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BLACK HIGH SCHOOL  作者: 寿 絆
第三章
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1.目覚めない魂

陽介の依頼で、琉と茜は陽介の親友・陸を学校に来させる為に陸の家に向かった。

陸が学校に来てくれたら、陽介がX組を倒す為に、琉達の力になると約束したから、琉達はそれを信じていた。田山から陸の住所を尋ねた。教師達も陸の学校復帰は別に反対しなかった。それはおろか、陸はどうやら優等生らしく、心の底から望んでいた。


二人は陸の家に辿り着いた。

家は何か物々しい雰囲気で、とても静かだった。誰も住んでいないような、そんな気配がした。

琉がインターフォンを恐る恐る鳴らした。「はい、遠藤ですけど…。」出たのは母親らしい女性の声だった。

琉は「初めまして、黒光高等学校に通っている如月と言います。実は遠藤陸君を、再び学校に登校させたいと思いまして今回お伺いに来ました!彼をもう一度、登校させてあげたいと思っています。なので、お母さん。息子さんに逢わせて少し話をさせて下さい!」だが、母親は何も言わない。茜も「息子さんにもう一度、登校させる機会が出来たんです!勿論、これはX組の命令なんかじゃありませんよ!お母さん、信じて下さい!」と、強く言った。だが、反応がいまいちよくなかった。

程なくして母親が、玄関の扉を少し開いて、「…フフフ、ありがとうね。貴方達は、可愛い天使さんなのかしら…。でも天使さん…来るのが少し遅かったみたいね?」と、涙を堪えながらに言った。「遅い?遅くないですよ!まだ二年でしょう?今からでも間に合います!」と、琉が声を張って言う。母親がつい強い口調になって、「だから、遅いのよ!もう、陸は…。」と、言いかけたところで止まった。

茜が「もう…?」と、聞き返した。琉も茜も嫌な予感しかしなかった。母親が大粒の涙を零しながら、「遅いのよ…。もう、息子は死んだのよ…。二ヶ月も前に…。」と、辛そうに言った。琉は震えが止まらなかった。「何で…どうしてですか?」琉は訳が知りたかった。しかし、母親は、「止めて!もう聞かないで!陸の事はあの日をもって、全て忘れる事にしたのよ!貴方達の親切にはお礼を言うけれど、いらない親切なの!すみません、帰って下さい…。早く帰って下さい!」そう言うと、母親は扉を強く閉めた。バンと大きな音だけが響き渡る。


琉は、「あっ、ちょっと…!」と、呼び止めたが、茜に止められた。「止めなさい…。如月君…。人が悲しんでいるのにむやみに聞くのは間違っているわ…。」琉は茜の目を見た。茜は泣きそうな目をしていた。「お前…、涙目になっているぞ?大丈夫か?」琉は茜に問い掛けた。茜はその場にしゃがみ込んだ。「だってさ…。彼を退学に追い込んだのは、この私よ?もしかしたら私が殺したのかも知れないわ…。もしも、そうだったらどうしよう…。私、何てお詫びしたらいいんだろう…。分かんないわ…。」と、か細い声で言った。琉は茜の肩を持ち、「大丈夫だよ!絶対に、そんな訳あるか!お前は関係ないよ、絶対に。」と、茜に言った。しかし茜はまだ安心していないようだった。琉は「とにかく、先輩に訳を聞こう。二ヶ月も前に亡くなっている人を学校に復帰させるなんて無理がある!全知全能の神が存在しない限り不可能だ!先輩はどういう意図で、こんな馬鹿な事を…。」と、言っていた時だった。「お兄ちゃんに言ったって、何も話してはくれないわよ!如月君!」その声に二人が振り返った。そこには真由がいた。「竹中さん…。どうしたの?」琉が真由に近寄った。真由は茜を見た。茜はまだ涙目になっている。

真由はため息をついて「…、如月君、ごめんなさいね…。きっとお兄ちゃんは貴方達に協力する気なんて全くないわ!ただお兄ちゃんは、教えたかっただけだと思うのよ…。」と、呟いた。琉は「教えたかった?何を?」と、聞き出そうとした。


真由はまた茜を見た。茜に近づいて、「霜月さんも聞いてくれる?」と、茜に聞いた。茜はコクリとうなずいた。「だったら話が早いわ!私は遠藤先輩の死因も知っているし…。私に分かる範囲で教えるわ。お兄ちゃんの考えを…。」と、言って、真由が陽介の真意を話し出す。

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