カナヅチと海中
86話、完成しました
「それでどうやって潜って階段まで辿り着くのかを聞いてもいいかい?」
サエルは純粋な目でリクに疑問点を質問した
「え?どうやってって言われても普通に泳ぐしか方法が無いと思いますが...」
「あぁ泳ぐのは理解しているし、リク君を追い詰めたモンスターに関してはグリムが相手するとしても、他のモンスターに関してどうやって対処するのかを知りたくてね」
「それなら新しく使った付与魔術を使用して皆さんに付与すれば近づいた瞬間に雷の衝撃でほとんど死に絶えますからそれは問題無いです」
「なら問題なく階段に辿り着けそうだね」
「サエル、リクリクきちんと考えてる 心配ないない」
「えぇ リクが海中に入った際に他モンスターについて何も言わなかったのは驚異と感じなかったからよ」
「オマエらさっさと潜るぞ リクも付与するなら早くしてくれ」
「はいはい、《付与魔術 鳴神》」
海辺に辿り着くとリクは《鳴神》を全員に付与した そして各々潜り始めた
「リ、リク君... 実は相談があるんスけど... 」
「ん?何かありました?あ、鳴神に何か不具合でも?」
「いや、違うッス それはきちんと機能してるス...」
「え?じゃあ相談って?」
「じ、実は...」
「2人とも皆先に潜ってるから、遅れないように来てね リク、カリンの事よろしくね」
「えぇ分かりました?」
リクとカリンが会話をしている内に他の皆は海中に潜っており、カエデも2人のことを急かすと海中に潜っていった
「みんな行ったッスね」
「えぇ 俺達も行かないと...」
「それで相談なんスけど、もし私が泳げないとこの階層の攻略どうなるスか?」
・・・・・・・・・
二人の間に重苦しい空気が流れた
「ちょ、ちょっと待ってください 泳げないのは本当なんですか?」
「ッス プールの授業も泳げないから休んでるス」
「泳げないとなると攻略は...」
「やっぱり難しいスかね?」
「いや出来なくはないですが、泳げないカリンを気にしつつ潜っていくのは...まぁやるだけやってみますか」
リクは針千本を組み立てて、透明な檻を海上に創り上げた
「それとコレどうぞ」
「なんスかコレ?血液の球?」
「その中には空気が詰まっています どの位の距離か分からないので、自身の空気が足りなくなった場合はそれを噛んでください 少しだと思いますが空気を取り込めるはず...」
「血液の球スか 噛んだら血の味がしないスか... それに血が吹き出るんじゃないスか?」
「それについては大丈夫です 俺も噛んだけど、血が吹き出る事は無く口の中で血液は消滅しました ただ噛んだ瞬間は血の味がしますね」
「(結局血の味ッスか)まぁ血の味は我慢ッス でもこの檻モンスターに壊されないッスか? それに檻をどうやって引っ張るんス?」
「檻を引っ張るのは俺がやりますし、それに見た目より結構頑丈なのでそう簡単には壊されないと思います」
そう言うと、リクは針千本で針を無数に出現させ丈夫な紐へと創り変えた そして自身の身体と檻に紐を結び付け、簡単には解けないようにした
「紐を檻に締め付け、俺の身体にも締め付ければ多少動き出しに支障が出ますが何とかなるでしょう(まぁ針の棘棘が刺さって地味に持続ダメージ入ってるけど...)」
「じゃあさっさと出発するッス!」
針の檻に《付与魔術軽量》を施し重さをある程度軽くしてから、カリンは乗り込む そしてリクは紐をきちんと結んでいるかを再度確認し海中に潜った
「(もうカエデ達は半分まで進んでいるのか 軽くしたとはいえ、普通に潜っていると追いつくのには時間がかかるな それにカリンの息がどれくらい持つかも未知数だな 仕方ない《付与魔術 疾風》)」
リクは疾風で一気に速度を上げて、カエデに追い付いた
「(それにしてもサエル達はもう階段を通過...ん?グリムとクロバちゃんはなんで階段前で待機して)」
「(カエデ、アイツはなんで...)」
「(リ、リク!)っ、(もう追い付いたのね カリンは...なるほど、そういう感じで運ぶのね)」
「(それでアイツが居る理由って...)」
「(さぁ?まぁモンスターの警戒なんじゃない?アイツの事は考えても仕方ないわよ 何考えているのか分からない奴だし)」
「(あの二人普通に会話してないスか?)」
「((まさか階段付近は海中ではない?))」
カエデとリクそれにカリンは、目線とジェスチャーで会話をしつつグリム達の所に辿り着いた
しかし、海中が急に無くなりリクは地面にカリンは檻の床に激突し、カエデはギリギリで着地に成功した
「「いたっ!」」
「やっぱり空気があるのね だから普通に立って会話をしていたってことよね」
「さすがカエデ着地によく成功したね それにしても君の妹とリクは無様に激突したね」
「あ?テメェそんな挑発に乗るとでも...」
「(バリバリに乗りそうで怖いッスよ)リク君落ち着くッスよ とりあえず次の階層に行った方がいいッス」
「兄さん...戦うとしてもこの迷宮攻略後にしてくださいサエルさん達の方の士気に関わってきます」
「っ、そんな顔で言うなよな 迷宮攻略後でも戦いにくいじゃんかよ」
「私はいつもこんな顔です リクさん達も兄さんの言葉は全然無視して構いませんので階段を下りましょう」
「クロバさんがそう言うなら、《針千本》解除」
「やっと檻から出れたッス」
「リクさん、私にさん付けは不要ですので普通にクロバと呼んでください それに敬語も辞めていいです」
「わ、分かった クロバ俺もその方が助かる それと、グリム戦いに関しては迷宮攻略後にしよう この空気を迷宮攻略に持ち込みたくないからな」
「へぇ、前は僕に攻撃が届かなかったのに挑むんだ」
「(平常運転でコイツは煽るんだな 我慢我慢...)あぁ、その方が良いだろう あの戦いに関しては多少不満があるんでね(途中で止められたし)」
「迷宮攻略を無事で終えられればな それよりも来るぞ」
「分かってるっての!だがこの数は...」
リク達が軽く会話をしながら階段を下りようとした その時ほぼ全員の死角である背後から赤い触手が迫ってきた
「グリム!協力しろ!」
「僕に命令するんじゃないよリク!」
『武刃斬撃』
『暴風斬撃』
リクとグリムは同時に斬撃を放ち、ほとんどの触手をコチラに辿り着く前に切り刻んだ
だが、切り刻めなかった触手数本ががコチラに辿り着いていた
「「っ、」」
残った触手数本がカリンとクロバを捕え、海中に引きずり込んだ そしてそれを見て隙が出来たリクとグリムも先程より素早い触手にら捕えられ海中に引きずり込まれた
「嘘でしょ...(これは追い掛けた方がいいのかしら)いえ、サエル達に伝えるのを優先させた方がいいわね」
カエデは一部始終をサエル達に伝えるのを優先し、階段を下った
・・・・・・・・・
「(こんな触手、雪血で斬れば...)」
「(斬撃で切り刻めば問題ない)」
リクとグリムは各々の武器で斬ろうとした だが、攻撃をしようとした瞬間に触手が動き、海底に叩き付けられた
リクとグリムは叩き付けの衝撃で、そしてカリンとクロバは海中に引きずり込まれた事によって意識を失ってしまった
触手はリク達4人を捕え、目的の場所に連れて行くと徐々に溶けて消えていった
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