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#-14

 ついに観念したか。

 ぺたんと床に座ると、国長は肩を震わせながら語り始めた。


「あれは君の言う通り五年前の話だ。

 我が国は隣の国の蜘蛛の因子を持った妖、アルケニ族たちと間接的にだが仲良くなりつつあった。

 中には駆け落ちなんて奇行に走る若者も出てくるほどに。私の息子もそんな一人だった。

 とても優秀な人間だったんだよ、息子は。あんなバカなことをする奴じゃあなかった」

「だから手を出した?」


 つまり、自身の息子が妖と駆け落ちしたから腹いせに壊滅させた、ということか?

 アラクネは実験の産物ではなく、駆け落ちしたカップルから産まれた不幸な子?


 ただそうだとするとあの森を焼き払えばいい話。

 どこか辻褄が合わない。成獣だけを狙った?


 レキはぼんやりとそう考えを固めだしていた。

 続く狂気の言葉を聞いて、その考えが砕かれるなんて差も知れず。


「いいや、だから捕獲した。息子の意志を汲み」

「……どういうことです?」


 すると国長はケラケラと笑い出した。先も似た行動をしたな。

 自暴自棄に陥りやすい、メンタルが弱いヤツなんだな、とレキは認識を改めた。


「簡単な話さ。奴らに惚れたと言うなら招き入れれば良い。招き入れて取り込めばいい」

「そうすれば駆け落ちなんてバカな真似しなくなるから?」

「あぁ、その通りさ! 相手がいなくなれば駆け落ちするヤツは自然と消える!

 人としての秩序は保たれる」


 人としての秩序。

 それにどれほどの価値があるのか、人であるレキは知らない。


 それが一つの種属を滅ぼしてまでやることなのか。


 ただ、その問題は今は端に置こう。なんにせよ彼の主張は理解した。

 あとは隠していることを看破するだけだ。


 レキは口を開いた。


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