第三話Bの2 逆襲
そして幅が広く天井も高いちょっとした部屋に全員が入ると、
──ゴゴゴゴゴ、ゴゴン!
来た道が岩に塞がれてしまう!
「「「ッ──!」」」
「あわわ。お姉ちゃん、帰り道塞がっちゃった」
「あらあらぁ~? まったく、石ころに気を取られているからですわぁ~」
「ごめんなさい」
素直に謝るアリスちゃんきゃわいい!
「ま、まー取りあえずこれで、話が前に進みそうで何よりですねー……」
エリザベスが白目で言う。 すると奥からゾロゾロと現れだす輩達!
「……そうか、罠だったのか。通りで」
ロスタは呆れ顔になって小指で頭をポリポリした。
「ゴブリンにオークにトロール、オーガにウェアウルフに、そして柄の悪い人間か……」
『『『フェッフェッフェ!』』』
「さしずめ異種間連合強盗団といった呈だな。魔鉱石で釣って、後はやりたい放題と言うわけか? なるほど。……そう言えば、絵の具は色んな色を混ぜると最終的に黒になるって聞いたが、あれは本当か? ん?」
(え? プフフ……)
あらぁ? 極めて冷静に、ロスタは謎の強がりを見せる!
『はぁ? お前何言ってやんだ? 絵の具? それはなんだ? 強がりか? 色々混ぜたら黒になるに決まってるだろ! 馬鹿なのか!?』
『『『フェッフェッフェ!』』』
「──フ、フン!」
(で、でも! ひ、光は混ぜると白くなるんだもんっ!)
ロスタはぶつぶつ言いながら少し赤くなった。
『てかオイ見ろ! 全員油の乗った、じゃなくて“絵の具”の乗った、色彩豊かなイイ女じゃないか!』
『『『おお~!』』』
『こいつは良い!』
『全員捕まえよう!』
『こいつはデケェ金になりそうだ!』
『『『フェッフェッフェ!』』』
『──これなら“アデーレ”のお嬢も喜びますぜ!』
「「「──えっ!?」」」
『『『──おい!』』』
『──あ!』
『馬鹿! 名前出すなってあれほど!』
『バカトロール! アホトロール!』
『あ~あ。やばいぞこれ』
「──ホホ……ホホッホホホホ……!」
──チュドーン!
「オォ~ホッホッホッホッホ!!」
私はこみ上げる笑いを抑えきれず、完璧な歯並びを見せつける様に、全力で高笑いをした!
──キラーン☆
『『『──うおっ!』』』
『なんだ急に!? この女、急に笑い出したぞ!』
『うお、キメェ! 意味わかんねぇ!』
『うお! “アデーレ”のお嬢よりも、悪役らしい悪役の笑い!』
『『『──おい!』』』
『だから言うなって! 頓馬トロール!』
──チュドーン!
「──オ~ホッホッホ!! 正に『悪戯していたら尻尾がハラリとジャイアントスイング』とはこの事ね!!」
──ズゴゴーン!
「──勝ちましたわ!!」
私は高々と勝利宣言してみせる!
『『『──はぁ!?』』』
『この女、マジで何言ってんだ!? この状況分かってんのか!?』
『な、なにぃ? 悪戯していたら、えっとジャイアントスイング? ホント意味わかんねぇ!』
『しかしだな……そうと割れてしまっては仕方ねぇ! なら、喋れねぇようにしちまえば良いのよ!』
『『『それだっ!』』』
『フェフェフェ! 色々な意味で今晩のオカズになってもらうぜ!』
『『『──それがいい! ジュルル……!』』』
エリザベスは弓を番えて言う。
「変態共が来るよー!」
「オ~ホッホッホ! アリスちゃん! やっておしまい!」
(あら。結局アリスちゃんにやらせるのねー)
エリザベスが何か突っ込んでいるけども、アリスちゃんはやる気満々!
「うん。わかっ──」
「──まて」
前へ出ようとするアリスちゃんを制するは、がり勉オタクのロスタ。
「こうなってしまった落とし前は、私がつけよう……」
ロスタは“神剣チリ”に魔力を込めたのか、それは赤く光りだす!
『おっと! そうはいかねぇぜ! 喰らえ! 幻惑魔法! 『恍惚の妙薬』──ッ!』
『『『フェッフェッフェッフェッフェ!』』』
『これでお前は性奴隷──』
──カキーン!
『『『ギャァァァァァ!』』』
「愚か者。私の名はロスタエル・ルインシル・ヘレドール。ソロでもう何年もダンジョンに篭っている。無論、故に暴漢対策は完璧である。その手の禁忌、幻惑魔法は基本的に跳ね返るのだ。この色狂い共め!」
(ソロで何年もー? それってつまり、やっぱりボッチだったのねー!)
エリザベスがニヤついて一々何か言ってるけども、強盗団は、
『『『うひっ! うひぃ~!』』』
股間を両手で押さえてやたらとモンモンしていますわ!
『くそう! しまった! こいつロスタエルだったのかっ!』
「さぁ! 次は私のターンだ! 暴漢には『ハバネロチリペッパースプレー』──ッ!」
──ブシュゥゥゥゥウ!
『『『ギャァァァァァ!』』』
『目がっ! 目がぁぁぁ!』
『鼻がっ! 鼻がぁぁぁ!』
『『『粘膜という粘膜がぁぁぁ!』』』
『し、しかもウ、ウゴケネェ……!』
強盗団は目鼻の強烈な刺激だけでなく麻痺ってもいた!
「──まったく持って謎である」
何が謎なのかよく判らないけれど、ロスタは余裕を持って、悶絶する強盗団へと歩き出す。そして神剣チリの鞘を両手で持つと、それはまたも赤く光だし、
「この神剣チリは、ちょっとやそっとではまず抜けることは無い。例えばこのように……。神剣魔法術! 『ホットチリミートハンマー』──ッ!」
ロスタはその剣の鍔を鈍器にして、強盗団をぶん殴りだした!
──ボカッ!
『ブヘァッ!』
エリザベスはすかさず突っ込む!
「それ、“物理攻撃”じゃねーか──ッ!」
「このスケルトンいくら倒しても復活してくる!」
様々な冒険者は、何をしても復活してくるスケルトンの攻略方を模索していた。
先行攻略組は、
──ありとあらゆる魔術系統を試し、専用のターンアンデッドを開発、最効率化をはかった。
中堅冒険者は、
──むしろ復活してくる事を利用して訓練用木人化、初心者いじめに利用した。
反社会的勢力の冒険者は、
──足をコンクリートで固めて、東京湾に捨てた。




