三話目
一話一話の文字数が少ない……
どうして……ドウシテ……
小学生になって、なんだかんだと二ヶ月が過ぎる。
学校に行くのも少し面倒と思うような暑さを感じながら、先生は言った。
「今日はテストをするぞー」
「「「えー!」」」
クラスの多勢が騒いだ。
かくいう僕も、その中の一人。
「結果は『あゆみ』にも反映されるから、授業をちゃんと受けてるかどうかの確認だ」
終わった……。
授業なんてまともに受けてない。
どうしようかと文香を見たら、すごく余裕そうに見える。
「文香は、テストできそう?」
「……うん。高得点はいけると思う」
まあ、いつも先生が黒板に書いたものを、ちゃんとノートに写してるもんね。
ちなみに僕は基本的に移してない。
「それじゃあ、配るぞー」
戦いが始まった。
☆☆☆☆
学校が終わり、帰りの会となった。
「朝にやったテストを返すから、各自、ちゃんと見ておけー」
先生が一人ひとりにテストを返して、僕のところ露にもやってきた。
「皇は、もっと頑張らないとな」
なんて言われ、返された紙を見ると、そこには『32点』と書いてあった。
絶望していると、全員に返し終えたのか、教卓に戻る先生。
「さて、今日も特に連絡事項はないから、みんな帰ったら復習をやるんだぞ」
「「「はーい」」」
紙をランドセルに入れて、隣を見る。
「文香は何点だった?」
「……98点だったよ?」
「えっ……」
言葉を失う。
高得点過ぎる。
「……月兎くんは何点だったの?」
「32点」
「……ちゃんと先生の話を聞かないから、そうなるんだよ?」
「いいじゃないかテストのことなんて。それより帰ろう」
「……帰ったら、一緒に勉強する?」
「あー、うー、んー……」
「……そんなに悩むことなの……?」
勉強は嫌いだ。
運動してる方が楽でいい。
頭を使う必要がないから。
まあでも、このままじゃ良くないだろうし、母さんにバレたら怒られそう。
仕方ない。
「一緒に勉強しよっか」
「……うんっ」
まさか、こんなことになるなんて。
そう思いながら、僕たちは家に帰った。
ちなみに、クラスの友達から遊びに誘われたけど、文香と勉強するので断っている。
☆☆☆☆
「勉強飽きた」
「……まだ始まって少ししか経ってないよ……?」
勉強することになって、場所は僕の部屋。
お互いに教科書とノートを出して、とりあえず今日の復習をすることになったけど、早々に音を上げた。
「……分からないところや知らないところは、その時に教えるから、頑張って覚えよう?」
「わかった……」
文香に言われ、渋々とまた机に向かう。
「…………」
「…………」
お互いに無言となり、今日授業で教わったところを書き写していく。
でも、初めてこんなことをしたけど、なんていうか頭の中に入っていくのを感じる。
復習って、結構大事なんだなぁ。
そんなことを思う時間だった。
時間が進み、母さんからご飯の呼び出しを受け、晩御飯を食べた後、復習を済ませた後、文香に言われるがままに、明日の予習をした。
☆☆☆☆
朝ごはんを食べている時に、母さんから話しかけられる。
「今日、月兎の誕生日じゃない?」
「うん。そして文香の誕生日」
「それで、今年も合同で開催していいのよね?」
「僕はそれでいいよ。文香が喜ぶ方で」
「……相変わらず、文香ちゃんに甘いのね」
そうなのかな?
前にも同じようなことを言われたけど。
「文香ちゃんへのプレゼントは、何か用意したの?」
「したよ。この前、良いものを見つけたんだ」
「そう……。それはよかった」
今夜は文香と誕生日会。
プレゼント、喜んてくれるかな。
そんなことを思いながら、残りの朝ごはんを食べた。
自分たちが小学生の頃、どんな話し方してたか、どんな動きしてたか、どんな遊びしてたか。
全然思い出せない……。