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BLACK HIGH SCHOOL  作者: 寿 絆
第二章
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1.闇雲の世界

琉が、X組の教室を片づけず、帰ったその夜。

帝は、築百年以上経ちそうなビルの最上階に訪れた。

エレベーターも無く、自力で階段を上がるしかないビル。ビルは五階建てだった。ビル全体に不気味なオーラを放っている。そこに大きなドアがたった一つだけあった。


帝は、ドアをノックして部屋に入った。ビルとは全然予想もつかないくらいの大きな部屋で、その部屋の雰囲気は真っ暗な王室みたいで、全てがほぼ黒で統一されていて、所々に小さく光るライトが魅力的だった。そしてそこにいたのは黒いスーツを着ている若い男と、黒いドレスを着飾った女だった。二人とも容姿は美しく、異様なオーラを放ち、凛としていた。帝が二人に近づき、まるで、王をお守りする兵家のような格好をした。若い男は帝に近づき、「…珍しいじゃないか、君がここへ足を運ぶなんて…。いつもは手紙で金を配布しているのに…。今夜は雨でも降るのではないかな…。」と、冗談交じりに帝に言った。


男は「君からの手紙じゃ、実にX組は巧く行っているらしいじゃないか。革命クラスは、日々進歩している…。私は実にうれしいよ…。」と、言っている横で、女がクスクス不気味な笑みを浮かべていた。すると突然男は急に目つきを変えて、「君がここへ来たって事は、用件があるんだろう?何だい?」と、帝に近づきながら言った。帝は「…言うのが少し遅くなりました。それは申し訳なく思っています。実はX組に転校生が来ました。」と、淡々と伝えた。女はニコッとして「男?女?」と、聞いた。帝は「男です。名は如月琉。X組の行動に異常なくらいに反感を持っています。味方として取り込むのは、ほぼ不可能だと感じています。」と、説明した。


それを聞いた男が立ち上がり、「ハハハ…。」と、大きく笑った。「そうか、転校生か…。でも、安心しな…。帝、転校生が来たからって、我々X組の勢力が衰える事はなかった。私がバックについている。大船に乗った気持ちで、彼も時期、どちらが真の正義が分かるだろう…。いつもどおり、彼だけに処罰を与え続ければ、いずれ諦める。この醜い学校を裏切る事になる!そして、彼は、裏切ったユダとして、皆からの批判を浴びる始末なんだ。」


それを聞いた帝は、「…そうですね。」と、答えた。男は「ところで、盗難、詐欺等…。巧く行っているか?」帝は、「その点に関しては、問題なく…。これが今月分です。」と並みのサラリーマンでは稼げないくらいの量の札束を持ってきた。

「わぁ、すごい。百はあるんじゃないの?」と、女が無邪気に言った。帝は「そんな、百も無いですよ…。八十くらいかな?」と、笑いながら言った。男は手を叩いた。「素晴らしい。やっぱり君に指揮を任せて正解なようだ…。」と、帝を褒め称えた。「僕は、特に何もしていません。X組の生徒が皆、協力し合っている。いい仲間なんですよ。」と、照れながら言った。


男は、再びイスに腰掛け、「まぁいい。大きく変わった事は転校生が来たことぐらいか?」と、再度、帝に確認を取った。「ええ、今のところは…。」と、帝も言った。男は「念にも入れて、一応私が調べてみよう。如月琉だね、何か分かったらすぐ教えるから…。わざわざ、来てくれてすまないね。今日はありがとう。」と、言いながら女の頭を撫でた。


帝はペコリと一礼した。「いえ、これが僕の任務…。貴方達が幸せに暮らせる事が、僕の生きる勤めなんですから…。」と、言って大きなビルから去って行った。

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