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BLACK HIGH SCHOOL  作者: 寿 絆
第三章
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8.信じる涙

日曜日の朝の出来事だった。

今日は学校も休みだという事で、久しぶりにX組の事を考えず、リラックスしていた琉の元に、一通のメールが届いた。送信者は陽介だった。

『今から話がある。B公園で会えるか?』とのメール文だった。

琉は、「話って…何だろう?」と、疑問を抱きながら、すぐにB公園に向かった。B公園には茜もいた。


「如月君!もしかしてメール見てきたの?先輩からだったけど…話って何かしら?」琉はベンチに腰掛けた。「さぁな…。何だろう…?」話したい事、何の事だが思い浮かばなかった。


しばらくすると、陽介と真由が来た。真由が「二人とも来てくれたのね!良かったわ!」と、うれしそうに話す。茜が「何かしら?先輩が話しあるって呼んだんでしょ?」と、腕組みながら言った。真由は「そうなのよ!ほら、お兄ちゃん!しっかり話してよね!」と、言って陽介に話をさせるようにした。「…何ですか?先輩…。」琉は気になって仕方がなかった。


もし、二度と真由と関わるなとか、近づくなとか、そんな親みたいに過保護っぽい事を言われたら…。琉は緊張のあまり胸がドキドキしてならなかった。陽介は、しばらく黙っていた。空を見上げたり、地面を見下げたり、なかなか本題に入らなかった。


そしてやっと、「…X組の事なんだけど…。」と、聞こえづらい小さな声で話し始めた。X組…やっぱりそう来たか、琉は瞳を瞑った。「あっいやまず…。お前達を騙して、陸を復学させてくれと頼んだことは謝る…。申し訳なかった…。」深々と謝罪した。琉と茜は静かにそれを見守った。そしてまた陽介は黙り出す。そんな事の繰り返しで、時間ばかりが過ぎていく。


しばらくの沈黙の後、陽介は一拍おいて、ゆっくりに丁寧に言葉を選んで話し出す。

「…お前達が、『笹倉ジュエリー』を守ったって言うのは、真由から聞いた…。真由は、お前達を完璧に凄く信頼している…。なのに、兄貴がこんなんじゃ、全く話にならねぇ…。俺は、陸の一件以来、X組だけじゃなく、必要以上に用心深くなっちまったんだな…。俺は、自分自身の弱いところを治さないと、許さないと思っているX組も倒せない…。」琉は、陽介の言葉、言葉に疑問を持った。「…先輩?」と、琉は陽介の顔色を見た。陽介は感情が込み上がって来て、目には涙が溢れていた。「だから!」と、陽介が抑え切れなくなった感情を踏み殺して大声で叫んだ。「俺も、お前等に協力したいんだ…。もしここに陸がいたとしたら、アイツは絶対にそうしているし、俺にそうしろって言うと思う…。今さら遅い…。って思うかも知れないけど…、俺も力になって、X組を打破したい…!」陽介は自分の思いを二人に伝えた。

二人は、黙ったまま話さない。真由はすかさず、「私からもお願いだわ!お願い、如月君、霜月さん!」と、二人に頼んだ。琉と茜は顔を見合わせて、コクリと頷いた。茜が「…このまま言わないのかと思いましたよ…。でも安心しました、先輩の気持ちが、しっかりと伝わりましたからね!」と、笑いながら言った。陽介は、「えっ、じゃあ…。仲間にしてくれるのか?いいのか?俺はお前達に酷い事をしたんだぞ?」と、尋ねた。琉は「はい。大歓迎です!実際に俺等が止めたのは一つの盗みだけですから…。まだまだ、策を練り直し、X組を打破しないといけませんからね!」陽介は、「おお、そうか!!俺も協力するぜ!」と、言った。琉が「ようし!!打倒Xだ!行くぞ!」と、琉の声に続き「おおー!」と、公園中に声が響き渡った。


X組を一日でも早く亡くす為に、破滅する為に、ついに琉達は本格的に始動する。しかし、まだ魔の手がいくつも忍び寄っていた事に、彼等は全く気付いていなかった。

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