチ! 良くお聞き! あなたは想一郎様の相手として相応しくないわ! 即刻婚約を取りやめなさい!」
(おっと! いきなり仕掛けたのはオンドレア!)
「あらら? いきなり何を言っているのかしら? 若年痴呆なのかしら? 相応しくない? 何が? まったく意味が分かりませんわ? 下の毛も生え揃っていなさそうな小娘に、そんなこと言われる筋合いはありませんことよ!」
(確かにいきなり婚約破棄しろとは意味が分からない! ついでに煽るアデーレ!)
「ふふ~ん! 想一郎様は、私こそが嫁に相応しいのよ! 私が結婚するべきなの! わかる? それに、そんなこと言っていいのかしら? 私は貴方の事を知っているわ! ふふ~ん!」
(ここで何かを匂わせるオンドレア!)
「だから何? どっちが相応しいかなんて、いったい誰が決めるの? 想一郎様がそうおっしゃったのかしら? どうせ思い込みでしょ? その要求を呑む理由なんてないわ! それに、なに? 脅し? 貴方が私の何を知っているからと言って、その要求を呑まなきゃいけないのかしら?」
(アデーレは気丈に振舞いつつも探りを入れる!)
「あらあらぁ~? どっちが相応しいかなんて明白でなくて? 自分の“無い胸”に手を当てて聞いてごらんなさい? 貴方の事は貴方が一番知っているのではないかしら? そんなの卑しい農奴でもわかりますわ! それともビビっちゃってるのかしら? ふふ~ん? 私から言っちゃってもいいのかしらぁ~? ビビリビッチ!」
(オンドレアはさんざん煽り殴ってアデーレの顔色をうかがう!)
「あら、“無い胸”なのはどっちかしら? 私はどっからどう見たってFカップよ? あなたはどう見積もったってAが関の山でしょ? 何を言っているのかしら? まったくお話になりませんわ? フォ~ホッホッホ!」
(残念ながらこれには同意せざる負えない! ちなみに私はDで自慢の美乳でーす!)
「なっ!? く、そういうなら言ってしまうわよ! どうなっても知りません事よ! いいのかしら? いいのかしら!? ふふ~ん!」
(煽るオンドレア! さあ、どうするアデーレ!?)
「どうぞ?」
(おっと! 涼しげな顔でサラッと三文字だー!)
「あらあらぁ~? じゃあ言っちゃうわよ~? ふふーん! そんなの簡単よ! これでとどめね! 泣き崩れるがいいわ! ビッチ! ──それはあなたが角の生えた見るもおぞましい“悪魔”だからよっ!」
(おっと序盤で意味の分からない言い掛かりの大技を仕掛けた! 私は若干、責任を感じずにはいられない!)
「──はぁ? 根拠は?」
──え!? 根拠!?
「……………………!」
(おおっとどうした!? オンドレア! まさか……まさか!? 不意な根拠の提示要求に言葉が詰まって言い返せないのかっ!? なんてこったー!)
「ねぇ? 根拠は? ねぇ? ねぇねぇ?」
(アデーレ! 迫る! 迫る!)
こ、根拠!? え!? 根拠って!? 根拠は……あ~……バババババ。
(オンドレアフリーズ! オンドレアフリーズ!)
適当に見つけたジョークを弄ってみる。
~夢の姉妹丼?~
俺の姉と妹が言い争いをしていた。
俺は仲裁する為、訳を聞くと姉は──
「──私と妹、どっちが貴方を愛してるか言い争ってたのよっ!」
俺は感動のあまり泣きそうになったが、妹は──
「──そう! 私よりお姉ちゃんの方がコイツを愛してるのよっ! キモッ!」
「冗談じゃないわっ! 妹の方こそコイツを愛してるのでしょ!? 吐き気がするわっ!」




