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第59話 リナは、過保護なお姉さんポジ?

 セドリックの謹慎問題が取りあえず解決して、クランベリー公爵は近衛騎士団の仕事に戻って行った。宰相も自分の執務室に戻る。

 ジークフリートは、公務を中断されてた分を取り戻すために、今日は王宮に残って仕事をするらしい。


 結局、学園に戻るのは、リナとリナの護衛に復帰したセドリックだけになった。

 それに、ジークフリートから馬車乗り場への案内を頼まれていたクリフォード。

 この三人で、王宮の廊下を歩いていた。


 クリフォードがリナに訊いてくる。

「リナ様は、クランベリー公爵が怖くないのですか?」

 唐突すぎて、一瞬反応できなかったけど……。

(うん、情報無さ過ぎて、わかんない)

 斜め後ろを歩いていたセドリックに訊いてみる。

「怖い人なんですか?」

「あ~、どうだろう。やたら怖がられてはいるな。権力あるし、怒らせたら近衛騎士団どころか、騎士団全体敵に回すことになるから」

「ふ~ん。そうなんですね。怖いかどうかよく分からないです」

 自分に関係無い世界過ぎて、本当にわからない。

 でも、騎士団…この国の軍部を束ねている人……か。


「そういえば、さっきクリフォード様がおっしゃってた、クランベリー公爵様に対して、王太子殿下がいずれ向き合わねばならないことって何ですか?」

「あんた、リナちゃんの前でそんなこと言ったのかよ」

 セドリックがちょっと怒ってる。

「私は宰相と話していたのですが……。以前、王太子殿下の所為で、セドリックと騎士団が処刑されかけた、と言う事件(※)があって。それ以来クランベリー公から敵視されているのですよ。それをそのままには、できないでしょう?」

 多分、内容を思いっきり端折(はしょ)って教えてくれた。

(何やらかした、ジークフリートよ)


「だから、言うなって言ってるだろ」

「私が言わなくても、調べるまでも無く誰かからか聞いてしまいますよ。あの調子では、本人に聞いても言うでしょうしね」

「ったく。リナちゃん。何とかしてやろうとか思うなよ」

「え? 思いませんよ。これ、他人が手伝ったらダメなことじゃないですか」

(余計に相手を怒らせちゃうよ)

「リナちゃんでも、そう思うか……」

 セドリックが少し安心した顔でリナを見た。


「でもって、何ですか。でもって。だいたい、王太子殿下も私に甘やかされたら困るでしょう」

「殿下の評判が地に落ちますね。それで、私は宰相様から睨まれたのですか」

 なるほど……と、クリフォードが言う。

(いや、私の認識がカオスになっていってるんですが……。さっき、宰相に言いに行ったのが、助けに入った的に見えたのか?)

 明らかにこっちの問題に巻き込まれてたから行っただけなんだけど。


 まずいな……と、リナは思う。

 クランベリー公爵がこの国の軍部を掌握しているのなら、必ず抑えないといけない相手だ。




※番外編 エイリーン誘拐事件 参照

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