第二話Bの6 エルフも色々
「プフフ……。それより登録済みましたかー? パーティー組みましたかー? メンバーが中々見つからないようなら、こう言う時いつも一人でオロオロしてるボッチを捕まえると楽ですよー?」
「パーティー? 私とアリスちゃんと、エリザベス、貴方で十分じゃないこと?」
「プフフ……。魔術師も居たほうが、何かと便利でしょうねー。炊事洗濯掃除、全部魔法でやってくれるからねー」
「魔術師……?」
私達はロビーを見渡す。
「あららぁ~? さっきまであんなに賑わっていたのに、いつの間にかスッカラカンですわぁ~?」
(プフフ……。さすが誉れ高きファンセイヌの貴族様ねー。大人気~!)
しかしよく見れば、広いロビーの片隅に、石と睨めっこする若草色の髪の“女ハイエルフ”が一人だけいますわ……。
(美しい……。魔鉱石……。宝石からありふれたその辺の石に至るまで、魔素“マッソーン!”を多く含むその鉱石は、魔法を扱うものとしては使うのを躊躇するほどに貴重だ……。私の前にあるその魔鉱石達は宝石としてはやや冴えないが、それでも中等級魔鉱石としてはかなりの価値がある……。そもそも魔素“マッソーン!”とは不思議な素粒子で、物質を形成している電子等の様々な素粒子に成りすます所か、光でさえにも取って代われるほどの存在なのだ……! それらがどういった経緯か、これらの鉱石に多く含有されている……。実に、実に神秘的だ……! ふわぁぁぁぁあっ!)
私はブツブツ言って石と睨めっこする彼女の石を拾い上げると、
「──あらぁ~? 何を見ているのかしらぁ? 宝石? ふふ~ん! でもこれ、安物ね!」
──ポイッ!
私はそのくすんだ冴えない石ころを背後へ投げ捨てた!
「ああ! なんて事を!」
──パシッ!
でもアリスちゃんがそれをナイスキャッチ。
(ん~……。水色の綺麗な石……)
「あ、あぶなかった……。助かったぞ、少女よ。その魔鉱石をこっちへ持ってきてくれないか。その魔鉱石は“硬度4”で“へき開”が“完全”なので、非常に割れやすい魔鉱石なのだ。金貨(※通常金貨と言ったら、アクティム帝国金貨の事で、1枚2グラム1万円相当)にして100枚近い価値があり、砕けたら大損失なのだ……!」
(うわ~! これ1個で100万円……!)
アリスちゃんは感心しているようだけど、たかが金貨100枚?
「へぇ~? こんなのが~? 父のコレクションにはもっと綺麗なのが沢山ありましてよ?」
──ポイッ!
「──ああッ! また!」
──パシッ!
(今度は茶色い……でも凄い魔力……!)
「ふ、ふう……まったく、無知は罪である……」
「あらぁ? 失礼ね! だれが無知ですって? 私を誰だと思っているのかしら! 聞いて顔面蒼白になさい? ──私はファンセイヌ王国 (以下略) そうそれが私、オンドレア、普通の冒険者よ!」
──チュドーン!
「オ~ホッホッホ!」
(お姉ちゃん、もうそのくだり、くどいかなぁ~……)
「貴族? だから何だと言うのだ……」
(それに、これだけ言っておいて、最後の最後で普通の冒険者を名乗ったのは何の意図なのだろうか……? 謎である……)
「ふふん! どう? 顎が外れて床を突き抜ける思いで無くって? 田舎エルフさん?」
「”田舎エルフ”……? 私をその辺の、樹液臭いウッドエルフと一緒にするとはな……」
「プフフ!」
エリザベスは青筋を立てた。
アベルはとある酪農家に匿われていた。そんなある日、一人のドワーフと二人のエルフが派遣されてきた。
まずドワーフは言った。
「工業化しよう。牛に乳絞り器を導入すれば効率的だ」
続いてウッドエルフは言った。
「牛が可哀そうだ! 大自然の中で放し飼いにすべきだ!」
そしてハイエルフは黒板を持ってきて言った。
「ではまず、牛を“点C”と仮定した場合……」




