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第68話 騎士団新人リナ・ポートフェン 医務室にて

 騎士団所属の医者がいる医務室に連れて来られて手当てして貰った。

 リナが手当てしている間、団長が騎士(せんぱい)たちに説教してる。


「自分より下が入ったら威張るばかりじゃ無く、気を配ってやらないと。新人は自分の不具合言えないんだぞ。戦場で、無駄死にさせる気か」

「申し訳ありません」


 全く俺は何をやっているんだ、とサイラスは思う。

 新人じゃ無いだろう? 相手は見習いとはいえ司令官。俺たちの上司だ。

 その肝心の上司は、俺たちの方を泣きそうな顔で見てるしな。

「ああ。手の方も手当てして貰え。マメつぶれてるだろう」

 団長がリナを見るなり、指示を出した。


 あ~あ、印象最悪かも…とリナは思う。本当に泣きたい気分だ。

 何かあったら、結局、トップが庇いに来るんじゃんって。

 本来ならしなくてもいい新人以下の訓練生の相手させられて、挙げ句がこ(・)れ(・)って。


 リナは、医者により右足首を消毒され湿布を貼られていた。

 全身痛くて、もうどこがどうだとか、わかんない。

 仕方ないなぁ。ゼロどころかマイナスからだけど、やり直すしか無いか。

 もう、相手してくれないかも知れないけど。


「ありがとうございました」

 リナは手当てしてくれた、医師にお礼を言う。

(団長や2人には謝罪しなきゃ)

「お忙しいところ、お時間を取らせてしまい。申し訳ございませんでした」

 しっかり立って団長たちの所に行って、リナはぺこんと頭を下げた。

(まだ、少し痛いか)


「まだ立つんじゃ無い。大概我慢強いんだな、リナ嬢は。今時期だったら、身体中痛いはずだろう」

「はぁ、でもこんなものなんでしょう? 始めたばかりって」

 リナは、キョトンとして言った。

「それはそうだが……」

「なら、大丈夫です。そういう経験をしに来たんですから」

(おい。なぜ、そこで固まる。騎士団の三人+医師よ。いや、マゾじゃないからな、私)


「理由を訊いて良いでしょうか」

 オルグレン隊長が訊いてくる。

 なんだか団長も知りたそうにしてた。

「簡単なことですよ。中に入らないと何も分からないでしょう? 何も分からない子どもに指揮とられて全滅とか嫌すぎませんか」

「嫌すぎるどころじゃないですね」

 そう言いながら、オルグレン隊長は苦笑いをする。

 こんな子ども相手に、大人げないことをしたな、とオルグレン隊長は反省した。


「すみません、こちらも謝らなければ……部下の体調管理は上司の仕事です。先程、団長が言われてた通り、下のものは体調が悪くとも言えません。本当なら、相手してる騎士が。最悪でも私が気づくべきものです。申し分けない」

 と言うことは、先々は私が気づかないといけないんだ、なるほど。

 もう一人の頭も隊長が押して下げさせた。何だっけ? 名前。


 なるほどな……と、サイラスも思う。

 リナ・ポートフェンは俺たちの仲間になりに来たのか。

  どおりで、新人って言われても怒らないわけだ……下から上がるつもりなら。

 親父たちの警戒する理由が、何か分かった気がする。

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