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BLACK HIGH SCHOOL  作者: 寿 絆
第三章
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7.兄妹の説得

真由は、琉と茜と別れ、帰宅すると、母親が心配そうに真由に近寄った。

「真由、ずいぶん遅かったわね。こんな時間まで何していたのよ?心配したのよ!」時刻は既に十時を回っていた。

真由は、「ごめんなさい。遅くなりすぎちゃった。」と、母親に心配を掛けまいと笑顔を見せた。真由は、「ねぇ、お兄ちゃんは?どこなの?」と、母親に問い掛けた。

母親は、ため息をついて、「陽介なら、自分の部屋にいるわよ。最近、あの子おかしくなっちゃったのかしら…?部活も休んだりして、ろくに勉強もしなくなったし…。」真由は、母親に「仕方ないよ。まだ、遠藤先輩が死んで、二ヶ月しか経っていないもん!私にも、優しくしてくれていたし、何より二人は大親友だったから…。」と、真由が寂しそうに言う。

母親は、時計を見た。「あら、もうこんな時間だわ!真由、アンタのご飯食べていないんでしょ?そこに置いてあるから…。母さん、これから夜勤に行かなくちゃならなくて…。」真由は、「また夜勤?大変だね。」と、言った。

陽介と真由の母親は、看護士。父親は今、イギリスに出張中の為、夜は、兄妹二人きりになる事が多い。「ええ、じゃあ、行って来るわね!早く寝るのよ!」母親は、慌ただしそうに家を出る仕度をした。「うん。行ってらっしゃい!」真由は明るく送る。母親は二階にいるであろう陽介に「陽介!母さん行ってくるね!」と、声を掛けたが、陽介は何の返事もしなかった。


母親が仕事に向かい、食事を摂っていた真由はついに呆れて、陽介の部屋に入った。真由の顔には、「いい加減にしたら?」の文字が書かれている。そんな気がした。「お兄ちゃんらしくないよ!確かに、遠藤先輩の事で恨んでいるかも知れないけどね…、如月君も霜月さんもホントに凄く頭が良くて優しくていい人達よ!そろそろ信じてあげてよ!」真由は、兄にそう言った。しかし、陽介は聞く耳を持たない。「X組を信じれだと!…馬鹿を言うな!信じられないよ!陸の時だってそうじゃないか!安心させておいて、いずれ裏切る…。X組の考える事は姑息で汚いんだ!」陽介は、自分の意見を貫き通した。

呆れた真由は、「まだそんな事言っているの?あの二人は、大丈夫よ!なんたって、あのイーグルを撃破したからね!」陽介は耳を疑った。「イーグル?葉月架の事か?」と、真由に聞いた。真由は飛び跳ねた。「そうよ!如月君、パソコンが出来るみたいでさ…。超かっこよかったんだから!」しかし、用心深い陽介はまだ信じきれていない。「でも、アイツ等は、X組…。しかも、霜月茜は陸を学校から追い出した張本人じゃないか!」真由の肩を揺さぶりながら言った。「…確かに、私も最初は信じきれていなかったけど、彼女も味方だよ!お兄ちゃん、信用しようよ!」陽介は、黙りこくってしまった。

真由は「じゃないと…、母さん、凄く心配しているよ。母さんだけじゃないよ…。天国で、遠藤先輩も心配しているよ、きっと。ねえ、いつものお兄ちゃんになろうよ?」と、真由は優しく声をかけた。陽介は、窓の方を向いて、「しばらく一人になって考える。」と、言って真由を追い出した。部屋を出た後、「本当なんだからね…。お兄ちゃん。」と、真由は小声でボソッと呟いた。

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