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灰と魔法の荒廃戦  作者: 山田浩輔
第一局
99/100

第99話 配置戦

 デルタの戦闘地帯から少し離れた地点にてベッツが塹壕を走っていたその時、[注視]で見えた土嚢の裏から漏れ出る[魂迫]をみてリンクを見つけると即座に[刃鎖]を放つ。

 「おっと....!?」

 リンクはその攻撃を即座に避けるものの腕に命中し腕の肉がわずかに剥げ、出血する。しかし迎撃として[空榴弾]を生成しベッツに投げる。


 ベッツはそれを見て即座に後方へ跳ぶ。[空榴弾]の爆風で吹き飛ばされるも、致命傷はなんとか回避する。


 

 まずいですね...三級者の動きじゃない....おそらくは二球以上....! 隠れていたため純粋な戦闘力は低いと踏んでいましたがそうじゃない....!ラグーンさんがどれくらいのエウレカを抑えるかが勝負———......




 そう思考すらベッツであるが、背後をチラリと確認したその時、炎の海を背景にして兵士達を倒すエウレカを見てベッツは困惑する。


 な....!? 失敗したのか....!?いや考えましょう.....今直接走っているということはおそらく炎により影がないから周りの兵士を倒す必要があった....むしろ今やるしかないです....!





 *****


 リンクは[空榴弾]を生成しながら地面に放り捨て距離を取ろうとしていた。


 ベッツはこっちの居場所を見抜いたんだ。土煙を探さなかったということは爆発が自分のダメージを喰らうと読んでいるんだ。そうなると接近戦を強要してくる可能性が高い。その戦いに応じる気はない。塹壕を通るのを確認したらその瞬間に塹壕全体を爆破すればいい。塹壕から出て外から攻撃する可能性はあるが登っている間に時間は稼げる。


 さらに言えばこちらは塹壕内の土嚢で射撃で応戦できるが地上は遮蔽物はないため銃撃戦になってもこっちが有利....時間を稼げばエウレカさんが合流できる...!最悪ベッツの接近を許しても自爆で相打ちを狙うんだ! さあ、どっちから来る...!




 

 後方を見たままリンクは走るがその時、意識、いや、命が刈り取られる。





 「……..ッ....?」

 

 それは数発の銃声であった。

 


 リンクはその瞬間に地面に倒れ伏した。

 硝煙が上がったのはリノアの拳銃であった。

 「やっと間に合ったんだが.....被害が多い....こちらチーム21、デルタ国に到着、これから援護を開始する」

 

 リノアは無線を使いそう口にした。

 それはアルファ国とデルタ国を繋ぐ駐屯地に待機してた援軍であった。








 〜司令部〜


 「ようやくきたようですね。兵士の命は役に立ったのでしょうか.....」

 オスカーはそう呟いた。



 オスカーは敵戦力が見えないことから戦いが始まった時点から援軍の要請をしていた。この人数が防御には完璧な編成ではないことはわかっていた。しかし敵能力が完全にはわからない上に動きが不明なうちは下手に駒を動かせない。そのためいくつかの駐屯地に分散をさせることでどの地点からも防御のための援護ができるように配置していたのだ。



 だからこそデルタにいたのは戦闘力ではなく、対応力の高い編成で組んでいたのだ。時間稼ぎが主目的に過ぎないのだから。


 車両はないためエウレカ達に逃げる手段などない、このまま包囲し、叩き潰すのだ。









 「デルタでまだ戦闘をしている! 援護を!」

 ベッツはそう言うと兵士たちは次々とデルタへと走る。



 




 一方で戦闘地帯ではディアやメロは二級者達に苦戦していた。ディアの射撃はガーランドには当たらず避けられる。


 それを見たディアは先ほど通用した紙吹雪を使おうとカードを手に取ろうとポーチに手を伸ばすが、次の瞬間、ガーランドはディアの腕を撃ち、[強膜]で防御していたものの衝撃でカードを落としてしまう。

 

 「見た、それはもう」

 ガーランドはそのままディアに引き金を引こうとするが、次の瞬間、ディアの目がわずかにだが大きく開くのを見てガーランドはその視線を追う。


 その瞬間、ディアが最初に投げた時のカードが目の前に来ていることに気づき、ガーランドはそれを避ける。


 「なん....だと....?」


 ガーランドは驚愕した。そう、カード投げたであろう人間はそこに立っていた。それは先ほど撃たれたはずのラグーンであった。


 

 ラグーンは次の瞬間、煙幕弾を地面に叩きつけるようにして煙を出し、ガーランドの視界は煙に飲まれる。


 ラグーンは即座にガーランドに向けて銃を撃つがそれを避ける。しかしディアはその隙を逃さず突っ込み、ディアは自分が持つ銃身でガーランドの手を殴りつけ、その衝撃でガーランドは銃を手放してしまう。


 ガーランドはすぐに煙幕から出るが、ラグーンはそれを逃そうとせず再度射撃する。その銃弾はガーランドに当たることなく彼はそのまま土煙の中に隠れるように入る。

 ディアとラグーンは追撃をかけようとするが、その瞬間、轟音が鳴り響く。




 その爆発音で2人が振り向くと、そこには巨大な土煙が舞っていた。それは最初に起きたあの爆撃、いや、それ以上の大きさで、ディアは困惑するが、ラグーンは叫ぶ。


 「エウレカが逃げる! せめてガーランドとバースは倒すよ!!」

 そう言った瞬間、兵士の1人が突然倒れる。そしてその1秒後に銃声が鳴り響く。


 「な....狙撃...!?」

 そしてその瞬間、その倒れた兵士の元に向かって高速で何かが飛んでくる。風が一気に吹き抜けたその中で、土煙が舞う中で確かに一瞬見えた。それは見たことのないカプティブの男だった。


 

 「作戦完了」

 そのカプティブは呟くとすぐにガーランドとバースは彼に掴まる。するとリーワンは銃弾を弾倉にすぐ込めると、銃を煙が舞っている方向に向けて発射し、その瞬間、彼らはその銃弾についていくように飛んでいくのラグーンは視界にとらえる。




 



 一瞬の出来事に呆気を取られるが、ラグーンはボソッと口にする。

 「逃げられた.....」




 





 その10秒後、ようやく援軍は到着するのであった。

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