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灰と魔法の荒廃戦  作者: 山田浩輔
階級者の唄
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第79話 思料の解

 塹壕内での戦闘。


 地面に手をつきながら銃を構えるナイトに対してメアリーが拳銃を発射するがその瞬間、地面にS極を付与して反発し、側方に跳んで銃弾を避けるとナイトは拳銃で撃ち返す。


 メアリーは[鉄生成]の壁でその銃弾を防ぐとナイトは剣をメアリーに向かって投擲する。


 剣はメアリーを飛び越えるようにして外れ、メアリーは鉄の壁を遮蔽物にしながら銃弾を3発ほど発射する。


 ナイトはすぐに土嚢の裏に隠れて撃ち返すが銃弾は当たらず、ナイトは戦場を見て少し安心する。


 俺が思ったとおりだぜ。こいつが作ってた最初の鉄剣山が減っている。灰兵の侵入はかなり防げてるみたいだな。




 そしてナイトが思考する中で同時にメアリーも思考を続ける。


 剣を投げたけど防御してるから当たらないよね? 魔法の類いでは闇雲...なんていうわけがないよね。反発で剣をノーモーションで撃ち出すこともできたのにそれをしない。だとしたら。



 メアリーが背後に振り向くと、先程ナイトが外したはずの剣が回転しながらメアリーへと向かっていた。


 ...まあそうなるよね? とりあえずこれでどんな物質にもこれができることはわかったねえ....



 メアリーはその剣を避けると鉄剣山を出力して塹壕内にいるはずのナイトに向かって攻撃を仕掛ける。


 だがその時、上方からナイトはメアリーに向かって銃口を向けながら飛び出す。


 

 剣のブーメランは陽動だ。盾にする道具が”鉄“である以上は守れば視界は防がれる。更に背後からの一撃で視線を誘導してる間に俺は反発で塹壕から飛び出して上からの奇襲を狙えばいいんだよ....!

 銃弾は最初の兵士の射殺で1発、俺に対して4発撃っている....つまり後1発避ければ銃の脅威はなくなる...!


 ナイトは銃弾を放つが、メアリーは[鉄生成]でその銃弾を防ぐと同時に銃弾を発射する。


 銃弾はナイトの腹部に命中するが、怯むことなくナイトはメアリー向かって拳を振るう。


 それを見たメアリーは更に思考を続ける。

 

 カプティブ相手に接近戦を無理やりやる必要はない。勝てるわけがないからね? だったらこの子の目的はがむしゃらに戦うことではなく陽動。そうなると見える可能性ってさ———





———爆発物や刃物や銃弾などに事前に磁力を付与しておいて、私に付与して一斉攻撃を狙うことだよね?


 メアリーはナイトの手が身体に触れないように攻撃を捌き始める。手以外の近接攻撃は上手く衝撃を殺しながら防御していて、ナイトは困惑する。


 「ぐ.....っ....!?」

 いくらカプティブとはいえ、相当な技量の差が無いと手を一度も触れさせず防御するなんて普通はできるはずがない....こいつ.....カプティブとしても上澄みの身体能力なだけじゃなく......その技術が異常に高い.....!!!


 


 「もう終わりかな?」

 メアリーはそうニコニコと笑うが、ナイトはメアリーの脚に蹴りを一撃当てると即座にメアリーから距離を取るとナイトは呟く。


 「ああ....終わりだぜ.....」


 自身についている付与を解除するとナイトが右手を大きく上へ掲げた瞬間、銃声が一斉に鳴り響く。


 磁力をわざわざ相手に直接付与する必要はないんだよ。こっちは触れたあらゆるものに付与ができる。だったら簡単だ。先にテープに付与をしておき、それを貼り付ければいい。お前が手でしか貼れないと見抜けばむしろ注意は手に向いて、他が当てやすくなるからよぉ....! 一点に集中する銃弾を防ぐにはかなり分厚い盾が必要だ。そもそも貫ける可能性すらある....!



 そっか....確かに盲点だったね? テープを剥がしても軽いから投げても遠くには投げれないし、そもそもそんな時間がない....でもそれって簡単に対処できるよね?


 メアリーは微笑むと、ナイトに距離を詰めるとナイトの手首を掴んで銃弾の盾にするために背負う。


 「ぐ......!!?」



 このまま俺ごと貫いて殺すか....!?いや無理だ....俺を貫通する頃には弾速は下がりすぎる....!それだと鉄の壁は貫けねえ.....!!


 ナイトはそれを見てにメアリーのN極を解除すると自身にS極を付与し、銃弾は反発してナイトを避けるように地面へと落ちる。


 「致命傷は避けたみたいだね?」

 とはいえ銃弾は速い、反発しても軌道が多少変わるだけでナイトの手足を撃ち抜いていた。

 「クソが.............!」

 メアリーはナイトを地面に叩きつけると、ナイフを手に取る。


 「じゃあね? 一級者さん」

 メアリーはそう一言言ってナイフを刺そうとするのだが、その瞬間、塹壕に兵士が飛び込むとメアリーに銃口を構える。

 「あれ、もう来たの?」

 それはイータ国とは違う服装の兵士たちで、メアリーは困惑しながらも鉄の壁を生成して防御する。



 そしてその瞬間、エクレクスからの無線が飛ぶ。

 「メアリー...今すぐ戻りやがれ。流石にやばいかもだから」

 

 「えー、今すぐ? あと10秒——」

 「今すぐだバカ」

 

 エクレクスの指示を聞いて残念がりながらメアリーは自陣の方に走り始める。




 「マジでこいつ相手すんのかよ...」

 エクレクスはそう呟いた。



 戦場でゆっくりと歩く人間は、優雅に現れた。煙の中から現れた援軍。


 所属国ロー、特級者の男


 [不動卿]ディバド・メルクライムである。

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