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ダンジョン辺境伯爵と公爵令嬢  作者: もやい
第一章
26/97

第二話Bの7 ロスタエル・ルインシル・ヘレドール(相関図あり)

「ふう……私は見ての通り、ハイエルフの魔術師である。名は“ロスタエル・ルインシル・ヘレドール”という。私はアルフヘイム共和国出身で“アルフヘイム総合大学大学院上級魔法術学研究科魔鉱石学専攻博士課程”を修了している。なので、私に身分どうこうなどと言う脅し文句はきかない。私には“アルフヘイム共和国海外派遣研究員協定”により“治外法権”が存在するのだ……!」


 アリスちゃんは目を輝かせる!


(おお! 博士博士……!)


 しかし私は、


「“違う封建(ほうけん)”? 一体何の事かしら? まぁつまり、要はガリ勉オタクってことでしょ? ──てか! そんな事どうでもいいのよ! 魔術師として私のパーティーに入りなさい! これは命令よ! 私にはやらないといけない大義(こんやくはかい)があるのよ! それに付き合えるのだからそれは大変名誉(オナー)な事なのよ!」


「命令? 話を聞いていたのか? 私にはそれに従う義務など無いのだが……」


「もう! 命令は命令なのよ~っ! 私のパーティーに入りなさいったら入りなさい~っ(ギリギリッ)!」


 ──じたばたじたばた!


(な、なんて我が儘なご令嬢か……!)


 するとエリザベスが苦笑しながら説得に加わる。


「プフフ……まーまー。ロスタエルさん? もしー、パーティーに加わっていただけたならー、鳩羽鼠のナウススさまよりー……」


(ごにょごにょ……)


 エリザベスは何かロスタエルに耳打ちした。


(ん? かの高名な、あの鳩羽鼠のナウスス殿が!? ほほう……なるほど……。それは魅力的な……)

(でしょ?)


「ちょ、ちょっと! なにヒソヒソ話しているのよ! すごく気になるじゃない!」

「──よし。であれば、ネイ公爵令嬢のオンドレアよ。パーティーに加わってやるぞ」


「え?」


(おお、お姉ちゃん……何でか分かんないけど博士キャラ(ハイエルフ)ゲット……!)

「ふふ~ん! ”ロスタ”が遂に私の交渉術(ネゴシエイション)に屈したわね! さすが私ですわぁ~! オーホッホッホ!」


「”ロスタ”? 私の愛称(ニックネーム)か……? まいい。少しご令嬢の我が儘に少し付き合うとするか……」

(フッフッフ……!)


 ロスタは不気味な笑みをこぼした。しかし気にせず、


「ロスタエルだからロスタ、ですわ! オ~ホッホッホ!」


 そしてやったわ! これで4人パーティーですわね! よし!


 ──アデーレ潰すっ!


 ……そんな私の野望はどこかに、アリスちゃんはロスタの脇に立て掛けてあった人の背ほどもある長い剣に興味津々。


(うわぁ……長い剣……。そして意外と軽い……)


 アリスちゃんは剣を鞘から引き抜こうとすると、ロスタは鞘を掴んで、


「これこれ少女よ。悪戯(いたずら)するでない。これは私が(スタッフ)代わりに使っている神剣。私のような相当訓練された特殊な高魔力の選ばれし者でないと抜けな──」


 ──シャキーン!


「──なっ!?」


 驚くロスタ。アリスちゃんは軽々剣を引き抜いてしまって呟く。


「わ! ぬけちゃった!」


 そしてぼんやり白く(ブオンブオンッ)輝く長い剣。


 ……………………。


 皆がしばらく黙る中、受付譲が呟く。


「うわぁ~……。あの剣、誰かが抜いたの初めて見たです~……」


 アリスちゃんが剣を鞘に納めながら申し訳なさそうに言う。


「あ、あの……ゴメンなさいロスタさん……。私の名前はアリスです……」

「お、おおう……アリスよ……。因みに、その神剣の名は“チリ”と言う……」


 アリスは首を傾げて呟く。


「“チリ”って、あの南米の細長い国の“チリ”……?」


「「「???」」」


 ──バーン!


「さぁパーティーは揃いましたわ! 待ってなさい! 阿婆擦れビッチ・アデーレ! 今から潰しに行きますわよぉ~! オーホッホッホ!」



↓オンドレアの主観が入った人物相関図

挿絵(By みてみん)

「内装も替え、お嬢様も外出中。はぁ~……ホッと一息……」

『コラリー様! コラリー様!』

「あら、馬車の御者ですか……何かしら?」

『今、とある問題で悩んでいるのですが、お力添えを!』

「どれどれ。言ってみなさい?」

『勇者と魔王がそれぞれチームを作ってスポーツ大会しました』

「ふふん?」

『はて、勝つのはやはり正義である勇者でしょうか?』

「簡単ね。──当然魔王が勝つわ」

『えぇぇぇ!?』

「──だって魔王側には“審判”が居るでしょう?」


 第二話はCありません。

 次回からは第三話になります!

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