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ダンジョン辺境伯爵と公爵令嬢  作者: もやい
第一章
32/97

第三話Bの2 逆襲

 そして幅が広く天井も高いちょっとした部屋に全員が入ると、


 ──ゴゴゴゴゴ、ゴゴン!


 来た道が岩に塞がれてしまう!


「「「ッ──!」」」


「あわわ。お姉ちゃん、帰り道塞がっちゃった」

「あらあらぁ~? まったく、石ころに気を取られているからですわぁ~」

「ごめんなさい」


 素直に謝るアリスちゃんきゃわいい!


「ま、まー取りあえずこれで、話が前に進みそうで何よりですねー……」


 エリザベスが白目で言う。 すると奥からゾロゾロと現れだす輩達!


「……そうか、罠だったのか。通りで」


 ロスタは呆れ顔になって小指で頭をポリポリした。


「ゴブリンにオークにトロール、オーガにウェアウルフに、そして柄の悪い人間(ロクデナシども)か……」


『『『フェッフェッフェ!』』』


「さしずめ異種間連合強盗団といった呈だな。魔鉱石で釣って、後はやりたい放題と言うわけか? なるほど。……そう言えば、絵の具は色んな色を混ぜると最終的に黒になるって聞いたが、あれは本当か? ん?」


(え? プフフ……)


 あらぁ? 極めて冷静に、ロスタは謎の強がりを見せる!


『はぁ? お前何言ってやんだ? 絵の具? それはなんだ? 強がりか? 色々混ぜたら黒になるに決まってるだろ! 馬鹿なのか!?』


『『『フェッフェッフェ!』』』


「──フ、フン!」


(で、でも! ひ、光は混ぜると白くなるんだもんっ!)


 ロスタはぶつぶつ言いながら少し赤くなった。


『てかオイ見ろ! 全員油の乗った、じゃなくて“絵の具”の乗った、色彩豊かなイイ女じゃないか!』


『『『おお~!』』』


『こいつは良い!』

『全員捕まえよう!』

『こいつはデケェ金になりそうだ!』


『『『フェッフェッフェ!』』』


『──これなら“アデーレ”のお嬢も喜びますぜ!』


「「「──えっ!?」」」


『『『──おい!』』』


『──あ!』


『馬鹿! 名前出すなってあれほど!』

『バカトロール! アホトロール!』

『あ~あ。やばいぞこれ』


「──ホホ……ホホッホホホホ……!」


 ──チュドーン!


「オォ~ホッホッホッホッホ!!」


 私はこみ上げる笑いを抑えきれず、完璧な歯並びを見せつける様に、全力で高笑いをした!


 ──キラーン☆


『『『──うおっ!』』』


『なんだ急に!? この女、急に笑い出したぞ!』

『うお、キメェ! 意味わかんねぇ!』


『うお! “アデーレ”のお嬢よりも、悪役らしい悪役の笑い!』


『『『──おい!』』』


『だから言うなって! 頓馬トロール!』


 ──チュドーン!


「──オ~ホッホッホ!! 正に『悪戯していたら尻尾がハラリとジャイアントスイング』とはこの事ね!!」


 ──ズゴゴーン!


「──勝ちましたわ!!」


 私は高々と勝利宣言してみせる!


『『『──はぁ!?』』』


『この女、マジで何言ってんだ!? この状況分かってんのか!?』

『な、なにぃ? 悪戯していたら、えっとジャイアントスイング? ホント意味わかんねぇ!』

『しかしだな……そうと割れてしまっては仕方ねぇ! なら、喋れねぇようにしちまえば良いのよ!』


『『『それだっ!』』』


『フェフェフェ! 色々な意味で今晩のオカズになってもらうぜ!』


『『『──それがいい! ジュルル……!』』』


 エリザベスは弓を番えて言う。


「変態共が来るよー!」

「オ~ホッホッホ! アリスちゃん! やっておしまい!」

(あら。結局アリスちゃんにやらせるのねー)


 エリザベスが何か突っ込んでいるけども、アリスちゃんはやる気満々!


「うん。わかっ──」

「──まて」


 前へ出ようとするアリスちゃんを制するは、がり勉オタクのロスタ。


「こうなってしまった落とし前は、私がつけよう……」


 ロスタは“神剣チリ”に魔力を込めたのか、それは赤く光りだす!


『おっと! そうはいかねぇぜ! 喰らえ! 幻惑魔法! 『恍惚の妙薬(なんでもやりほうだい)』──ッ!』


『『『フェッフェッフェッフェッフェ!』』』


『これでお前は性奴隷(むふふ)──』


 ──カキーン!


『『『ギャァァァァァ!』』』


「愚か者。私の名はロスタエル・ルインシル・ヘレドール。ソロでもう何年もダンジョンに篭っている。無論、故に暴漢(へんたい)対策は完璧である。その手の禁忌、幻惑魔法は基本的に跳ね返るのだ。この色狂(いろぐる)い共め!」


(ソロで何年もー? それってつまり、やっぱりボッチだったのねー!)


 エリザベスがニヤついて一々何か言ってるけども、強盗団は、


『『『うひっ! うひぃ~!』』』


 股間を両手で押さえてやたらとモンモンしていますわ!


『くそう! しまった! こいつロスタエルだったのかっ!』

「さぁ! 次は私のターンだ! 暴漢には『ハバネロチリペッパースプレー』──ッ!」


 ──ブシュゥゥゥゥウ!


『『『ギャァァァァァ!』』』


『目がっ! 目がぁぁぁ!』

『鼻がっ! 鼻がぁぁぁ!』


『『『粘膜という粘膜がぁぁぁ!』』』


『し、しかもウ、ウゴケネェ……!』


 強盗団は目鼻の強烈な刺激だけでなく麻痺(ビビビ)ってもいた!


「──まったく持って謎である」


 何が謎なのかよく判らないけれど、ロスタは余裕を持って、悶絶する強盗団へと歩き出す。そして神剣チリの鞘を両手で持つと、それはまたも赤く光だし、


「この神剣チリは、ちょっとやそっとではまず抜けることは無い。例えばこのように……。神剣魔法術! 『ホットチリミートハンマー』──ッ!」


 ロスタはその剣の鍔を鈍器にして、強盗団をぶん殴りだした!


 ──ボカッ!


『ブヘァッ!』


 エリザベスはすかさず突っ込む!


「それ、“物理攻撃(フィジカルアタック)”じゃねーか──ッ!」


「このスケルトンいくら倒しても復活してくる!」


 様々な冒険者は、何をしても復活してくるスケルトンの攻略方を模索していた。


 先行攻略組は、


 ──ありとあらゆる魔術系統を試し、専用のターンアンデッドを開発、最効率化をはかった。


 中堅冒険者は、


 ──むしろ復活してくる事を利用して訓練用木人化、初心者いじめに利用した。


 反社会的勢力の冒険者は、


 ──足をコンクリートで固めて、東京湾に捨てた。

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