↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
招待状―ガイアを求めて―  作者: 川口のミネ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/27

14 休眠

14 休眠

 僕たちは扉を開ける前に仮眠を取ることにした。

 レーションを口に入れ強引に水で流し込むように食事をし、何とか簡易クッションを敷いて毛布で体を覆い……

 誰も寝袋までは用意できなかった……

 ライトを1台だけ省エネモードに切り替え光量を落として目を閉じた………

 ……

 アラームが鳴っている。

 3時間か……とりあえずぼーっとしたまま体を起こす。

 リナと目が合った。

 疲労感は拭えないもののずいぶんとマシにはなった。

 グラントがゆっくりと起き上がる。

 1番重い荷物を持っていたのに、大したやつだ。

 ノアは……

 予想に反して既に寝床の撤収を済ませていた。

「まだ疲労は抜けないだろうけど、先に進もうか…」

 僕は背負子のライトを点け強制的に覚醒を促した。

 薄暗かった世界に色が戻った。

 背負子は置いたまま僕は扉を開けた。

 僅かな抵抗で扉はスムーズに開いていく。

 扉の向こうは前室だったのだろうか?

 何もない部屋……

 そして正面に扉……

 2つ目の扉を開けると、外は広い洞窟内へと出た。

 少し横を見ると大きなシャッターが設置されている。

 斜行エレベーターの下層の入口だろう。

 するとここは操作室もしくは控え室?

「まずは背負子を運び込もう、荷解きをして、この部屋を一次拠点とする。」

 空の背負子ができた時点で僕とグラントで探査を始めることとした。

 リナとノアはやはり疲労の色が濃くのこっていた。

 背負子の荷解きと拠点作りという名の休憩をとってもらうことにした。

 ……

 洞窟内へ出ると周囲を見渡せるように照明を広角へと変更した。

 歩きながら地上でのマップを思い返す……

 今、正面に見えている2階建てが本部だった建物だ。

 この一階の一番奥に独立型AI『ガイア』が鎮座しているはずだ。

 ガイアの端末にこの腕時計型端末を差し込めば、後はテラとガイアがデータをカーゴまで送信してくれて、カーゴを持ち帰れば任務はほぼ終了となる。

 心配なのはテラとの通信環境だが、地上から地底湖まで降る坂道の途中までは確実に繋がっていた。

 が、今は呼びかけてもテラの反応はない……

 少し……

 いや、かなり心細いがやることはわかっている。

 なら今は進むことを考えろ。

 本部正面入口は施錠されていた。

 グラントに壊すか聞かれたが、まずは一周して入れるところがないかを探してみることにした。

 裏は岩壁に接していたが、その手前に扉がある。

「構造的に機械室か変電室辺りだな。」

 グラントが力強く開けると素直に扉は開いてくれた。

 下層に入ってからは施錠されている扉以外は普通に開閉出来る。

 これはありがたかった。

「グラント、なんだかわかるか?」

中を覗き込んでいたグラントが無言で壁に描かれた図を見ている。

「エイド、非常電源が使えるか試してみたいんだが、少しここで時間を使って良いか?」

 グラントが自信なさそうな顔をしている。

「上手くいけばこの建物の照明ぐらいは点くと思うんだけど……

 なにせ古いからな……

 やってみないと動くかわからん」

「グラント、それはひとまず後回しだ。

 まずはガイアへたどり着くことを優先しよう。」

 この部屋の奥の方が1段上がっていて、扉が見える。

 真っ暗な通路へ出た。

 自分たちの記憶を再確認する。

「あの角を右に曲がればガイアのいる部屋だよね」

「あぁ、多分左にいけば正面玄関なはずだ。」

 曲がり角で左を見ると大きな扉が見えた。

 玄関で間違いないだろう。

 反対のこっちは……

「グラント、行こうか……」

 鼓動が速くなっている。

 まるで追い求めた財宝でもそこにあるような高まりを感じている。

 扉は何の変哲もない普通の扉だ。

 鍵はかかってない……扉を引き開ける。

 ウゥゥゥゥゥーン

 低い振動音が聞こえる。

 生暖かく乾燥した空気……

 あぁ……たまに出会う生きている施設の証!

