第二話Aの4 聖セイント骨ボーン!
右肩がっ!
「ク、クソそこかぁぁ!」
──ブンッ!
空振る剣!
『ウッキッキー! グヒヒヒヒ! 『インビジブル透明ゴブリン!』──ッ!』
──クソ! また消えた! 集中だ! ──────ッ!
──ザシュッ!
「ぐはぁぁ!」
だめだぁ! 全然わからない!
『フッヒッヒッヒー! 毒よ! 毒よ! さあ回れ~! フッヒッヒッヒー!』
──毒!?
──ッ!
急に景色が淀み出し、膝がガクとする……! これは即効性のっ! ま、マズイ!
『イッヒッヒー! 膝に来てるぅ! 膝にキテルゥゥッ! 『インビジブル透明ゴブリン!』──ッ!』
「想一郎ぉぉぉ!」
ディンゴが叫ぶ! しかし!
──ガッチーン!
『余所見すんな! ハンパもんの犬科め! 犬科最強はオレだぁぁ!』
「ぬぉぉぉぉ! ウルフタロウォォォ!」
──ガッチーン!
く、ディンゴ……! すまん……力が……! 戦場の景色が次第にスローになりだす! く……、これも、毒の……か……? すると突如、何処からとも無くゴブリンではない声が……!
『想一郎……』
「──ッ!?」
『想一郎……!』
「こ、この声はまさか! 父さん!?」
『ゴブリンは狡猾な生き物だ。正面から来ないなら何処から来る……!』
──ハッ! そうだ! う、後ろだっ!
すると俺の頭にまたもや電球が光る!
──ピロピロリーン!
後ろからなら!
「──盾エルボーッッ!」
俺は残された力を振り絞って全力で後方へ盾でエルボーした!
──バチコーーーンッッッ!
『──バ、バレタァァァァァッ!』
後方へすっ飛び転げまわるウッキースマイル!
『ウギャア! ウギャア!』
そして奴の頭の上にあったバターが遂に落ちた!
──ベチョッ!
『あっ! 俺のバターがぁぁぁぁ!』
奴のバターが落ちた! こ、これは……やったの……か!?
『て……バターが落ちたからなんなんだぁぁぁぁ! くっそ! しかし奴の毒は回りきった! 今だ! お前ら殺っちまえぇぇぇぇ!』
ウッキースマイルは懐の中から替えのバターを頭に乗せながら叫んだ! くそっ! あの頭のバターは一体何なんだっ!
──ボゴゴゴーンッ!
『『『ウッキィィィーッッ!』』』
「──ッ!?」
地中から飛び出すゴブリン数匹! ディンゴが叫ぶ!
「それみたことかっ! これがゴブリンだっ!」
数匹のゴブリンは膝をつく俺に襲い掛かってきた! マ、マズイ! 動け体! ぬぅぅぅおぉぉぉ!
──ドッゴォォォォンッッッ! バリバリバリバリッッ!
『『『ウギョァァァァァッッ!』』』
伏兵のゴブリンが強烈な電気ショックで黒焦げになって、頭のバターは香ばしい匂いを周囲に撒き散らした!
「──ふぅ。やっと2リットル飲み終えたわい! 『ライトニング敵だけ通電サンダー』──ッッ! エーンド! 『デドッキシフィケイション何でも解毒』──ッッ!」
──グゴゴゴゴゴ!
こ、これが解毒の効果音!? いや、違う!
「ナ、ナウスス……!」
「フォッフォッフォ……!」
ナウススは唇を袖で拭くと、一升瓶を投げ捨てた! こ、これは!? うぉぉぉぉ! ち、力がみなぎる! そしてナウススが言う!
「想一郎! もう必殺ゲージは溜まったじゃろう! さぁ見せて見よ! 貴様の“聖セイント骨ボーン”の力を!」
──“聖セイント骨ボーン”!?
俺の頭上に凄まじい電球が輝き降りてきた!
──テッカァァァン!
「うぉぉぉぉおおおっっ! 『フェェェニィィィックス』──ッッッ!」
俺の体に紅蓮の炎が纏わり付く! それは不死鳥の姿となって、俺はウッキースマイルに猛進した!
『グヒョヒョヒョッ!? ──マ、マズイ! 『緊急撤退テレポート』──ッ! クヘヘ……』
──シュンッ!
──な! 逃げた!?
しかし勢いに乗った俺の猛進は止める事が出来ず、ディンゴと戦うウルフタロウに一発で地獄に叩き落す“フェニックス極楽炎昇剣”をお見舞いしてしまった!
「極・楽・炎・昇・剣──ッッッ!」
──ブォアアアアアア!
『ヌァァァァァァァアアアア────ッッ!』
──スタッ! 着地する俺。
──ボゴゴゴォォォォオオオン──ッッッ!
──そしてウルフタロウは天へ召された。
ディンゴが言う。
「オーケー! やっぱ噛ませ犬だった!」
「聖セイント骨ボーン!? 大事な事だから二回ずつ言ったのか!?」
「てか地獄に叩き落すのに天に召された!?」
「個人的にタイトルにしようか悩むほど無茶苦茶キャッチーなのじゃ!」
「よっしゃ! なら俺は! 『中華そばぁ・ラァァメェェーンッ!』──ッッ!」
「フェニックス! 極・楽・炎・昇・剣ぇぇぇぇん!」
「あぁぁぁああ! オレの中華そばぁぁぁラァァァァメェェェェンッッッ!」




