5.裏切りの怒り
茜が裏切った夜、帝は慌てて古ぼけたビルに行った。男と女はのんびり紅茶を飲んでいた。ノックもせずに部屋に入った帝に男は注意した。帝らしくない、荒々しい呼吸をしていた。「何だい?帝…。そんなに、慌ててさ…。君らしくないよ…。昨日来たばっかりじゃないか…。それとも、他に何か用があるのかい?」と、帝に聞いた。男は帝の様子が変な事を察していた。
帝は荒れた呼吸を整えながら、「すみません、X組に裏切り者が出ました。名は、霜月茜…。奴には、前々から我々が目をつけていたんですが、まんまと裏切られてしまいました…。」と、男と女に伝えた。女は「まぁ、X組あろうものがそんな事が…。」と、驚いていた。男の方は、しばらく黙ったまま、やがて口調を変え、ただ一言、「茜を殺せ!」と、言って奥の部屋に入って行こうとした。
すると、男の足が止まった。そして、今度は陽気な声で、「いや、やっぱりこうしよう。転校してきた如月某君だっけ?彼に殺させよう…。」帝は、驚いた。「何を仰っているんですか?奴はX組を嫌う男…。僕等の言うとおりになんて動く訳ないでしょう?」その様子を見ていた男は、クスリと笑った。「だからこそ、彼に殺めさせるんだ。殺させないと言うなら、君が死ねとね…。どう?二人とも、X組のお邪魔虫だし…もういいんじゃない?最悪殺せなく、彼が自決したって、僕は、茜の裏切りを許す事はない…。つまり、彼が自決した直後、君達で茜も殺すといい…。素晴らしい作戦じゃないか…。」女は、手を叩いて喜んだ。「まぁ、こわーい。」帝も、震えが止まらない。だが、この震えは、恐怖心という物ではない。これから起こる惨劇を楽しみにしているような好奇心みたいな感情だ。
全てを理解した帝は「フッ…。流石、貴方は天才です。」と、男を褒めた。男は「だろう?如月某君…彼の能力は今、捜査中なんだ。しかし、気をつけたほうがいいよ。僕の勘じゃ…彼は厄介者だ…。だから、危険な芽はもう殺しておこう…。彼を見ている限りまだ目覚めていない。もしも目覚めたら、色々と厄介だからね…。」帝は、「はい。」と、言った。
すると突然女が急に立ち上がり、「帝!忘れる所だったわ。これ、次の仕事よ!」と、言って帝に渡した。帝は紙に目を通した。「『笹倉ジュエリー』の三十カラットのダイヤモンド!」と、帝が言った。男は笑いながら、「そう、今月はそれを盗んでもらう!」と、言った。帝は戸惑いを隠せなかった。男に「待ってください!いくら、雅も、セキュリティー万全なこの宝石を一人で…。」と、言いかけた時、男は帝の肩を持った。「安心しろ!忘れたか?君の所のハッカーを使えばいい!全てを開けて、雅が盗る…。最高だろう?」と、言った。帝は驚いた。「架を使うんですか?」男は、窓を眺めた。「これは、賭け…。X組の邪魔者を排除した上で、盗みに入ろう…。なんなら、遥も見張りとして、連れて行け!あの三人は、外の問題児だからな。」と、男は豪快に笑った。
そして、「僕等が学校に行く日は、まだまだだな…。帝に任せて本当に正解だったよ。X組は、当分帝に任せるよ…。まあ奴が、目覚めるまでね…。」と、言って奥の部屋に入って行った。帝も「はい、お任せ下さい。」と、言って部屋から出て行った。




