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#-13

「だが残念だったな」


 はずだった。

 しかし銃声は鳴らず、代わりに彼のオウム返しの言葉が反響した。


「はっ、えっ?」


 驚きが隠せない国長は思わず構えを解き、拳銃を凝視する。


 弾が出ないどころではない。

 何かが引っかかり、トリガーを引くことが出来ない。


 焦り標準も定めず何度もトリガーを引こうとする。結果は言わずもがなだったが。


「無理に顔へ近付けない方が良いと思いますよ。暴発したら危険ですし」


 告げる忠告はナイフのように冷たく、国長はこのトリガーが引けない現象は奴が原因だと言うことに気付いた。


「いったい何をした!?」


 吼える国長にレキは嘆きの息を一つ漏らす。

 自分が住んでいたとこのタヌキ国長とは大違いだったからだ。


「ボクの属性は影。ここの空間の影は全部ボクの支配下にあります」

「何を、言っているんだ?」

「ボクが、間接的にでも良いんですが、触れている影すべてに質量を持たせることが出来る。そういう能力を持ってます」


 この世界の者全て、その身体に〝属性色〟というものを宿す。

 色と名を冠しているが決して目で見ることは出来ず、身体のどこかが染まると言うこともない。


 属性色は赤、青、緑、白、黒の五色が発見されており、黒以外の属性色は成長と共に〝属性〟へと進化を遂げる。

 属性は自分の成長の一番の憧れだったり、畏怖しているものだったり、印象付いている形に変化する傾向がある。


 ただ人の九割が所有する黒だけは違う。

 黒は否定の色。己を殺した者のみが属性へと姿を変えることが出来る異色の色だ。

 だからこの知識はあまり人に認知されていなかったりする。


 形成す属性も他色と違い、印象ではなく願望が基となる。


 レキが望んだモノは消失。

 すると全てを飲み込み消失させる影の力を手に入れることが出来た。


「質量? ……!」

「弾が出ない理由、気付きました?」


 影の質量を操作する。

 言うのは簡単だがその応用は幅が広すぎ、何ができるのかというのを説明するのは難しい。


 なのでかいつまんでの説明になるが、今回だと拳銃内の影を膨張させ内部の隙間を無くした。


「そんでもって――爆ぜろ」

「ギャッ!」


 そして影を更に膨らませて拳銃を爆ぜさせた。

 拳銃を握っていた国長の手はもれなく大怪我を負い、鮮血が流れ出る。


「この影の中にいる限り、どんなものでもそういう姿にすることが出来ます。例えばあなたの内蔵なんかも対象内です」


 レキは微笑みながら左手を指し伸ばす。

 すると先の試しの時に傷付けたところの僅かな影が生き物のように動いた。


 まるで他の生物がいるかのようにも錯覚させることが出来る。

 それが質量操作の醍醐味の一つだ。


 ここで国長はレキの最初の問いを思い出した。


「明かり、付けますか?」


 あれは忠告だったのだ。

 今更ながらてきとうに答えたことを後悔する。


「真実、教えてもらえます?」


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