6 移動
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「ねぇ降りても良いかな?」
ノアが上から声をかけて来た。
「ダメだノア。そこに座ってろ。テラが遠隔操作する条件の一つが『操縦者がいること』だっただろ?」
グラントが注意する
「だって全部テラがやってくれるから座ってるだけなんだもん…」
「モニターは別に使えるんだろ?じゃあそこで勉強でもしてろ!」
グラントに軽くいなされた。
「そうだ!このカーゴに愛称つけません?」
こちらの返事も待たずにノアは話を続けた。
「例えば、『レッド』!」
エイド
「犬じゃない。」
「『クリムゾン』!」
リナ
「格好つけすぎ。」
「『フェニックス』!」
グラント
「長い。しかも燃えそうでダメだ」
「じゃあ……『カー君』!」
三人
「「「却下。」」」
「サポート・ユーティリティ・カーゴの略でじゃあ『スーク』は!」
エイド
「略しただけじゃないか。それに呼びにくい!」
ノア
「愛称ってそういうもんでしょ!」
リナ
「……カーゴの方が呼びやすいわね。」
グラント
「カーゴ。」
ノア
「……確かにカーゴの方が呼びやすいか。」
結果全会一致で愛称は正式にカーゴとなった。
「そうだ、テラ様に聞きたいことがあったんだけど……」
僕はテラ様に質問していいかの確認を取る。
『どうしました?エイド』
「今さらなんですが、何でこのカーゴ真っ赤だったんですか?」
『…………』テラは珍しく一瞬黙っていた。
……
……私はテラ……
今、エイドリアンから
『なぜこのカーゴは真っ赤?』との質問があった……
理由は明確だ、群発地震の中、地下施設に調査隊を送り込む……
万が一大規模地震発生により坑道が崩れる事態も考えられる。
その際、通常運用しているカーゴのグレーを基調としたアーバンカモ仕様もしくはモスグリーンを基調とした迷彩柄……
これは、一刻を争う救助活動の妨げにしかならない。
『救助活動時の視認性確保の為の赤色』
教えた場合、エイド班の指揮が著しく低下する可能性がある。
これは無視できない……
情報を与えるのは得策ではないと判断する…………
……
『エイド、それはあなた方の士気を高める効果が期待できるからです。』
テラは少しの沈黙の後、話し始めた。
『赤はその視認性の良さから外部活動の際の心の拠り所と成り得ます。
また、このチームに一体感をもたらす大事なキーになることを期待し、赤を選択しました。』
饒舌に語るテラは珍しい……
しかし、なぜか僕は少し違和感を感じていた。
「さすが!
テラ!わかってる〜!!」
ノアの元気な声で場の空気は和んでいた。
『まもなく、目的地に着きます。
今のうちに食事を取ることを勧めます。』
何となくテラ様はこの話題を切りたがっているように感じた……
僕はそれ以上考えることをやめた。
今、考え続けても答えは出ない。
なら、やるべきことをするまでだ。
「リナ!レーションと水を配る、手伝ってくれ」
ガラス越しに大きな建物が見えてきていた。
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