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BLACK HIGH SCHOOL  作者: 寿 絆
第一章
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6.X組の素性

琉が職員室から出て、自主勉強の為、図書室に向かっている途中、「あら、如月君じゃない。」と呼ぶ声がした。

琉が振り返ると真由が英語の教科書を持って笑顔で立っていた。「竹中さん…。あれ英語の自習?昨日も図書館に来ていたしさ…。」と、琉は聞いた。

真由は笑いながら「ああ、これ?もうすぐ、英語のテストでしょ?私英語苦手だし、赤点を取らない為にも、勉強しているのよ!」と言った。琉は感心した。第一この学校は名門校。頭がいい人の集まりだ。


そう、X組さえなければ。普通の名門校だな…。琉はふとX組の事を思い出した。


まだX組の事が何も分からない琉は真由に「ねぇ、X組の事、教えてくれない?昨日のメールとか、どんな奴等なのかとか…。」と頼んだ。


真由は驚きのあまり「えぇ、でもどうして?」と声を上げて聞き返した。琉は「俺さ転校したてでさ…。実はよく分からないんだよ。昨日の事とか嫌な事か思い出させちゃうかもしれないけどさ…。」と、申し訳なさそうに言った。

真由はニッコリと笑って「いいよ。昨日助けてくれたし、教えてあげる。でも私の知る範囲で良ければだけどね…。」と、言った。「ホントか!ありがとう。」と琉は感謝の言葉を述べた。真由が一息呼吸を履いてから真剣な顔つきになって話し出した。


「実はX組が出来た由来は、私も詳しくは知らないんだけども、噂だとX組の生徒は皆、賢くてA組の中でもトップクラスだったって。聞いた事があるわ。」琉は思い当たる節がいくつもあった。


あんな教師やPTAも呻らせるくらいなのだから、相当な頭脳は持っていて当たり前だと。そして、その中心的人物は恐らく…アイツだと思った。


「X組を仕切っているのが、師走帝。彼によって裁かれる人を決め、学校内なら、主に水無月環と文月翼が、容赦なく襲い掛かる。昨日の私のようにね…。更に、皐月楓は委員会をしていて、委員長と副委員長の動きを見張り、卯月桜も校内の教師を泣かすって噂があるわ。霜月茜は未来を予知する変な能力のせいで人々から恐れられ、生徒を退学に追い込んだ事もあるらしいわ。それとね、…これはあくまでも噂だけれども、校外なら、葉月架が有能なハッカーで、パソコンを乗っ取りしたり、長月遥は詐欺師で中年男をターゲットに夜な夜な泣かしたり、神無月雅は怪盗として金目の物を奪っている。その時に殴ってけがをさせたなんて事もあるみたいよ。皆、罪を犯しているのに、誰も手を出す事が出来ないの…。このまま私達は何も出来ずにただ時が来るまで待っているって訳。」琉は呆れて言葉も出なかった。


琉はあえて自分が『X組』だと分かっているのか気になって生徒数の事を聞いた。「生徒は全部で九人だけか?」自分を抜いた教室内にいた生徒数を言った。真由は「多分そうだと思うけど…。」と言った。真由はまだ琉がX組だと分かっていなかった。少しホッと安堵のため息が漏れた。

その時だった。「十一人いるぜ。」と、陽介の声がした。「お兄ちゃん。いつの間に来たのよ!!ビックリしたじゃん!」と、真由は立ち上がって大きな声で言った。陽介も琉がX組だとは知らないはずだ。


琉は「あと、二人もいるんすか?」と、陽介に尋ねた。陽介は「ああ。名は睦月皇と弥生尊だったかな。二人は腹違いの兄妹だ。そして、師走帝とは親戚でもある。」と、低い声で伝えた。

始めて聞く名前だ。『睦月皇と弥生尊』その帝と親戚同士…。厄介な敵だという確信しかなかった。


話しを聞いて琉は疑問を持った。


「えっ、でも、同じX組なんですよね?しかも一年の…。」と、陽介に聞いた。「睦月が留年したんだよ。まぁ、それがX組誕生の原因じゃないけどな。」と陽介は笑いながら言った。「先輩は、出来たきっかけとかご存じじゃないんですか?」と、琉は陽介に尋ねた。


陽介は腕を組みながら「さぁな。これは多分皆知らないと思うぜ?謎の多いクラスだしさ…。噂が噂で雲隠れしているって皆言っていたな…。でも、皇が建てたらしいのは聞いた事あるぜ?アイツ、何考えているか分からねぇ奴だったけど、それは噂になっていたな…。『睦月がX組を建てた張本人だ。』ってな。」と、目を細めて言った。


琉はX組を崩壊するには、本当のX組のボス『睦月皇』に出会い、彼を説得する他無いと確信し、崩壊への道を近づける。

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