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BLACK HIGH SCHOOL  作者: 寿 絆
第四章
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1.Xと言う名の贔屓

X組のボス・皇を殴ったせいで、翼と環に連れられて、琉は体育倉庫に閉じ込められた。


「開けろよ!おい!」琉がドアをバンバン叩く。あまりに激しく叩くので、琉の手から血がにじみ出て来た。

環が「全く呆れたぜ。おい、翼。血の気の多さじゃ、お前よりひでぇんじゃないか?」と、笑いながら翼に言った。「はぁ?俺は別に血の気は多くねぇよ。ただ、短気なだけだよ。」と、翼は馬鹿馬鹿しくて聞いていられなかった。

「とりあえず、ここから立ち去ろう。皇も呼んでいるだろうからな!」と、言って走り去った。

走り去っていく足音が聞こえてくる。足音に焦った琉は声を荒げた。

「おい!!開けろ!コラ!」だが、もう声は届かない。そればかりか声も涸れて来て、声が出にくくなっていた。


「チキショウ…。何とかしてテストを中止しなくちゃいけねぇのに…。」と、呟いた。

すると、「やーぱり、私が思ったとおり。熱血で頑固な男ね!」と、ドア越しから琉に話しかけているみたいな感じで話す女の声がした。

琉は驚いた。「誰だ!」琉は大声を出した。「アハハ、私よ?弥生尊!忘れちゃったの?」琉は皇の隣にいた妹だと確信した。「何のようだよ?」琉は苛立ちを隠せず、尊に言った。尊は脹れた。「やだわ。私は別に、貴方を嫌っていないじゃない!そもそも初対面だし、しかも、貴方はどちらかといえば私の好きなタイプよ!」急に色っぽくなる声に琉は呆れた。

「何馬鹿言っているんだよ?俺とお前が初対面だろうと、お前もどうせX組だろ?X組は悪い奴ばっかりだから…俺はお前の事嫌いだね!」声を荒げる。尊はしばらく黙った。

そして、「そういう考えしか出来ないの?」と、尊に言われた。琉は聞き捨てならない言葉だった。「あん?何が言いたい!」尊は長くは話さずに、また、具体的に話さず、謎を残したまま語った。

「普通に考えて、分かるでしょ?もしかして、分からないの?そんな事も…。分からないのなら、貴方は誰一人、救う事は不可能ね。」急に尊の言葉が冷たくさせる。

琉はその言葉に怒りを覚えた。「てめぇ、いい加減にしろよ!」と、ドアをバンと叩いた。尊は、クスリと笑って、「後に気付くわ…。如月琉君…。自分に味方が一人もいなくなった時、貴方は、X組に泣いて飛びつくでしょうね…。」琉は説得力のある尊の言い方に鳥肌が立った。

しかし、強気に見せて、「フン。そんな訳ねぇだろ、ばーか!」と、言い放った。

尊はもう既に、この場から立ち去っていた。「面白いわね…馬鹿げたって言いたいぐらいの見せものね…。彼は、百人の命を救う事が出来るのかしらね…。」と、笑いながら。


琉は自分で何度も言い聞かせた。「俺は負けない、絶対に守ってみせる。」と。

ただ、尊の言葉が引っ掛かり、考え込んでしまった。尊が去ってしばらくしてから、茜が助けに来てくれた。「全く貴方、何しているのよ?喧嘩なんて買っちゃって…。」しかし、琉らしい元気がなかった。「如月君?」琉はずっと黙ったままだった。茜は笑った。「何、まさかX組に捕まって落ち込んでいるの?だから少しは反省でもしているの?いつもの如月君らしくないね。いつも全力投球じゃない。でも、落ち込んでいられないよ?時間がないんだから…頑張ろう!何の罪もない人が百人も殺されるのだから…。」

琉は今まで気がつかなかった。茜の一言、一言が、自分をリラックスさせてくれる事に。そして冷静になれる事に。

尊はあんな酷い事を言い放ったけれども、自分をちゃんと見て、自分を応援してくれる人がちゃんといる事に。その想いに琉は泣きそうになった。

だが、心優しい茜に悟られる事を恐れ、泣くのをグッと我慢して、「当たり前だよ!とりあえず、タイムリミットは一週間後だ。まずはテストを中止にしてX組を止めるぞ。そして、全員少年院行きだ!」いつもの琉に戻ったので、ホッとしたのか茜はニコッと笑って、「勿論、私も協力するわよ!!如月君。」琉と茜は薄暗い体育倉庫の中で、改めてX組打破を誓った。

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