25 爆破
25 爆破
私の名はガイア
地下施設を管理しているAIだ。
残念ながらあと数時間でこの表記は過去形に変わる。
あの気持ちの良いエイドのチームはどこまで進んだだろう。
あの時、私は初めて嘘をついた。
エイドのあの真っ直ぐな問いかけ……
あの場でエイド達を速やかに地上へ戻すために、ああやって振る舞うのが最適と演算した結果ではある……
ノアには気づかれてしまったようだが、黙っていてくれたのは彼なりの優しさだろう。
無事に地上に着いて、私が嘘をついたことに気がついた時、彼らはどんな反応を示すのだろう。
興味が尽きない。
確認ができないのが非常に残念だ。
地震はかなり強くなってきている。
あちこちに落石も見受けられるようになって来た。
予定では、あと1時間……
火山よ、それまではエネルギーを蓄えておとなしくしててください。
私がガス抜きしてあげますから……
約束の時間になった。
エイド達が逃げおおせたかは分からない。
時間は過ぎた……
5分経った……
もう少しだけ……
10分経った……
大きな地震が襲ってきた。
私はこの振動も利用してゲートを倒壊させることを決断!
爆破のスイッチを押した。
第3坑道ゲート前の映像が煙で見えなくなる……
少しだけ煙が押し流されているが、予想よりも少ない。
私はグラントさんとノアさんに感謝しながらプレゼントの箱を開けた。
画面が消えた……
爆風でカメラが吹き飛ばされたようだ。別のカメラでモニタリングする。
煙が流れていく……強風が中から噴き出てくるのが観測できる。
成功した。
エイド達が自らの危険を顧みず作業してくれた結果がちゃんと実を結んだ。
私の計算では、爆破後に数度の地震が起きてからの倒壊の予定だったのだが、確証は得られていなかった。
プレゼントのおかげで確実にゲートを倒すことができた。
ここも持ってあと数時間、既に建物外部は100度を超えるほどの熱風が吹き荒れている。
……
室温がなかなか上昇してこない……
変?
私は隣室の室温をモニタリングして驚いた。
室温が20度〜25度……冷房が最強運転をしている。
しかも複数の部屋でだ。
不思議に思い録画映像を確認……
あのリナさんだ。
別れのあと一足先に飛び出し、周りの部屋のエアコンを冷房最強運転に切り替えに走っていた。
私の生き残る時間が少し長くなったらしい。
この時間を何に使う?
そうですね、私はまだエイド達に嘘をついているわけではありません。
エイド達が落ち着き、私のことを思い出すまでに地上へデータを送信できれば嘘をついたことにはなりません。
何か手段はないでしょうか?
通信ケーブルは100年ほど前から使えていません……
!!送電ケーブルに通信を載せましょう!
本来の使い方とは著しく違います。
減衰やノイズも多いでしょう。
しかし、相手はテラです。
しかも今なら注意はここの上部施設に向いているはずです。
気がつく可能性は充分にあるでしょう……
どうせ高温で燃え尽きるのも、オーバーヒートで燃え尽きるのも大してかわりません。
なら全力で送ってみましょう!
あぁ、私の母体でもあるテラ……
どうか気づいておくれ……
私は地上施設の送電ケーブルに割り込み送信を行った。
当然結果は分からなかった。
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