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灰と魔法の荒廃戦  作者: 山田浩輔
階級者の唄
82/100

第82話 詰み

 ディバドが次の拠点に着くまで20mといったところであることに気づく。


 「ほう?」

 それは10人がディバドの前方を囲うようにしている状況であった。

 

 

 成程、交代制で常に構え続けるようにすれば良いと言う発想か。しかしあまりにも単純。自分に兵を割き続けるか。それも良い。だがこちらは動けないわけではない。いつでも遮蔽物に隠れて一手を——




 その瞬間であった。ディバドの目の前を突然赤色が埋め尽くす。

 「簡単だよね?バリアは無敵でも“在る”以上は当たるんだよ」



 ほう。バリアの視界を奪うことでこちらが動くことができないようにするというわけか。確かに厄介ではある。ペイントを取るにはバリアを解除しなければならない。こちらから敵を見ることもできない以上は逆転は狙いにくい。


 さらにバリアを解除すればペイントが落下することで兵士はバリアがなくなったタイミングにすぐ気づき、即座に発射できるというわけか。なかなか良い手札だ。殺さずに無力化するとはな。



 ディバドはその瞬間、外から見えないのを確認すると煙幕弾を取り出すと、ピンを抜き煙がバリア内を包む。


 ディバドはそれを確認すると地面に這うように横になると、バリアを解除する。


 ペイントが落下し始め、それを見た兵士たちは一斉に射撃する。だがその瞬間、バリアから放出された煙が飛び出す。


 全ての銃弾はディバドの頭上を飛び超えていき、ディバドはその瞬間、射撃を始める。


 「ぐっ....!!」

 「ぎゃ———!?」

 

 弾倉分6発を撃つと、手榴弾のピンを2個分一気に抜くとジャンプしてバリアを再発動する。

 服はペイントで半分ほどが赤く染まる。


 そしてその瞬間、手榴弾は爆破し、周囲の兵士たちは吹き飛ばされる。


 「確かに悪くない手段だ。だが、視界が見えないのはそっちも同じ、そうであろう?」



 ディバドはそう言ってメアリーに向かって銃口を向けながら歩き出す。何歩か歩いたそれを見たメアリーは、万策尽きたかに思われた、だがその瞬間、ニヤリと笑う。

 「やっと来たね?」

 その瞬間、ディバドの足にかかっていた負荷が一瞬で消える。

 「な....っ!?」

 ディバドにとってそれは予想外であった。ディバドはすぐにバリアを一瞬解除して信号銃を撃つと、そのまま落下する。

 

 いつこんな穴を....?いや、最初から思いついてないとこんな穴は.......いや.....逆なのだ。最初から思いついていた...思いついていた上で泳がせていたというのだろう。この落とし穴に誘導するために.....


 *****


 簡単だよね?最初に深い穴を掘っておいて落とし穴を作るだけ。あとは[鉄生成]で蓋をして土を被せる。そうしたら私が魔法を解除して鉄の板が消えた瞬間にだけ落ちるトラップが完成するんだから?他の人が先行したとしても解除しなければ落ちることはない。ディバドだけが落ちるトラップ。



 それだけじゃない。立方体という形状である以上は坂みたいな傾斜は登れるかもしれない。でもこんな垂直の落とし穴じゃ登れないでしょ?



 そしてこの落とし穴には毒ガスを用意してる。空気より重い性質だからね。勿論毒ガスは通らないかもね?でもこの方法なら空気の流入は防ぐことができる。例え空気だけは通すバリアだったとしても、そもそも通る空気が無ければ関係ない。登るにはバリアを解除する必要がある。そうしたら射殺するだけ。

 援軍が来るまで1日はかかる。これで終わりだね?


 

 「にゃははははは! 窒息まで大体数時間って言ったところかな?援軍が来る前に、死んじゃうね?」

 

 困惑するディバドに対して、メアリーはそうニコリと微笑むのであった。

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