 そして何も映っていない巨大なモニターが目の前に現れた。

 薄っすらモニターが明るくなった。

 しかし、何も表示はされない。


『…私……の名は…『ガイ…ア』あな……た…は誰?』

『ガイア…いい名前だ。

 僕はエイドリアン・フォスター。

 エイドって呼んでくれ』

 ガイアからの返事はなかった……

 僕たちは坑道をたどり、やっとのことでここまでたどり着いた。

 僕たちの任務は折り返し地点に差し掛かった。

 後はこの腕時計型端末をガイアへ繋げば自動でテラまでデータを送ってくれるはずだ。

 僕は、腕時計を外すと端末へと繋げた…………

 ………

 …………

 何も反応していない。

 モニターも音声案内も何も無い。

「ガイア

 読み取れてる?」

 ……

 モニターに小さく『Error』と表示が点滅した。

 僕の腕時計……まさか壊れたのか?

「グラント、そっちので試してみてくれ」 

 僕は端末から外し時計の機能をいくつか確認する。

 正常に動いている……

「こっちもダメっぽいな……」

 消えていた『Error』表示が再び点滅を繰り返した。

「ダメだ……1度ノアに見てもらったほうがいいな」

 グラントは呟くと時計型端末を取り外し、何も確認することなく腕に付けた。

「グラント?」

 僕は普段のグラントと違う空気を感じて声を掛ける。

「あぁ、得意不得意は有るからな、この件は俺が時間を取るよりノアに任せたほうが早いし正確だ。」

 僕たちは一旦ガイアに背を向けた。

 ……

 拠点……と言っても綺麗に整頓されただけの部屋ではあるが、整然と整理されているのは見ていて心地よい。

「エイド、ここのトイレ使えそうですよ!」

 ノアが明るく報告してくれた。

 が、明らかにこちらの報告が知りたくて仕方ない顔だ。

「ガイアを見つけた……」

 二人の顔が少し変わった。

「じゃあ後は帰りですか?」

 リナは帰れることが嬉しいのだろう明るくなっている。

「残念だがガイアに何らかのトラブルが発生している可能性がある。

 2人とも知恵を貸してほしい。」

「エイド、いいか?

 俺はちょっと発電施設をチェックしたいんだが……」

 グラントは言いながら工具の選択を始めている。

「そうだな、別れようか……人手はいるか?」

「いや、まずはひとりで良いかな、何かあれば近いし声かけるよ」

 僕たちは準備をすると再度ガイアの前に戻ることとした。

「グラント、何かあれば直ぐに声をかけてくれよ」

「わかってる。

 何とかしてみせるさ」

 ……

「ノア、何が原因かわかるか?」

 ノアとリナの腕時計型端末もError表示を繰り返すだけだった。

「少し探っていいですか?」

 ノアはキーボードを引っ張り出した。

 カタカタカカカタ……

 タッチの音が加速していく……

 モニターに表示が流れていく……

 ……

 突然部屋の灯りが明滅し照明が点いた。

「「「えっ?!」」」

 一瞬みんな、天井を見あげた。

 ほどなくして、グラントが戻ってきた。

「何とか終わったけど…… 

 こっちはどうだ?」

 ノアの表情が暗くモニターを見つめている……

 手は既に止まっている。

「ダメだ……」

 ノアの小さな声が聞こえた。

 モニターには

『セーフモード 原因:電力微弱』と表示されている。

「なっっっ、非常電源回してもダメなのか?

 照明が回復したから行けるかと思ったんだが……」

 グラントは『ガイア』の故障原因か電力不足たと予想していたみたいだ。

「『ガイア』の電源は地熱発電のみかもしれません……準備中に見た資料にそのような記述を見ました。」

 地熱発電施設の復旧……

 僕たちは次なる課題の大きさに頭を抱えた。

 静かに回るファンの音だけが響いていた。

 


   

お読みいただきありがとうございます

★やリアクションの方もよろしくお願いいたします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。