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ダンジョン辺境伯爵と公爵令嬢  作者: もやい
第一章
18/97

第二話Aの4 聖セイント骨ボーン!

 右肩がっ!


「ク、クソそこかぁぁ!」


 ──ブンッ!


 空振る剣!


『ウッキッキー! グヒヒヒヒ! 『インビジブル透明(すけすけ)ゴブリン!』──ッ!』


 ──クソ! また消えた! 集中だ! ──────ッ!


 ──ザシュッ!


「ぐはぁぁ!」


 だめだぁ! 全然わからない!


『フッヒッヒッヒー! 毒よ! 毒よ! さあ(ぐるぐる)れ~! フッヒッヒッヒー!』


 ──(ポイズン)!?


 ──ッ!


 急に景色が淀み出し、膝がガクとする……! これは即効性のっ! ま、マズイ!


『イッヒッヒー! 膝に来てるぅ! 膝にキテルゥゥッ! 『インビジブル透明(すけすけ)ゴブリン!』──ッ!』


「想一郎ぉぉぉ!」


 ディンゴが叫ぶ! しかし!


 ──ガッチーン!


『余所見すんな! ハンパもんの犬科(ねこもく)め! 犬科(ねこもく)最強はオレだぁぁ!』

「ぬぉぉぉぉ! ウルフタロウォォォ!」


 ──ガッチーン!


 く、ディンゴ……! すまん……力が……! 戦場の景色が次第にスロー(ルルルー)になりだす! く……、これも、毒の……か……? すると突如、何処からとも無くゴブリンではない声が……!


『想一郎……』


「──ッ!?」


『想一郎……!』


「こ、この声はまさか! 父さん!?」


『ゴブリンは狡猾な生き物だ。正面から来ないなら何処から来る……!』


 ──ハッ! そうだ! う、後ろだっ!


 すると俺の頭にまたもや電球が光る!


 ──ピロピロリーン!


 後ろからなら!


「──盾エルボーッッ!」


 俺は残された力を振り絞って全力で後方へ盾でエルボーした!


 ──バチコーーーンッッッ!


『──バ、バレタァァァァァッ!』


 後方へすっ飛び転げまわるウッキースマイル!


『ウギャア! ウギャア!』


 そして奴の頭の上にあったバターが遂に落ちた!


 ──ベチョッ!


『あっ! 俺のバターがぁぁぁぁ!』


 奴のバターが落ちた! こ、これは……やったの……か!?


『て……バターが落ちたからなんなんだぁぁぁぁ! くっそ! しかし奴の毒は回りきった! 今だ! お前ら()っちまえぇぇぇぇ!』


 ウッキースマイルは(パンツ)の中から替えのバターを頭に乗せながら叫んだ! くそっ! あの頭のバターは一体何なんだっ!


 ──ボゴゴゴーンッ!


『『『ウッキィィィーッッ!』』』


「──ッ!?」


 地中から飛び出すゴブリン数匹! ディンゴが叫ぶ!


「それみたことかっ! これがゴブリンだっ!」


 数匹のゴブリンは膝をつく俺に襲い掛かってきた! マ、マズイ! 動け体! ぬぅぅぅおぉぉぉ!


 ──ドッゴォォォォンッッッ! バリバリバリバリッッ!


『『『ウギョァァァァァッッ!』』』


 伏兵のゴブリンが強烈な電気ショックで黒焦げになって、頭のバターは香ばしい匂いを周囲に撒き散らした!


「──ふぅ。やっと2リットル飲み終えたわい! 『ライトニング敵だけ通電サンダー』──ッッ! エーンド! 『デドッキシフィケイション何でも解毒』──ッッ!」


 ──グゴゴゴゴゴ!


 こ、これが解毒の効果音!? いや、違う!


「ナ、ナウスス……!」

「フォッフォッフォ……!」


 ナウススは唇を袖で拭くと、一升瓶を投げ捨てた! こ、これは!? うぉぉぉぉ! ち、力がみなぎる! そしてナウススが言う!


「想一郎! もう必殺ゲージは溜まったじゃろう! さぁ見せて見よ! 貴様の“(せい)セイント(ほね)ボーン”の(フォース)を!」


 ──“(せい)セイント(ほね)ボーン”!?


 俺の頭上に凄まじい電球が輝き降りてきた!


 ──テッカァァァン!


「うぉぉぉぉおおおっっ! 『フェェェニィィィックス』──ッッッ!」


 俺の体に紅蓮の炎が纏わり付く! それは不死鳥の姿となって、俺はウッキースマイルに猛進した!


『グヒョヒョヒョッ!? ──マ、マズイ! 『緊急(いますぐ)撤退(にげよう)テレポート』──ッ! クヘヘ……』


 ──シュンッ!


 ──な! 逃げた!?


 しかし勢いに乗った俺の猛進は止める事が出来ず、ディンゴと戦うウルフタロウに一発で地獄に叩き落す“フェニックス極楽(ごくらく)炎昇剣(えんしょうけん)”をお見舞いしてしまった!


(ごく)(らく)(えん)(しょう)(けん)──ッッッ!」


 ──ブォアアアアアア!


『ヌァァァァァァァアアアア────ッッ!』


 ──スタッ! 着地する俺。


 ──ボゴゴゴォォォォオオオン──ッッッ!


 ──そしてウルフタロウは天へ召された。


 ディンゴが言う。


「オーケー! やっぱ噛ませ犬(モブイヌ)だった!」

「聖セイント骨ボーン!? 大事な事だから二回ずつ言ったのか!?」

「てか地獄に叩き落すのに天に召された!?」

「個人的にタイトルにしようか悩むほど無茶苦茶キャッチーなのじゃ!」

「よっしゃ! なら俺は! 『中華そばぁ・ラァァメェェーンッ!』──ッッ!」

「フェニックス! 極・楽・炎・昇・剣ぇぇぇぇん!」

「あぁぁぁああ! オレの中華そばぁぁぁラァァァァメェェェェンッッッ!」

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