表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
14/31

第14話 デビュタント 国王陛下の依頼

 王室の現状が語られた後、父は自ら執務室を出て行った。

 父がいては、不味い事があるらしい。


 宰相は国王の机の横にいる。

「リナ・ポートフェン。こちらへ」

 リナは、呼ばれるまま、国王陛下の机の前に行った。

 国王陛下の右手をかざされた。その手のひらから、金の粉がファッと舞う。

 その粉は、リナの首に纏わり付いたかと思うと、金の鎖に長方形の小さな金の板が付いたネックレスになる。

 板の方を手に取ってみると、何やら魔方陣のようなものが付いている。

 彫ってあるのでは無い。金の中に浮かび上がっているっていう感じなのだ。


「古代の魔法物でな。それは、持ち主を選ぶのだ」

「何か魔法を使えるようになるとかですか?」

 リナは、ちょっと期待を込めて訊いてみた。

「……いや。そういった話は、聞いたこと無いな」

(期待させといて、まさかの魔法無し。困ったときの換金アイテム?)

「売らないように」

 国王は、リナをジト目で見る。なんで分かったのだろう? とリナは思う。


「持ち主を選ぶと言ったであろう。それはもう、死ぬまでそなたから離れぬからな。それの保持者は、この私や王族と同等かそれ以上の立場と権利が与えられる。この王宮内の全て、王の執務室ですら入り放題だ。どうだ、嬉しいだろう」

「返品したいです」

(面倒くさい、そんな立場……)


「まぁまぁ、魔法が使えるかもしれないし」

 今度は、リナが国王をジト目で見る。

「前例無いって言いませんでした?」

 国王は軽く咳払いして。

「もし選ばれなかったら、ここに来させることも無かったのだがな。そなたが謁見の間に入ってきた途端、右手が熱くなったのだ」

 それで、リナを人払いの出来る自分の執務室に、来るように促したのだそうだ。


「リナ・ポートフェン」

 国王は態度を改めて、リナに問いかける。

 リナの方も、雰囲気が変わったのを感じて、背筋を伸ばした。

「そなたに『学園に在籍している間の王太子と第二王子の安全確保』を依頼したい。依頼なので、拒否権は有る」

「依頼……ですか。命令では無く」

「命令は拒否権が無いからな。なあに、簡単なお仕事だよ。誰でも出来る」

 リナは、国王が言った事を反芻する。


『学園に在籍してる間』『王子たちの安全確保』

(これは……)

 リナは、少し考え込む。

「国王陛下。依頼を受けるにあたって、こちらからも3つ条件を出して良いですか?」

 宰相が、リナを睨む。だけど、目の前の国王が手を挙げて宰相を制した。


「かまわんよ」

 国王は、リナが依頼の真意に気付いたのだと思い、快く引き受けた。

 少し打ち合わせをして、3つの条件を、公文書にしてもらうことができた。

 リナは、依頼を命令として受けた。

 国王の執務室を出ると、父が待っていてくれた。

 その父と帰途につきながら思う。

 現実だと思うから距離を取っているけど、元々、攻略キャラもお助けキャラも大好きだ。大好きだから、何度も、もう完全にゲーム内容を覚えてしまうほどやりこんだんだ。

 その子達がゲームのキャラでは無く実在していて、大変な目に遭うというのなら助けたいじゃないですか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