第63話 内緒
保護区の最奥の研究室にて、ダストは目を見開いた。驚愕と興奮が入り混じる、震える口で呟く。
「信じられない.....これは..........この力は....戦争を動かせるほどの....———」
「起きて〜、朝ですよ〜」
「ん.....むぅ....まだ眠いです......」
メアリーは布団を頭から被るがそれをみたファリンは布団を引き剥がす。
「さあ起きて! 朝ですよ!」
「眠い....ぃ」
「メアリーはいつもそう言って起きないじゃん!」
ぼやける意識のままメアリーは立ち上がるとファリンに手を引かれて服を着替える。
「ファリンちゃんは早起きですね〜...」
「私は朝が最強だから...!」
ファリンがドヤ顔で言い、メアリーは適当に相槌を打ちながら着替えを終えると寮室を出ると、ちょうど歩いてくるダストが見える。彼は二人を見ると声をかける。
「あ、おはようございます。いきなりなのですがちょっといいですか?」
ダストは小走りで二人に寄ると笑顔で言う。
「ファリンさん、実はとても大切な話があるんですよ。とても大事な話なので、点呼が終わったらすぐに来て欲しいんですが.....大丈夫ですか?」
「え? 別に大丈夫ですけど...」
「ありがとうございます。ではまた後で...」
二つ返事で了承するとダストは嬉しそうに礼を言うと手を軽く振って走り去ってしまうのであった。
「....この前ご飯を黙って捨てたのバレたかな...」
「そんなことしてたんですか......?」
ファリンの気まずい表情をみてメアリーは笑いながら聞くのであった。
「あ、お兄ちゃんおはよ〜」
「おはよう、ファリン」
点呼が終わり、皆が解散し自由時間になるとファリンはクリスに挨拶するとクリスはニコリと微笑んで返してみる。
「お兄様....おはようございます....!」
メアリーもクリスに挨拶するとクリスはファリンに見せた表情と同じに挨拶する。
「おはよう、メアリー」
「今日聞いて! すっ転んで鉛筆がお亡くなりになったの! おかげでほら!」
ファリンはそう言っておられた鉛筆を見せる。割れ目にはちょうどウサギのプリントがされていて、首が取れてる感じになっていた。
「大変だよ! 首取れちゃったの!」
「そっか、それは大変だったね」
「何でペンケースに入ってて折れるんですかね....」
メアリーはドン引きした顔で言う。それもそうだ、こいつのペンケースはアルミ製、意味がわからない。
「あ、ていうかファリンちゃん。先生に呼ばれていたけど、言った方がいいんじゃない?」
「あー!そうだった!先生がお待ちだった!」
ファリンは疾風レベルで走り去り、クリスがぽかんとしてるとメアリーは言う。
「ダスト先生に呼ばれたそうですよ? 何をやった件で呼ばれたか予想してみますか?」
「まあ....大したことじゃないと思う....かな」
「先生〜! 私が来ちゃった 超速です!」
ファリンはニコニコしながらダストの部屋に入るとダストは書斎の椅子から立ち上がるとファリンの前に出る。
「よく来てくれたね、ありがとう。実はね.....凄いことが判明したんだよ!」
「え?」
ダストは嬉しそうにファリンの両肩を掴むと続けて言う。
「実は君の体には凄いものがあったんだ! もしかしたら君は....うん、きっと.....みんなを救える力があるかもしれないんだ....!」
「もしやお腹から金塊が....!? もっと美味しいご飯を買えるように...!?」
「あはは....そういうわけじゃないよ、ただそれでね。みんなを救うには君に協力してもらわないといけないんだ....ちょっっっっと痛い事もあるけど.....でももしかしたら....この悲しい戦いも無くなるんだ.....だからさ、手伝ってほしいな」
「え?.....えっ」
ダストはそうニッコリと笑い、ファリンがハテナを浮かべてるとダストは掴んでた肩を離す。
「ごめんごめん....ちょっと嬉しくてね、ゆっくりでいいよ。後で決めてもさ。ただお願いがあるんだけど......内緒にしてね。誰にも....クリスくんにもね」




