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ダンジョン辺境伯爵と公爵令嬢  作者: もやい
第一章
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第一話Cの8 治療がお必要 (戦術図あり)

【オンドレアとその一行】


「ちょっと! 私の出番が少ないじゃない! どう言う事!? 他の奴なんかどうでも良いのよ! 私はヒロインなのよ!? もっと私だけにフォーカスしなさいよ! バカー!」


 私は、転がったクソ価値もなくなった馬車の上に乗って天に叫ぶ!


「…………誰に言ってるの?」


「アリスちゃん? フフフ。なんでもないわ!」


『流石はダンジョン辺境伯爵様の軍勢……。なんと圧倒的なことか……!』


「当然じゃない! 何言ってるの!? あんた馬鹿なの!? 死ぬの!? ケツに鎧食い込ませて、今までの人生で何見てきたの!? 貴方騎士でしょ!? たいした遍歴(へんれき)修行もしてないようね! 想一郎様の軍隊なんだから、そんなの愚鈍でアホ面のハトポッポでも理解できますわよ!?」


『も、申し訳ありません……! べ、勉強になります……お嬢様……』


「ふん!」


「お嬢様、ここにいつまでも居ては想一郎様のご迷惑では……?」


 侍女のコラリーが言う。


「う~ん……」


 私はあたりを見渡す。


『『『ワァァァァァァァ!!!』』』


 ──ドッゴーン! ドッゴーン!


「──だめよ! 私はここに残るわ! でないと想一郎様が迎えにこれないじゃない!」


「し、しかしここは相当に危険にございます……!」


「くどいわ! コラリー! それより見なさい!? 特にハトポッポの護衛騎士達! 想一郎様の戦い方を見聞して学び、書き記すのよ! 私の将来の“ハズバンド(だんな)”の叙事詩をね! そう! これはまるで戦争の芸術じゃない? アートオブウォーよ! ああ、なんて美しい響きかしら! やっぱりゴブリン共など取るに足らなかったわね! オ~ホッホッホ!」


『『『は、はぁ…………』』』


(必死に守ってこれだと、騎士達も浮かばれない……)


「オ~ホッホッホ! あらぁ? アリスちゃん? 何かお姉ちゃんに言いまして?」

「なんでもない」

「そ?」


 まぁいいわ!


「オ~ホッホッホ!」


 すると戦闘の起きている奥の森からまたモリモリとゴブリンが現れだす!


「あらぁ~? 馬鹿なゴブリンね! 幾ら援軍を送ろうとも無敵の想一郎様の軍団には無意味よ! オ~ホッホッホ!」


『『『──な、何だって!?』』』


『ゴブリンにまだそんな戦力が!?』

『おいおい! あの数、6,8、いや……15000位居ないか!?』

『こ、これはまさか、前衛のゴブリンはただの肉壁だったのでは!?』


 …………あらぁ~? もしかしてこれって、ちょっとマズイ? 私は柄にも無く冷や汗をかく。


「ん~…………」


 あらら? アリスちゃん、ちょっと渋い顔……。すると重い蹄の音。


 ──ダカダッダカダッダカダッダカダッ!


 なんとも毛並みの良い馬を駆け、金銀に輝くキラキラの騎士様!


「え!? あ! あ! あ! あっ! ああ~!!」


 私は興奮絶頂!


(お兄ちゃん折角の鎧台無し。凄いバターでドロドロ……)


 アリスちゃんが何か言っているけれど、私にはそれは、神々の鎧を身に(まと)った白馬の王子様!


「馬車の上におられるのはネイ公爵令嬢のオンドレアお嬢様か!?」


「──イエス! ザッツライッ!」


 私は馬車の上から馬に跨る麗しき想一郎様の胸元へ決死(あいゆえ)のダイブをした! キャッ! 私ってなんて大胆なのかしらっ! ウフフ!


「──どっ、どわぁあ!? なっ!? なっ!?」


 ──ヒヒーン!


(うわぁ~……お兄ちゃん迷惑そう……)


「あ~想一郎様! 想一郎様! 想一郎様ぁ~! ああ! なんて(かぐわ)しいのかしら……! この美味しそうな匂い……ジュルルッ……」

(それ、ゴブリンのバター……)


「ねぇねぇ~想一郎さまぁ~……子供何人作りますぅ~?」


 私は想一郎様の胸甲のバターを、指先で混ぜ混ぜすると、想一郎様は何か仰った。


(はぃ? な、何だ、こいつ……よっこいしょっと……)


 て、あらあらぁ~? 馬から下ろされてしまいましたわ~! はぁ……さっきの瞬間、永遠に続けばよかったのに……。すると麗しの想一郎様が何か仰って……。


(オンドレアお嬢様……。あまりにも醜い戦いでご乱心になって……)


「──おい! 護衛の騎士達! 申し訳ないがお嬢様を安全な場所へお連れしてくれ!」


『『『了解いたしました!』』』


「では私はこれにてっ! ──ハッ!」


 ──ダカダッダカダッダカダッダカダッ!


 あ、あ、ああ! 想一郎様が行ってしまう……! ああ……私はなんて無力なのかしら……もう、何も抗えない……!


(あ~あ。オンドレアお姉ちゃん……これはもうダメだ……)


 アリスちゃんが何か言っているけれど、もう私は“知恵熱”で倒れてしまいそう……。


『何処へお連れするか? お嬢様には早急に治療がお必要だ!』

『後方の司令部ではどうか? あそこなら、かの高名な“のじゃ婆”こと鳩羽鼠のナウスス様がおられる!』

『おお!』


『『『そうしよう!』』』


『お嬢様! 失礼いたします! ──ふんぬっ!』


『──では!』


『『『エッサ! ホイサ! エッサ! ホイサ!』』』


 ああ……頭上をまた、無数の光が通り過ぎて行く…………。


 ────────────ッッッッッッッッッッ!!!(ちゅどーん)



 ↓想一郎二世代・第一次荒廃街道の戦い

挿絵(By みてみん)


「お嬢様。子供は何人ご所望ですか?」

「それはもう沢山よ!」

「沢山? サッカーチーム作れるくらいですか? ふふふ」

「甘いわ! とにかくもう私の子孫で一個軍団作るのよ!」

「はぁ!? それはいくら何でも無理にございますっ!」



 一応これで十三回連続第一話終了です。

 戦術図に関しては稀にやっていこうと思てます。

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