第100話 アボット侯爵からの呼び出し 近衛騎士団の在り方
アボット侯爵の執務室を辞した後、一緒に出てきたマーティンソン隊長が謝ってきた。
「申し訳ありません。ポートフェン司令官」
今回は、さすがに良い顔は出来ない、とリナは思う。
「私のような子どもに言われたくないかも知れませんが、組織としての役割は守って下さい」
リナは、ちょっと、硬い表情を作った。
マーティンソン隊長が少し驚いた顔をしている。
「あなたの隊は、アボット侯の護衛としてあの部屋にいたのでしょう?」
「はい」
「例えば、私が処刑されるような罰を受けた場合。強制的にあの部屋から退出。牢屋まで護送するのは、あなた方の役目だったのではないのですか?」
「おっしゃる通りです」
「ならば、次からはそうして下さい」
「なっ」
「そうでなければ、近衛騎士団の意味を成さなくなります。個人的な感情で動いていい組織ではないでしょう?」
隊長も硬い表情でリナを見ていたが、フッと力を抜いて。
「その通りです。申し訳ございません」
「私こそ、生意気言ってしまってすみません。私個人としては、庇って頂いて、嬉しかったです。ありがとうございました」
リナは隊長に、ぺこんとお辞儀して別れた。
とりあえず、リナは、近衛騎士団の失態なのでセドリックに報告に行くことにした。
「あ~、悪い。それ、俺らの所為かも」
「は?」
セドリックの執務室で報告したら、申し訳ないって感じで言ってきた。
「うん。騎士団みたいな男ばかりの組織では、リナちゃんみたいな紅一点はお姫様扱いして貰うのが、一番安全なんだよ」
「だから、サイラスと共謀してそういう風に持っていった。今日みたいに弊害があったら、その都度正していくしか無いかな」
(なんですか? それ……)
「一応、第三部隊には俺からも注意しておくし、サイラスにも報告するから。それで、勘弁してくれ」
「はぁ」
(よくわかんないこと考えるな。相変わらず)




